爆サイで開示請求が難しいのはどんなとき?削除済み・ログなし投稿への対応策

爆サイで誹謗中傷の投稿があった場合、投稿者を特定することができれば損害賠償請求、刑事告訴という民事上または刑事上の責任追及が可能となります。

しかし、爆サイは、匿名の掲示板ですので、投稿者を特定するには、通常は発信者情報開示請求が必要となります。
発信者情報開示請求は法的手続であり、自分で対応が難しいときは専門家である弁護士に任せるようにしてください。

今回は、爆サイで開示請求が難しいケースとその対応策について解説します。

目次

爆サイで誹謗中傷されたときの開示請求は難しい?

犯罪歴や逮捕歴の調べ方に関するよくある疑問

爆サイで誹謗中傷された場合、発信者情報開示請求という手続により匿名の投稿者を特定することができることがあります。

爆サイの投稿についての発信者情報開示請求は、通常は爆サイに対するIPアドレス等の発信者開示請求とアクセスプロバイダ(以下「プロバイダ」といいます。)に対する発信者情報開示請求が必要になります。
一般の方ではどのように開示請求すればいいか分からない人も多いでしょうから、開示請求が難しいと感じるかもしれません。

しかし、弁護士に依頼すればすべての手続を弁護士に任せられます。

爆サイでよくある被害例を以下にまとめました。これらのケースに該当する場合は、早期の対応が重要です:

【被害例①】営業妨害・信用毀損型

「この美容室は衛生管理が最悪」「店長のセクハラは有名」など、事実に基づかない悪評を複数投稿されて客足が減少したケース。特に飲食店や小売店、サービス業での被害が多いです。

特徴:直接的な売上減少という実害が発生するため、損害賠償請求の必要性が高い

【被害例②】個人情報流出型

「〇〇会社の△△さん(実名)は不倫している」「本名・住所・電話番号はコレ」など、プライバシー情報を掲載されたケース。ストーカー被害に発展するリスクもあります。

特徴:情報漏洩の危険が高いため、削除と投稿者特定を急ぐ必要がある

【被害例③】詐欺師扱い・犯人扱い型

「この人は詐欺で逮捕されている」「◯◯事件の犯人は〇〇さん」など、犯罪者呼ばわりされたケース。名誉毀損の典型例です。

特徴:社会的評価の著しい低下のおそれがあり、刑事告訴を含めた強い対応が求められる

【被害例④】セクハラ・パワハラ告発型

職場でのトラブルが爆サイで告発され、「〇〇部長はセクハラの常習犯」など複数の投稿で拡散されたケース。事実の有無を問わず社会的影響が大きいです。

特徴:企業評判や個人キャリアに重大な影響を及ぼすため、早期の削除請求と並行して投稿者特定が必須

爆サイの開示請求が難しいケースと対応策

以下は爆サイに限りませんが、発信者情報開示請求による投稿者特定が困難となるケースを紹介します。

対応方法別の比較:削除・開示・損害賠償

対応方法 メリット デメリット 期間 推奨ケース
削除請求のみ • 迅速(数日~2週間)
• 費用が安い
• 手続が簡単
• 投稿者を特定できない
• 再投稿のリスク
• 根本解決にならない
1~2週間 軽微な誹謗中傷、早急な情報削除が必要な場合
投稿者特定(開示請求) • 根本原因を解決
• 再犯防止効果
• 刑事告訴が可能
• 時間がかかる(3~6か月)
• 費用が高い(30~70万円)
• 法的手続が複雑
3~6か月 悪質な複数投稿、営業妨害、プライバシー侵害
損害賠償請求 • 金銭による救済
• 威嚇効果が高い
• 実害補填が可能
• 最も時間・費用がかかる(6か月~1年以上)
• 回収困難のリスク
• 手続が最も複雑
6ヶ月~1年以上 重大な被害(営業妨害、信用毀損)、確実な損害額がある場合

爆サイの投稿内容に権利侵害が認められないケース

開示請求が難しいケースの1つ目は、投稿内容に権利侵害が認められないケースです。

発信者情報開示請求をする場合、権利侵害の明白性を立証しなければなりませんので、爆サイの投稿内容に権利侵害が認められないときは裁判所は開示請求を認めません。爆サイの誹謗中傷のトラブルでは、主に以下のような人格権侵害が主張されるケースが多いです。

・名誉権侵害
・名誉感情侵害
・プライバシー権侵害

爆サイに気に入らない投稿があったとしても、それが権利侵害に当たらないものであれば、発信者情報開示請求は難しいでしょう。

【対応策】
なし

証拠保全する前に爆サイの投稿が削除されてしまったケース

開示請求が難しいケースの2つ目は、証拠保全する前に爆サイの投稿が削除されてしまったケースです。

発信者情報開示請求で権利侵害の明白性を立証するには、爆サイに投稿された具体的な書き込みが重要な証拠となります。証拠を残す前に投稿が削除されてしまうと、権利侵害の明白性が立証できませんので開示請求は困難となります。

【対応策】
爆サイで誹謗中傷の投稿を見つけたときは、すぐにスクリーンショットやプリントアウト、pdf化等により、以下のような内容を保全するようにしましょう。
特にURLの証拠化が重要であり、URLが切れずに全て表示されているものを保存するようにしましょう。

・誹謗中傷の投稿内容及び投稿番号
・誹謗中傷の投稿とレスで続くスレッド内の一連の投稿内容
・投稿日時
・誹謗中傷の投稿があるスレッドのタイトル
・投稿が掲載されているページのURL

⚠️ NG事例:やってはいけない対応

【NG①】感情的な書き込み返し

誹謗中傷に対して爆サイ上で反論投稿や、投稿者を非難する書き込みをしてしまうケース。これにより以下のトラブルが発生します:

  • スレッドが炎上し、さらに多くの悪評が書き込まれる
  • あなた自身も誹謗中傷で告発される可能性
  • 弁護士からの手続に支障が出る(あなたにも過失がると判断される)
  • 証拠保全の時間が失われる

正しい対応:発見したら即座にスクリーンショットを保存し、爆サイへの返信はせず、弁護士に相談してください。

⚠️ NG事例:証拠未保存のまま放置

【NG②】証拠を保存せずに時間が経過

「後で対応しよう」と思っているうちに投稿が削除されるケース。以下のリスクがあります:

  • 投稿内容の具体的な証拠がなくなり、開示請求が認められにくくなる
  • 「誹謗中傷があった」という事実そのものを証明できない
  • 仮に投稿者を特定できても、損害賠償請求が困難
  • プロバイダのログ保存期間(3~6か月)も同時に経過する危険

正しい対応:投稿を発見したその日に、複数の方法でスクリーンショット・プリントアウト・PDF化を実施してください。

ログの保存期間が経過してしまったケース

開示請求が難しいケースの3つ目は、ログの保存期間が経過してしまったケースです。

プロバイダでは、発信者情報開示請求の対象となる発信者情報を一定期間保存していますが、その保存期間は3~6か月程度とするプロバイダが多いとされています。ログの保存期間が経過すると情報は削除されてしまいますので、それ以降は開示請求が難しくなります。

【対応策】
ログの保存期間経過前であれば、発信者情報の消去禁止命令申立て、消去禁止仮処分命令申立により、プロバイダに対してログの消去禁止を求めることが可能です。

なお、プロバイダによっては裁判所からの命令でなく、任意の請求でもログ保存に応じてくれるところもあります。

爆サイで誹謗中傷した投稿者を特定する発信者情報開示請求の手続

名誉毀損の当事者間での和解の流れ

爆サイで誹謗中傷の投稿があった場合、以下のような発信者情報開示請求の手続により投稿者を特定することができます。

爆サイにIPアドレス等の開示請求

まずは爆サイに対してIPアドレス等の開示請求を行います。

IPアドレス等の開示請求は、裁判所への申立てによることも可能ですが、弁護士からの請求であれば任意にIPアドレス等を開示してもらえることがあります。
そのため、弁護士に開示請求の手続を依頼した方がよいでしょう

プロバイダに対して契約者情報の開示請求

爆サイからIPアドレス等が開示されたら次は、プロバイダに対して発信者情報(住所、氏名、メールアドレスなど)の開示請求を行います。

プロバイダに対する開示請求は、弁護士からの請求でも契約者側が開示請求に同意しなければ、任意開示には応じないことが多く、基本的には発信者情報開示命令申立又は発信者情報開示請求訴訟という裁判手続を行う必要があります。

発信者情報開示請求が認容されると、裁判所からプロバイダに対して発信者情報の開示が命じられます。
これにより、プロバイダから契約者の住所や氏名などの発信者情報が開示されます。

爆サイへの開示請求が難しいと感じるときは弁護士に相談を

爆サイへの開示請求が難しいと感じるときは、自分で対応するのではなく弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士からの請求であれば任意開示に応じてもらえる可能性がある

爆サイに対してIPアドレス等の開示請求をする場合、弁護士からの請求であれば裁判所への申立てをすることなく任意の情報開示に応じてもらえることがあります。

裁判所への申立てとなると、時間や費用がかかりますので、負担を軽減するためにも弁護士への依頼がおすすめです。

弁護士の関与価値①:爆サイ運営との交渉

具体的な対応内容:

  • 爆サイに対する正式な開示請求書の作成・送付
  • プロバイダ責任制限法に基づいた法的根拠を示した請求
  • 爆サイ運営側との直接交渉・折衝
  • 応答期限の設定と進捗管理
  • 拒否時の仮処分申立ての予告

効果:個人からの請求と異なり、爆サイ運営も法的責任を認識して対応するため、任意開示に応じる可能性が格段に高まります。通常、弁護士請求なら1~2週間で対応があり、裁判所手続を避けられることがほとんどです。

発信者情報開示請求の手続を任せることができる

爆サイの投稿についての発信者情報開示請求は、爆サイへの発信者情報開示請求とプロバイダへの発信者情報開示請求が必要であり、法的知識や経験に乏しい一般の方には難しいと感じるでしょう。

弁護士に依頼すればこのような法的手続をすべて任せることができます。

弁護士の関与価値②:裁判所手続の専門的対応

具体的な対応内容:

  • 発信者情報開示仮処分申立書の作成(法的要件を満たした書類作成)
  • 権利侵害の明白性を立証するための証拠収集・整理
  • 爆サイ運営側の反論に対する反論書作成
  • プロバイダ側との協議・調整
  • 仮処分決定の獲得から本訴訟への移行まで一貫した対応
  • 複雑な法的論点の構成・主張立証

効果:個人での申立ては形式的不備や法的主張の不十分さにより却下されるリスクが高いですが、弁護士対応により成功率が大幅に向上します。また、迅速な決定獲得が可能になり、プロバイダのログ保存期間内に手続を完了できる可能性が高まります。

投稿者への責任追及にも対応可能

爆サイに誹謗中傷をした投稿者が特定できたら、投稿者に対して損害賠償請求や刑事告訴といった民事上または刑事上の責任追及を行っていくことになります。

弁護士に依頼すれば発信者情報開示請求から投稿者への責任追及まで一連のすべての手続を任せることができます。自分では対応が難しいと感じるときは、すぐに弁護士に相談するようにしましょう。

弁護士の関与価値③:投稿者特定後の戦略的対応

具体的な対応内容:

  • 投稿者の身元確認と信用調査
  • 示談・和解交渉による迅速な解決
  • 損害賠償請求の金額算定と請求書送付
  • 支払い督促・民事訴訟の提起
  • 刑事告訴のための証拠準備・告訴状作成
  • 警察との連携

効果:投稿者が判明した後、単に連絡するだけでなく、法的措置を視野に入れた交渉が可能になります。多くのケースで示談によって迅速な解決と金銭補償が実現します。また、刑事告訴により悪質投稿者への抑止効果が生まれます。

まとめ

爆サイで誹謗中傷の投稿があった場合、発信者情報開示請求という手続で投稿者を特定することができることがあります。しかし、発信者情報開示請求は、法的手続が必要になりますので、一般の方には難しいと感じるかもしれません。

発信者情報開示請求には、ログの保存期間という時間制限もありますので、迅速に手続を進めなければなりません。

誹謗中傷の投稿に気付いたときはすぐに弁護士法人アークレスト法律事務所までご相談ください。

野口 明男 弁護士

監修者

野口 明男(代表弁護士)

開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。

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