悪徳業者から被害に遭ったら?具体的な対処法や相談窓口を解説
風評被害対策の価格一覧表|弁護士に頼んだ場合の費用はいくら?
2021.12.06風評被害に遭って何らかの対策が必要になったとき、対策の相談先としては弁護士や風評被害対策を掲げるIT企業などが考えられます。この記事では、弁護士と風評被害対策企業、それぞれにできることの違いと、対策ごとの価格の目安を解説します。
風評被害対策の価格一覧表
最初に、風評被害対策を弁護士に依頼した場合の費用を見ていきましょう。
弁護士に依頼する場合の価格目安
主な対策方法ごとの価格目安は下記のとおりです。
弁護士はあらゆる場面で、依頼者の代理人として手続きを進めることができます。法的手続きの代行は弁護士にしか許されていない業務のため、必ず資格を持つ弁護士に依頼してください。
風評被害対策専門のIT企業に依頼する場合の価格目安
風評被害対策専門のIT企業では、平時からの予防策としてツールを使用したモニタリングや、検索エンジンの表示に関する相談、社員に対する研修など補助的な対策が可能です。
風評被害対策業者の料金体系は、一般的に月額料金で設定されています。サービス内容が一回限りのものではなく、継続的なコミットメントを前提としたものであるためです。
風評被害対策の種類と価格
ここまで弁護士に依頼した場合と風評被害対策業者に依頼した場合の価格目安を示しましたが、ここで改めて各対策の内容を詳しく説明します。
弁護士による風評被害対策
先に述べたように、弁護士に依頼する風評被害対策は主に手続きの代行です。どのようなものなのか、ひとつずつ確認していきます。
投稿や各種サイト・動画の削除請求
掲示板や口コミサイトの書き込み、ブログやサイトの記事などが風評被害の原因になっているとき、問題の投稿・記事・動画を削除するよう請求する手続きです。サイト管理者やサーバー管理者に削除依頼します。
サイト管理者の対応によって、削除依頼フォームやメールで依頼を出したり、送信防止措置依頼書を作成・送付したり、裁判所に記事削除の仮処分命令を申し立てたりします。
関連キーワード削除請求
関連キーワードとは、検索エンジンで検索した際に現れる言葉のことです。会社名を入力すると、「〇〇(会社名) パワハラ」や「〇〇 (会社名) 炎上」のように、よく一緒に検索されるワードが現れることがあります。
ネガティブな関連検索ワードが優先的に表示される状況では、さらに風評被害が拡大しかねません。これらが表示されないよう、検索エンジンに対して請求することが可能です。
ただし、「残業」、「ブラック」といったワードが現れる場合、転職活動中の人が応募を考える企業の情報を得る目的で入力している可能性もあります。すべてが削除対象となるわけではないため、どのような理由でサジェストワードに入ったのか、削除依頼をする前によく分析する必要があります。
関連キーワードの削除請求手続きは、本来被害者自らが検索エンジンの削除申請フォームを使って行わなければなりません。ただし、口コミや記事の削除請求と同様に、検索エンジン側の対応が芳しくないなどの理由で自力ではできない場合は、弁護士に代行を依頼が可能です。被害者本人に代わって削除依頼することは、弁護士にのみ許されています。
Yahoo・Google インデックス削除請求
企業名などの検索結果に不当なサイトが含まれている場合は、検索エンジンに対し、そのサイトや記事をインデックスから削除するよう請求できます。
IPアドレスの開示請求・発信者情報開示請求
掲示板への書き込みをした端末情報から投稿者を特定したい場合は以下のような方法をとってください。なお、弁護士に依頼する場合、それぞれの請求手続きに費用が発生します。
・IPアドレスの開示請求(仮処分申立て)
裁判所に対してIPアドレス開示の仮処分命令発令を申し立てる手続きです。IPアドレス開示の仮処分命令が出されると、ほとんどの場合サイト管理者はIPアドレス開示に応じます。
・プロバイダに対する発信者情報開示請求
プロバイダに対し、発信者(投稿者)の氏名・住所・電話番号・メールアドレス(発信者情報)の開示を請求する手続きです。サイト管理者からIPアドレス開示を受けたら、そのIPアドレスをもとにプロバイダを特定して、プロバイダに情報開示を請求します。
発信者情報開示請求を受けたプロバイダは、発信者の住所に「意見照会書」を送り、発信者の住所・氏名・電話番号・メールアドレスなどの情報を開示することに同意するかを確認します。
・投稿者の特定
これはプロバイダが発信者情報開示を拒否したときの手続きです。プロバイダは独自の判断で発信者情報開示を拒否することがあります。発信者(投稿者)が情報開示に同意しないときも、拒否することが多いでしょう。そのようなときは、プロバイダを相手取り発信者情報開示を求める訴訟を提起します。
損害賠償請求
加害者本人を特定した後の手続きのひとつです。民法第709条・第710条に基づき、加害者を被告として、被った損害額を賠償するよう民事訴訟を提起します。
刑事告訴
加害者を特定した後、刑事告訴をして加害者を罪に問うことも考えられます。書き込みや投稿が名誉毀損罪(刑法第230条)や侮辱罪(刑法第231条)などに該当する場合は、有効な手段です。
刑事告訴は損害賠償請求と併せて行うことも可能です。費用と手間を考えると、刑事告訴が受理されたことを確認してから賠償金の示談交渉をするのが、得策となることが多いでしょう。
顧問契約
弁護士と顧問契約を結べば、ネット上の名誉毀損・風評被害対策に関する法律相談が常時受けられます。必要に応じて、削除交渉を含めた口コミ対策などを依頼することになるでしょう。
また、削除請求や発信者情報開示請求のような弁護士のみができる業務のほかに、検索エンジン関連ワードや上位サイトのモニタリングによる風評監視サービスなども受けられることがあります。
IT企業による風評被害対策
ここまでは、弁護士が取り組む風評被害対策をご説明してきました。ここからは風評被害対策を扱うIT企業が行う対策内容について解説します。
サジェスト汚染対策
サジェストとは、なんらかのワードを検索窓に入力した際、検索ワードの候補として表示されるキーワード群のことです。関連キーワードと同様、会社名で検索しようとした人が「炎上」のようなネガティブなワードを目にすると、その会社にもネガティブなイメージを持ちやすくなってしまいます。
代表的なサジェスト汚染対策として知られているのが、別のサジェストで上書きしていくことによりネガティブなサジェストを目立たなくさせる方法です。
サジェストワードの上書きは、信頼できる業者に任せることで一定の効果が期待できます。ただし、サジェストワードが変わるまでには数か月という時間がかかることが多く、その分の費用がかかるのが難点です。
もし、サジェストワードの削除を直接検索エンジンに対して求める場合は、自ら行うか弁護士に代行を依頼する必要があります。弁護士を通さずに代行するのは弁護士法第72条の「非弁行為」という違法行為です。短期間で確実削除できる等とうたっている場合は、皮弁行為に当たらないか十分に確認してください。
逆SEO
「逆SEO」とは、SEO(検索エンジン最適化)の逆の対策、すなわち特定のサイトの検索順位を下げるための対策を指します。具体的には、例えば風評被害のもととなるサイトよりも上位に表示させる記事を作って、問題のサイトを目立たなくさせることです。
より上位に表示させるサイトとして、その企業の採用サイト、ニュースサイト、商品・サービスのPRサイトなど、ユーザーにとって有意義な内容のものを作成します。また、逆SEOが一定の成果を上げた後も、検索順位を下げたいサイトの順位が再び上がることがないか順位推移のモニタリングが必要です。
Googleのアルゴリズムは頻繁に変更され、逆SEOの有効な手法も変化し続けています。対策を誤るとGoogleのペナルティ対象となるリスクがあるばかりか、法に触れるリスクもあるため、依頼する会社は慎重に選ぶ必要があります。
モニタリング
モニタリングとは、自動監視ツールなどを用いてSNS上に対象となる個人や企業を名指ししたネガティブな投稿がないか監視することです。監視対象となる媒体や報告の頻度、対象キーワードによって料金が変わります。
モニタリングの対応は、弁護士事務所でも対応している場合があります。アークレスト法律事務所の風評監視システムについてはこちらからご参照ください。
コンサル・研修など
風評被害対策を専門とする企業では、予防策として風評被害に関わるコンサルや社員に対する研修を行っている場合があります。
例えば風評被害を事前に防ぐ組織作りのためのアドバイスや相談を受け付けたり、従業員のネット利用や有事の対応に関するガイドラインを策定したりといった内容です。また従業員研修などの講師を請け負うこともあります。
風評被害対策ならアークレスト法律事務所へ相談を
ネガティブな投稿は広まりやすく、別のサイトに転載されるなどして次々に拡散するため、時間が経過すればするほど、対策も困難になります。そのため、できるだけ早期に各分野の専門家に相談して解決を目指すことが重要です。
アークレスト法律事務所には、風評被害対策に精通した弁護士が多数所属しています。個別の状況に応じた解決策をご提案いたしますので、風評被害で悩んでいる方はぜひアークレスト法律事務所にご相談ください。
監修者
野口 明男(代表弁護士)
開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。
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