悪徳業者から被害に遭ったら?具体的な対処法や相談窓口を解説
名誉毀損の加害者を特定できない場合とその対策を詳しく解説
2021.02.08爆サイやホスラブで名誉毀損を受けたときは、加害者を特定すれば慰謝料を請求できる可能性があります。
ただし、どんな条件でも名誉毀損で加害者を特定できるわけではありません。加害者が特定できない場合を理解していないと、自ら不利な状況を作ってしまうかもしれない点に注意しましょう。
爆サイやホスラブで名誉毀損を受けたときに、加害者を特定できない場合と、その対策について詳しく説明します。
目次
目次
1.爆サイやホスラブでの名誉毀損の加害者を特定するために必要なもの
爆サイやホスラブなどの匿名掲示板で名誉毀損の加害者を特定するには、発信者情報の開示が必要です。発信者情報とは、加害者の氏名や住所だけでなく、投稿時に使用したIPアドレスやタイムスタンプも含みます。
名誉毀損の加害者を特定するために必要な発信者情報について、基本から説明します。
1-1.サイト運営者に加害者のIPアドレス・タイムスタンプを請求
IPアドレスとは、スマートフォンやパソコン一つ一つに割り振られた住所にあたる情報です。また、タイムスタンプとは、投稿がされた時刻を記録したものを指します。名誉毀損の投稿を、いつどの機器でおこなったのかを特定することで、加害者を割り出せます。
爆サイやホスラブは匿名制のため、加害者の氏名や住所などの情報を持っていません。そのため、まずは爆サイやホスラブに、加害者のIPアドレスとタイムスタンプ情報を開示してもらう必要があります。
名誉毀損の被害者には加害者の情報を開示請求する権利があり、「発信者情報開示請求」として権利を行使できます。
1-2.プロバイダに加害者の氏名・住所を請求
IPアドレスだけでは、加害者は特定できません。次のステップとして、IPアドレスの使用者を特定が必要です。
加害者の氏名・住所を特定するには、インターネットプロバイダに発信者情報の開示請求をおこないます。IPアドレスとタイムスタンプを根拠に、加害者を特定できます。
2.爆サイやホスラブでの名誉毀損の加害者を特定できない場合とは
爆サイやホスラブに投稿された誹謗中傷が名誉毀損にあたるとしても、加害者を特定できないと裁判を起こせません。情報開示を受けられない、あるいは別の理由で加害者を特定できない場合について説明します。[注3]
[注3]港国際法律事務所:権利侵害が明白でも、発信者を特定できないという現実2-1.証拠が残っていない場合
そもそも証拠となる投稿が残っていない場合は、情報開示請求がとおらない可能性が高いと考えられます。
爆サイやホスラブでは、利用者が簡単に投稿の削除依頼を申請できます。誹謗中傷を受けたからと、早まって削除依頼を出してはいけません。
2-2.発信者情報が消えている場合
爆サイやホスラブでは、発信者情報を永遠に保存するわけではありません。記録できる量には限りがあるため、数カ月程度で情報を削除します。
一般的には、発信者情報の保存期間は3カ月~6カ月とされており、それ以降は加害者の特定はできない可能性が高いでしょう。
2-3.加害者が転居している場合
発信者情報を入手しても、プロバイダが記録した住所から加害者が転居していることもあります。氏名などの特定ができていれば別の方法で加害者を特定できることもあるので、諦める必要はありません。
3.爆サイやホスラブでの名誉毀損の加害者を特定できないときの対策
爆サイやホスラブの名誉毀損で、加害者を特定できない場合は諦めるしかないのでしょうか?
実は、別の方法で加害者を特定できるかもしれません。加害者を特定できないときの対策を解説します。[注4]
[注4]弁護士費用保険の教科書:裁判で訴えたいけれど、相手の名前や住所がわからない時はどうすればいいの?3-1.弁護士に弁護士会照会や職務上請求をしてもらう
弁護士は仕事のために必要な場合に、他人の住民票や戸籍を取り寄せられます。これを職務上請求と呼び、法律で認められた弁護士の権利です。
また、弁護士が弁護士会照会を利用すると、裁判に必要な証拠を集めるために、企業などの調査ができます。
加害者が特定できない場合、弁護士が弁護士会照会や職務上請求をおこなうことで解決の糸口が見えるかもしれません。
3-2.探偵・興信所を利用する
弁護士は、身元調査をおこなうことはできません。そのため、まったく手がかりがない状態では、加害者を特定できないこともあります。
身元調査で加害者を特定したいときは、探偵や興信所も利用できます。しかし、身元調査で加害者を特定しても、証拠がなければ訴えることはできない点に注意が必要です。
4.名誉毀損の加害者を特定できない場合も弁護士に相談しよう
爆サイやホスラブでの名誉毀損の加害者を特定できない場合でも、対処方法はあります。加害者の情報を一部でも開示請求できれば、弁護士照会で住所を特定することも可能です。
投稿から時間が経ち発信者情報が残っていないときでも、投稿を削除して名誉毀損の被害をこれ以上広げないようにできます。
被害の状況によって、名誉毀損に対する対応方法が変わります。まずは、名誉毀損に詳しい弁護士に相談して対応を仰ぎましょう。
監修者
野口 明男(代表弁護士)
開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。
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