開示請求

爆サイで開示請求が難しいのはどんなとき?削除済み・ログなし投稿への対応策

2025.05.30
爆サイで開示請求が難しいのはどんなとき?削除済み・ログなし投稿への対応策

爆サイで誹謗中傷の投稿があった場合、投稿者を特定することができれば損害賠償請求、刑事告訴という民事上または刑事上の責任追及が可能となります。

しかし、爆サイは、匿名の掲示板ですので、投稿者を特定するには、通常は発信者情報開示請求が必要となります。
発信者情報開示請求は法的手続であり、自分で対応が難しいときは専門家である弁護士に任せるようにしてください。

今回は、爆サイで開示請求が難しいケースとその対応策について解説します。

爆サイで誹謗中傷されたときの開示請求は難しい?

犯罪歴や逮捕歴の調べ方に関するよくある疑問

爆サイで誹謗中傷された場合、発信者情報開示請求という手続きにより匿名の投稿者を特定することができることがあります。

爆サイの投稿についての発信者情報開示請求は、通常は爆サイに対するIPアドレス等の発信者開示請求とアクセスプロバイダ(以下「プロバイダ」といいます。)に対する発信者情報開示請求が必要になります。
一般の方ではどのように開示請求すればいいか分からない人も多いでしょうから、開示請求が難しいと感じるかもしれません。

しかし、弁護士に依頼すればすべての手続きを弁護士に任せられます。

爆サイの開示請求が難しいケースと対応策

以下は爆サイに限りませんが、発信者情報開示請求による投稿者特定が困難となるケースを紹介します。

爆サイの投稿内容に権利侵害が認められないケース

開示請求が難しいケースの1つ目は、投稿内容に権利侵害が認められないケースです。

発信者情報開示請求をする場合、権利侵害の明白性を立証しなければなりませんので、爆サイの投稿内容に権利侵害が認められないときは裁判所は開示請求を認めません。爆サイの誹謗中傷のトラブルでは、主に以下のような人格権侵害が主張されるケースが多いです。

・名誉権侵害
・名誉感情侵害
・プライバシー権侵害

爆サイに気に入らない投稿があったとしても、それが権利侵害に当たらないものであれば、発信者情報開示請求は難しいでしょう。

【対応策】
なし

証拠保全する前に爆サイの投稿が削除されてしまったケース

開示請求が難しいケースの2つ目は、証拠保全する前に爆サイの投稿が削除されてしまったケースです。

発信者情報開示請求で権利侵害の明白性を立証するには、爆サイに投稿された具体的な書き込みが重要な証拠となります。証拠を残す前に投稿が削除されてしまうと、権利侵害の明白性が立証できませんので開示請求は困難となります。

【対応策】
爆サイで誹謗中傷の投稿を見つけたときは、すぐにスクリーンショットやプリントアウト、pdf化等により、以下のような内容を保全するようにしましょう。
特にURLの証拠化が重要であり、URLが切れずに全て表示されているものを保存するようにしましょう。

・誹謗中傷の投稿内容及び投稿番号
・誹謗中傷の投稿とレスで続くスレッド内の一連の投稿内容
・投稿日時
・誹謗中傷の投稿があるスレッドのタイトル
・投稿が掲載されているページのURL

ログの保存期間が経過してしまったケース

開示請求が難しいケースの3つ目は、ログの保存期間が経過してしまったケースです。

プロバイダでは、発信者情報開示請求の対象となる発信者情報を一定期間保存していますが、その保存期間は3~6か月程度とするプロバイダが多いとされています。ログの保存期間が経過すると情報は削除されてしまいますので、それ以降は開示請求が難しくなります。

【対応策】
ログの保存期間経過前であれば、発信者情報の消去禁止命令申立て、消去禁止仮処分命令申立により、プロバイダに対してログの消去禁止を求めることが可能です。

なお、プロバイダによっては裁判所からの命令でなく、任意の請求でもログ保存に応じてくれるところもあります。

爆サイで誹謗中傷した投稿者を特定する発信者情報開示請求の手続き

名誉毀損の当事者間での和解の流れ

爆サイで誹謗中傷の投稿があった場合、以下のような発信者情報開示請求の手続きにより投稿者を特定することができます。

爆サイにIPアドレス等の開示請求

まずは爆サイに対してIPアドレス等の開示請求を行います。

IPアドレス等の開示請求は、裁判所への申立てによることも可能ですが、弁護士からの請求であれば任意にIPアドレス等を開示してもらえることがあります。
そのため、弁護士に開示請求の手続きを依頼した方がよいでしょう

プロバイダに対して契約者情報の開示請求

爆サイからIPアドレス等が開示されたら次は、プロバイダに対して発信者情報(住所、氏名、メールアドレスなど)の開示請求を行います。

プロバイダに対する開示請求は、弁護士からの請求でも契約者側が開示請求に同意しなければ、任意開示には応じないことが多く、基本的には発信者情報開示命令申立ないし発信者情報開示請求訴訟という裁判手続きを行う必要があります。

発信者情報開示請求が認容されると、裁判所からプロバイダに対して発信者情報の開示が命じられます。
これにより、プロバイダから契約者の住所や氏名などの発信者情報が開示されます。

爆サイへの開示請求が難しいと感じるときは弁護士に相談を

爆サイへの開示請求が難しいと感じるときは、自分で対応するのではなく弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士からの請求であれば任意開示に応じてもらえる可能性がある

爆サイに対してIPアドレス等の開示請求をする場合、弁護士からの請求であれば裁判所への申立てをすることなく任意の情報開示に応じてもらえることがあります。

裁判所への申立てとなると、時間や費用がかかりますので、負担を軽減するためにも弁護士への依頼がおすすめです。

発信者情報開示請求の手続きを任せることができる

爆サイの投稿についての発信者情報開示請求は、爆サイへの発信者情報開示請求とプロバイダへの発信者情報開示請求が必要であり、法的知識や経験に乏しい一般の方には難しいと感じるでしょう。

弁護士に依頼すればこのような法的手続きをすべて任せることができます。

投稿者への責任追及にも対応可能

爆サイに誹謗中傷をした投稿者が特定できたら、投稿者に対して損害賠償請求や刑事告訴といった民事上または刑事上の責任追及を行っていくことになります。

弁護士に依頼すれば発信者情報開示請求から投稿者への責任追及まで一連のすべての手続きを任せることができます。自分では対応が難しいと感じるときは、すぐに弁護士に相談するようにしましょう。

まとめ

爆サイで誹謗中傷の投稿があった場合、発信者情報開示請求という手続きで投稿者を特定することができることがあります。しかし、発信者情報開示請求は、法的手続きが必要になりますので、一般の方には難しいと感じるかもしれません。

発信者情報開示請求には、ログの保存期間という時間制限もありますので、迅速に手続きを進めなければなりません。

誹謗中傷の投稿に気付いたときはすぐに弁護士法人アークレスト法律事務所までご相談ください。

野口 明男 弁護士

監修者

野口 明男(代表弁護士)

開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。