5ちゃんねる(5ch)で書き込みをした投稿者を特定する流れと用語解説

国内最大級のインターネット掲示板5ちゃんねる(5ch)や2ちゃんねる(2ch.sc)では、日々多くの書き込みが投稿されており、中には個人名を挙げて誹謗中傷するものも少なくありません。 5ちゃんねる(5ch)の誹謗中傷の書き込みは、速やかに削除しなければ まとめサイトへの転載やSNSでの拡散により、多くの人の目に触れてしまいます。 しかし、それだけでは、根本的な解決とはいえません。誹謗中傷を書き込んだ投稿者に慰謝料を請求したい、刑事罰を受けてもらいたいと考えるのは当然のことです。また、二度と他人を 誹謗中傷 しないようにと、反省を促したいと考える方も多いと思います。 そのために必要なのは、「投稿者の特定」です。5ちゃんねる(5ch)は匿名掲示板で、書き込みだけでは個人を特定することはできません。 そこで今回は、 5ちゃんねる(5ch)で誹謗中傷を行った投稿者を特定する方法 を解説します。

5chで中傷被害に遭った際、最初に行うべき3ステップ

  • 証拠の即時保全: 該当スレッドのURLを保存し、投稿内容が明確にわかるスクリーンショットを撮影する。
  • 削除依頼前に相談: 投稿者を特定したい場合、先に削除を行うとログ(証拠)が消えて特定不能になるリスクがあるため、まずは弁護士へ相談する。

期限(3ヶ月)の確認: 5chのアクセスログ保存期間は「3ヶ月」が目安。書き込みから時間が経過している場合は一刻も早い着手が必要。

【専門家解説】5ちゃんねる(5ch)の開示請求基本データ

  • 運営法人: Loki Technology, Inc.(所在地:フィリピン)
  • 法的措置: 裁判所への「発信者情報開示の仮処分命令申立」が主流
  • ログ保存期間: 原則3ヶ月〜6ヶ月(※スマホ回線からの投稿は3ヶ月で消えるケースが多いため、2ヶ月以内の着手を推奨)

判例の傾向: 伏せ字や隠語であっても、スレッドの文脈から対象者が特定できれば「同定可能性あり」として権利侵害が認められる傾向にある。

目次

5ちゃんねる(5ch)とは

5ちゃんねるは、インターネット上で有数の巨大掲示板です。投稿内容のジャンルは、ニュースや政治経済から日々の生活に関わるものまで多岐にわたります。5ちゃんねるは2ちゃんねる(2ch.net)の流れを引き継ぐ掲示板であり、運営主体は海外法人です。

2ちゃんねるから5ちゃんねるへの経緯

2ちゃんねるは、1999年に西村ひろゆき氏の個人サイトとしてスタートしました。その後、2014年に経営権をめぐる対立から、2ちゃんねるはRace Queen Inc.の管理する2ch.netと西村氏の管理する2ch.scに分裂します。さらにその後、2ch.netはLoki Technology Inc.に譲渡され、名称も5ちゃんねる(5ch.net)と変わりました。以来、5ちゃんねる(5ch.net)と2ちゃんねる(2ch.sc)が共存しています。

5ちゃんねる(5ch)の書き込みは2ちゃんねる(2ch.sc)にコピーされる

5ちゃんねるに書き込みをすると、2ちゃんねる(2ch.sc)にも自動的にコピーされます。5ちゃんねるも2ちゃんねるもユーザー数が多いため、誹謗中傷や悪評を書き込まれるとより多くの人の目に晒されることになります。そのため、5ちゃんねるの書き込みだけでなく、2ちゃんねるにコピーされた投稿も早急に削除する必要があります。

5ちゃんねる(5ch)の投稿者を特定することはできる?

5ちゃんねる(5ch)で誹謗中傷の書き込みがあった場合、書き込みをした投稿者を特定することはできるのでしょうか。

(1)発信者情報開示請求により投稿者の特定が可能

5ちゃんねる(5ch)は、完全匿名の掲示板という特性がありますので、5ちゃんねる(5ch)への書き込み自体からは、投稿者の氏名や住所などを特定することはできません。 しかし、発信者情報開示請求という方法を用いることによって、 匿名での書き込みであったとしても、当該書き込みをした投稿者を特定することが可能 です。発信者情報開示請求とは、サイト管理者やプロバイダに対して、投稿者の住所・氏名などの情報の開示を求める手続をいいます。

5ちゃんねる(5ch)の完全匿名という特徴を逆手にとって、悪質な誹謗中傷の書き込みをする投稿者が非常に多い傾向があります。一度の投稿で満足する人もいますが、多くが同じスレッドに何度も同じ投稿をする「荒し」や、複数のスレッドに投稿する「マルチポスト」を行うなど、執拗に誹謗中傷を繰り返します。放置しておくと問題が沈静化するどころか、より深刻になるケースも少なくありません。問題の書き込みを慎むようにと進言した第三者に対して、「本人降臨」などといって、怒りを煽るような発言をするなどモラルに欠けている投稿者も存在します。

このような問題行動が著しい場合は、 書き込みを削除するだけでなく、発信者情報開示請求により投稿者を特定して法的措置を辞さない強硬な姿勢で問題に対峙する 必要があります。

(2)5ちゃんねる(5ch)の投稿者を特定した方がよいケース

では、具体的に投稿者を特定した方がよいケースを確認してみましょう。

長期間にわたって誹謗中傷の投稿が繰り返されている5ちゃんねる(5ch)以外の掲示板やSNSなどにも同様の書き込みが行われているまとめサイトやSNSなどで拡散されつつある誹謗中傷の投稿によって精神疾患を発症して仕事に行けなくなった誹謗中傷の投稿によって店舗や企業の売上が減少した個人情報を書き込まれているため投稿者を特定したい秘密にしていることが書かれているため親しい人が投稿している可能性がある自社の従業員と思しき人が機密情報や業務上知り得た情報を書き込んでいるため懲戒処分を検討したい名誉毀損罪や侮辱罪などでの告訴を検討しているプライバシー権を侵害されているので慰謝料を請求したい自身の著作権が侵害されている犯罪予告等の脅迫を受けている

以上のようなケースでは、刑事告訴や慰謝料請求などの検討の余地があります。どちらの場合も、投稿者の氏名や住所、連絡先が必要ですので投稿の削除を求めるととともに、投稿者を特定する手続を進めなければなりません。

5ちゃんねる(5ch)の投稿者特定の手順

それでは、5ちゃんねる(5ch)の投稿者を特定する手順を解説します。

(1)サイト管理者にIPアドレスの開示請求

まずは、5ちゃんねる(5ch)のサイト管理者にIPアドレスを開示するように求めます。 しかし、5ちゃんねる(5ch)の利用規約では、警察や裁判所からの要請以外のケースでは、IPアドレスの開示には応じない旨が定められています。そのため、5ちゃんねる(5ch)のサイト管理者への任意の開示請求では、IPアドレスの開示に応じてくれない可能性が高いでしょう。

(2)発信者情報開示請求仮処分手続を行う

サイト管理者への任意の情報開示請求が認められなかった場合は、被害者裁判所に対して「発信者情報開示の仮処分命令」を申し立てます。発信者情報開示の仮処分とは、簡単にいうと投稿者の情報を開示するように裁判所からプロバイダに命じてもらうための手続です。 この手続は、旧「プロバイダ責任制限法」(現行法は「情報流通プラットフォーム対処法」)によって認められた「発信者情報開示請求権」に基づいて行われます。インターネットの書き込み等によって権利を侵害された人が発信者情報の開示を求めることができるとしているのが、発信者情報開示請求権です。裁判所の仮処分手続によって仮処分が認められるためには、書き込みが以下の条件を満たしている必要があります。

▶ ①発信者によって、被害者の権利が侵害されていることが明らかなとき

具体的には、「●●は大学を裏口入学している」、「××会社に勤務する●●は××会社の金を横領している」、「△△高校の●●は△△高校の生徒に手を出した」など、名誉毀損や侮辱などが疑われる書き込みです。投稿内容から、その投稿が誰を対象人物としているのか明確に理解できることが必要です(同定可能性)。単に氏名が書かれているだけでは、同姓同名の人物と区別できず同定可能性が認められないことも少なくないため、プラスアルファの情報が必要となります。実名でなくハンドルネームのみが書かれている場合は難しい判断となるため、弁護士への相談が望ましいでしょう。

▶ ②発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき

発信者情報の開示を受けるべき正当な理由とは、投稿者に対する損害賠償請求や刑事告訴を検討していることなどです。ほかにも、名誉回復措置を求めようとする場合にも、その請求に投稿者の情報が必要ですので、正当な理由があるといえます。

(3)IPアドレスが開示されたらプロバイダを特定する

裁判所がIPアドレスを開示することを命じる処分を言い渡したら、5ちゃんねる(5ch)の運営者に対して投稿者のIPアドレスと日時等を開示するように求めます。5ちゃんねる(5ch)からIPアドレスが開示されたら、プロバイダを特定します。 IPアドレスからのプロバイダの特定は、個人でも可能です。無料のインターネットサイトからも特定することもできます。

(4)プロバイダに発信者情報開示請求を行う

プロバイダを特定したら、プロバイダに対して発信者情報開示請求を行います。プロバイダは発信者情報開示請求を受けたら、投稿者に「発信者情報開示に係る意見照会書」という書面を送ります。この意見照会書に記載されている事項はこちらです。

発信者情報開示を請求した人物の名前、企業名、団体名 掲載された情報 請求者の侵害された権利と侵害された理由

これらの情報を基に、「この人物にあなたの情報を知らせてもよいですか?」と情報開示の意思を投稿者に確認することが、「発信者情報開示請求に係る意見照会書」の目的です。 投稿者が同意と回答すれば、請求者に投稿者の情報が開示されます。 これに対し、 投稿者が不同意と回答した場合は、プロバイダから請求者に対して発信者情報開示請求に応じない旨が通知 されます。投稿者が回答しなかった場合は、プロバイダが発信者情報を開示するかどうかを判断します。 投稿者が、「自分に落ち度がある」と把握している場合は、この時点で投稿者サイドが被害者サイドに連絡をして、慰謝料等を支払うことで和解が成立することもあります。

(5)プロバイダに対して発信者情報開示請求訴訟を提起する

プロバイダから発信者情報開示を拒否された場合は、プロバイダに対して発信者情報開示請求訴訟を提起します。その投稿が、名誉毀損や侮辱、著作権侵害などに該当し権利侵害の明白性があると判断されると、裁判所はプロバイダに対して発信者の情報開示を命じる判決を言い渡します。 プロバイダは、裁判所の命令に従って投稿者の住所や氏名を請求者に開示しますので、ようやく被害者は投稿者の氏名や連絡先を知ることができる のです。

改正プロバイダ責任制限法の施行により発信者情報開示請求が一つの手続で可能に

投稿者を特定する上記の手順は、従来型の手続ですので、2段階の発信者情報開示請求が必要になります。しかし、改正プロバイダ責任制限法(現在の情報流通プラットフォーム対処法)では、これらの手続を一つの手続で行えるようになりました。 以下では、改正プロバイダ責任制限法の概要と改正プロバイダ責任制限法での投稿者特定の手順について説明します。

(1)改正プロバイダ責任制限法の概要

発信者情報開示請求の手続を定めたプロバイダ責任制限法が改正され、2022年10月に施行されました。 改正プロバイダ責任制限法では、これまでサイト管理者への発信者情報開示請求とプロバイダへの発信者情報開示請求を一つの手続で行うことができる ようになりました。 従来型の発信者情報開示請求では、2段階の裁判手続を経る必要がありましたので、時間やコストがかかり、泣き寝入りしてしまう被害者の方も少なくありませんでした。改正法では、発信者情報開示請求に関するこのような問題点を改善し、被害者の権利救済を迅速に行うことが可能になりました。

(2)改正プロバイダ責任制限法を使って5ちゃんねる(5ch)の開示ができるか

改正プロバイダ責任制限法を使って発信者情報開示請求ができるでしょうか。

結論としては、 5ちゃんねる(5ch)に対しては改正プロバイダ責任制限法を使って開示請求をすることは難しい です。5ちゃんねる(5ch)を運営しているのはLoki Technology Inc.という法人ですが、フィリピンにある法人で、日本における代表者を登記していません。そのため、フィリピンの法人に対して書面を送達する必要があります。また、フィリピンは送達条約に加盟しておらず、呼出しに5から8か月かかります。そして、プロバイダ責任制限法上5ちゃんねる(5ch)の言い分を聞かずに開示決定を発令することができません。そうしますと、書面が送達される間にプロバイダがログを保存している期間と言われている3か月から6か月が経過してしまい、プロバイダで保存している発信者情報が消えて開示ができなくなります。 以上から、 5ちゃんねる(5ch)に対する開示請求を行う場合は、従前どおりIPアドレスとタイムスタンプの開示を求める仮処分を行うところから始めます。 なお、仮処分については5ちゃんねる(5ch)側の言い分を聞かずに開示決定を発令することが認められていますので、前記の問題は生じません。

5ちゃんねる(5ch)への投稿で成立しうる犯罪の類型

5ちゃんねる(5ch)への悪質な投稿は、内容によって複数の犯罪が成立する可能性があります。代表的な犯罪類型は以下のとおりです。投稿者を特定したうえで刑事告訴を検討する際は、どの罪に該当しうるかを把握しておくことが重要です。

犯罪類型 法定刑 5chでの典型例
名誉毀損罪(刑法230条) 3年以下の50万円以下の罰金 事実を摘示して特定個人・法人の社会的評価を低下させる書き込み
侮辱罪(刑法231条) 1年以下の30万円以下の罰金拘留科料 事実の摘示なしに公然と人を侮辱する書き込み(容姿・能力等の人格攻撃)
信用毀損罪(刑法233条前段) 3年以下の50万円以下の罰金 虚偽の事実を流布し、特定企業の経済的信用を毀損する書き込み
業務妨害罪(刑法233条後段・234条) 3年以下の50万円以下の罰金 虚偽風説や偽計・威力により事業者の業務を妨害する書き込み
脅迫罪(刑法222条) 2年以下の30万円以下の罰金 生命・身体・自由・名誉・財産に対し害悪を告知する書き込み
偽計業務妨害罪・威力業務妨害罪 3年以下の50万円以下の罰金 イベント中止を狙った爆破予告、店舗への殺害予告等

自分で投稿者を特定する場合の注意点

弁護士法人アークレスト法律事務所
2020.09.19
2chへのIPアドレス開示請求で投稿者を特定する方法を詳しく解説
https://j-jurist.com/column/bulletin-board/column-66-2ch-ipaddress-disclosure/
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ご自身で投稿者を特定する際は以下の点に注意しましょう。

(1)IPアドレスだけで投稿者を特定できるわけではない

発信者情報開示請求では、投稿者のIPアドレスの入手が必須です。サイト管理者が任意での情報開示請求に応じなければ裁判所に仮処分を申し立てなければなりません。慣れない方にとっては非常に難しい手続を経て、ようやくIPアドレスが開示されることになりますが、これは投稿者特定の第一ステップであり、それだけでは投稿者を特定することはできません。 IPアドレスからわかることは、投稿者が投稿時に用いた「プロバイダ」だけ です。

(2)5ch特有の「ログの揮発性」と「スレ落ち」に注意

5ちゃんねるはアクセス数が膨大なため、古いログが上書きされるサイクルが非常に早いです。特に、書き込みが止まって「スレ落ち(過去ログ化)」したスレッドは、通常のブラウザでは閲覧できなくなりますが、一定期間はログが保持されています。ただし、携帯キャリア(docomo、au、SoftBank等)側のログは投稿から3ヶ月で消去されることが多いため、一刻も早い法的手続が必要です。

(3)権利侵害のあった投稿の証拠保全が必要

5ちゃんねる(5ch)で誹謗中傷の書き込みがあった場合、すぐに書き込みの削除をしようとしてしまう方も少なくありません。しかし、投稿者を特定するためには、以下のような証拠が必要になります。

書き込みのあったページやスレッドのURL 投稿内容がわかるスクリーンショット

投稿を削除してからでは、これらの証拠を確保することができなくなります。そのため、投稿者の特定をお考えの方は、書き込みを削除する前に、権利侵害のあった投稿の証拠を保全しておくようにしましょう。

(4)1人で投稿者を特定するのは非常に困難

ここまでお話ししたように、発信者情報開示請求の手続はフローが複雑です。また場合によって、2回は裁判所での手続が必要となります。1度目はサイト管理者に投稿者のIPアドレスを開示するように求める場合です。IPアドレスが開示されたら、プロバイダに投稿者の氏名や住所などの情報を開示するように求めますが、これが2度目の手続です。つまりこれだけの手続を行うために、2度も裁判所で手続を行わなければならないのです。 裁判所での手続は法的な専門知識が求められます。 特に発信者情報開示請求においては、被害者の権利が侵害されていることを論理的に説明する必要があるため、弁護士に依頼するのが最適 です。

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投稿者の特定を弁護士に依頼するメリット

弁護士法人アークレスト法律事務所
2026.01.08
【弁護士監修】5ちゃんねる(5ch)の書き込みを削除依頼する方法
https://j-jurist.com/column/bulletin-board/column-29-5ch-delete/
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5ちゃんねる(5ch)の投稿者の特定は、弁護士に依頼して行うのがおすすめです。それは、以下のようなメリットがあるからです。

(1)手間をかけずに投稿者を特定可能

投稿者の特定作業は非常に手間がかかり複雑です。何度も手紙を往復させたり裁判所に書類を提出したりと、日頃法律に関わっていない方にとっては、ハードルが高いものばかりです。 弁護士に依頼すれば、このような複雑かつ手間のかかる手続をすべて任せることができます。自分だけで手続を進めていくことに不安を感じる方は、まずは弁護士にご相談ください。

(2)投稿者特定に慣れている弁護士であれば、迅速に特定可能

投稿者特定はアクセスログの保存期間の関係で、スピード勝負という側面もあります。
個人で行うと、手続をしている間に保存期間が過ぎてアクセスログが削除されてしまい、投稿者の特定が不可能になってしまいます。 投稿者の特定に慣れている弁護士であれば、依頼を受けてからすぐに投稿者特定の手続に着手することができますので、手続に手間取って、投稿者の特定が不可能になるおそれはありません(ただし実際に特定が可能かどうかは案件によって異なります)。

(3)投稿者の特定から損害賠償請求までワンストップで依頼できる

発信者情報開示請求により、5ちゃんねる(5ch)に誹謗中傷の書き込みをした投稿者を特定できたとしても、それで終わりではありません。 投稿者に対して、慰謝料などの損害賠償請求をする場合には、投稿者との交渉や訴訟などの手続が必要になります。弁護士に発信者情報開示請求を依頼すれば、その後の損害賠償請求までワンストップで対応が可能のため、安心して任せることができるでしょう。

投稿者特定に弁護士会照会(弁護士法23条照会)も利用できる

発信者情報開示請求や仮処分以外に、投稿者の特定に弁護士会照会(いわゆる「23条照会」)が併用されることがあります。弁護士会照会は、弁護士が弁護士会を通じて法人や企業に対し、受任した案件の解決に必要な調査・照会を行うことができる制度で、弁護士法23条の2に規定されています。

たとえば、投稿者が会社のPCから誹謗中傷を書き込んでいた場合、発信者情報開示請求で開示される情報は、契約者である会社の名称や所在地までにとどまることがあります。その場合、23条照会をかけることにより、その会社に対して投稿者個人を特定するための手がかりを求めることができます。照会された側に公的な回答義務はあるものの、強制力や罰則規定はないため効果は限定的ですが、発信元がインターネットカフェである場合などには、独自に保有している顧客情報を利用して特定に協力してもらえる可能性があります。

5ちゃんねる(5ch)の投稿者特定を依頼する弁護士の選び方

それでは、どのような弁護士に投稿者特定を依頼すればよいのでしょうか。投稿者特定の弁護士選びに失敗しないための選び方を解説します。

(1)5ちゃんねる(5ch)の削除、投稿者特定実績が豊富な弁護士

弁護士にも専門とする分野があります。特に5ちゃんねる(5ch)の投稿者特定はスピードが重要ですので、削除や投稿者特定の実績が豊富な弁護士による迅速な作業が求められます。弁護士の得意分野は法律事務所のホームページに記載されているので、確認してみましょう。「5ちゃんねる(5ch)の書き込みの削除実績が豊富」、「ネットの投稿者特定実績多数」などと記載されている弁護士が望ましいでしょう。

(2)ITに強い弁護士を選ぶ

5ちゃんねる(5ch)の投稿者特定の手続は、弁護士の取り扱い分野の「IT」に分類されるものです。IT分野は独特の用語がありますし、手続に迅速さが求められますので、IT分野は取り扱わないとしている弁護士も少なくありません。 いくら優れた交渉能力を持っていたとしてもIT分野の実績がない弁護士やITが得意ではない弁護士に依頼すると、思うような結果が得られない場合もあります。 投稿者特定を弁護士に依頼する場合は、IT分野を得意としている弁護士を選択しましょう。

(3)弁護士費用が明確

5ちゃんねる(5ch)の投稿者特定にかかる費用は、法律事務所によって異なります。後から想定外の費用を請求されたという事態にならないようにするためにも、弁護士費用が明確な法律事務所を選択するべきです。 IT分野を得意とする法律事務所であれば、法律事務所のホームページに投稿者特定に関する弁護士費用が掲載されていますので、まずはそちらを確認してみましょう。また、弁護士に相談した際に、依頼した場合の費用の見積もりを明確に提示してくれる法律事務所を選ぶのが安心です。

5ちゃんねる(5ch)の投稿者特定を弁護士に依頼した場合の費用

弁護士に投稿者特定を依頼するのがベストということはわかっていても、「費用がいくらかかるかわからないから」と躊躇してしまうものです。そこで、投稿者特定を弁護士に依頼する場合の費用の相場と、弁護士法人アークレスト法律事務所に依頼いただいた場合の費用を記載しております。

(1)裁判外での発信者情報開示請求の場合

仮処分や訴訟ではなく、任意の発信者情報開示請求を依頼した場合の費用の相場は、着手金が5万円から10万円程度、投稿者が特定できた場合の報酬金が20万円程度となります。

(2)裁判所を経た発信者情報開示請求の場合

仮処分や訴訟での発信者情報開示請求を、弁護士に依頼した場合の相場は着手金が20万円程度、報酬金が20万円程度となります。 弁護士法人アークレスト法律事務所では、5ちゃんねる(5ch)に対するIPアドレスの開示請求が6万6000円・プロバイダへの発信者情報開示請求(任意)は着手金11万円、成功報酬22万円にて承っております。

IPアドレスの開示請求(任意) 6万6000円〜
裁判所へのIPアドレス開示の仮処分の申立て 33万円
プロバイダへの発信者情報開示請求(任意) 11万円
発信者情報開示 33万円

投稿者特定後にできること

投稿者を特定することで、以下のような手続が可能となります。

(1)書き込みの削除

通常は、発信者情報開示請求とともに裁判所に書き込み削除の仮処分申立てを行います。

(2)慰謝料請求、損害賠償請求

投稿者を特定した場合、その投稿が名誉毀損や侮辱、プライバシー権侵害などに該当するのであれば投稿者へ慰謝料などを請求することができる可能性があります。慰謝料以外にも弁護士費用や調査費用の請求が可能です。 実際の事例でも、 インターネットの書き込みによる名誉毀損で、総額200万円を超える損害賠償金が支払われた事例 もあります。 悪質な書き込みに対しては慰謝料の請求を検討しましょう。

(3)訴訟による慰謝料請求や損害賠償請求

投稿者が任意の交渉での慰謝料請求や損害賠償請求に応じない場合は、損害賠償請求訴訟を提起することも可能です。 訴訟の場合は、 訴状を作成したり証拠を集めたりと専門的な知識が求められますので、弁護士にご相談ください。

(4)刑事告訴

書き込みが刑法等に違反する場合は、刑事告訴も検討します。刑事告訴を行うことで、投稿者は警察などの捜査機関の取調べを受けることになります。告訴状を受理すれば、捜査機関は必ず捜査に着手しなければなりません。 5ちゃんねる(5ch)の書き込みによって考えられる犯罪は、名誉毀損罪や侮辱罪、業務妨害罪や脅迫罪などです。また、著作権や営業秘密の侵害に関する犯罪も考えられます。書き込みの悪質度が高い場合は、刑事告訴を検討しましょう。

他掲示板(ミラーサイト・まとめサイト)への波及について

5chの投稿は「2ch.sc」などのミラーサイトや、外部の「まとめサイト」に転載されることが少なくありません。本家5chの削除や特定が完了しても、これらのサイトに内容が残るリスクがあるため、併せて対策を検討する必要があります。

他掲示板の特定・削除については、以下の解説記事もご確認ください。

関連記事:Googleマップの口コミ削除と特定ガイド

まとめ

5ちゃんねる(5ch)の悪質な誹謗中傷の書き込みを行った投稿者を特定するための手続は、複雑です。 5ちゃんねる(5ch)に対してだけでなくプロバイダに対しても手続を行わなければなりません。手続は煩雑で非常に時間がかかります。 また、5ちゃんねる(5ch)の発信者情報開示を成功させるためには、 アクセスログの保存期間内に手続を完了させなければならず、時間との闘い です。

私たち弁護士法人アークレスト法律事務所では、数多くの5ちゃんねる(5ch)の削除実績と投稿者特定実績を基に、迅速に投稿者特定の手続を行いますので、お困りの方はぜひご相談ください。速やかに、投稿者特定に着手して、被害の拡大の防止に尽力します。

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野口 明男 弁護士

監修者

野口 明男(代表弁護士)

開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。