悪徳業者から被害に遭ったら?具体的な対処法や相談窓口を解説
建築・不動産関連企業が、風評被害や悪評被害に遭ったときの対処方法
2018.08.20建築や不動産関連の業種を営んでおられる場合、「ネット上の評判」に常に注意を払っておく必要があります。今は、ほとんどの顧客がネットを使って物件探しや建築業者探しをしているためです。ネット上の評判が低下すると、経営に直結する重大な問題となります。
しかし、ネット上では悪質な誹謗中傷被害が発生することが多く、注意が必要です。
今回は、建築や不動産関連の企業に求められる、「ネット誹謗中傷被害」への対策方法について、解説いたします。
目次
目次
1.建築・不動産関連の事業者が誹謗中傷を受けやすい2つのサイト
建築業や不動産関連の事業者が、ネット上で特に誹謗中傷被害を受けやすいのは、以下の2つのサイトです。
- e戸建て
- e戸建ては、一戸建てを建てようと考えている方たちが主体となって、建築業者の口コミや戸建ての設備、建材についての質問をしたり、回答を投稿したりしている情報交換サイトです。いろいろなスレッドがあり、間取りの相談から個別のハウスメーカーの評判まで、ありとあらゆる「戸建て建築」に関する情報が書き込まれています。
実名で、特定のハウスメーカーや工務店を品評するスレッドも多く存在するので、そういった場所で悪い評判を書き込まれると、事業者にとっては影響が大きくなります。
投稿は匿名で行われることが一般的なので、ときにはライバル社によって、悪意を持った投稿が行われるケースもあります。 - マンションコミュニティ
- マンションコミュニティは、マンションの住民や購入希望者がマンションについての情報を交換するための口コミ掲示板サイトです。 マンションの価格や住み心地、買い替えの相談など、さまざまな話題を取り扱っています。マンションを購入したい人と住民の住み分けもできており、双方が書き込みを行っていて、特定のマンションに関するスレッドや、不動産仲介業者に関するスレッドもたくさんあります。こうしたスレッドでも、やはり業者に対する悪意を持った書き込みが行われることが多く、マンションを取り扱う企業にとっては打撃となります。
2.どんな誹謗中傷被害が発生するのか
e戸建てやマンションコミュニティでは、具体的にはどのようなネット誹謗中傷被害が起こっているのでしょうか?以下で、例を見てみましょう。
2-1.e戸建て
- 「〇〇のハウスメーカーの住宅は粗悪。立て付けが悪く、見た目も安っぽい。後悔しています」
- 「〇〇建設の対応は最低。当初の説明と異なり、どんどん追加費用を請求された。悪質業者」
- 「〇〇ビルダーは、対応が最悪。契約するまではしつこく営業をかけてきたのに、満足に打ち合わせもせず、適当な物件を建てられた。」
- 「〇〇社は倒産寸前でやばい。頼んでも途中でつぶれるから、絶対注文しない方が良い」
2-2.マンションコミュニティ
- 「〇〇の仲介業者は、対応が最悪。とにかく契約させて、仲介手数料を取ることしか考えていない。まともに売却活動をしてくれない」
- 「マンションのことをきちんと調べてくれなかったので、購入後にいろいろな問題が起こった。その後も連絡がとれずに放置されている」
競合相手の関係者などにより、このような虚偽の書き込みが行われたら、依頼する顧客が減ってしまうことは想像に難くありません。
※マンションコミュニティでの風評被害の削除方針や方法については、下記の記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。3.営業妨害が起こった場合の法的問題
ネット誹謗中傷営業妨害をされた場合、以下のように、法律に抵触する可能性があります。
- 偽計業務妨害罪
- 虚偽の事実を流したり、人を騙したり誘惑したりして、他人の業務を妨害したときに成立する犯罪です。法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金刑です。
- 信用毀損罪
- 虚偽の事実を流して他人の経済的信用を失わせたときに成立する犯罪です。法定刑は、偽計業務妨害罪と同様です。
- 不正競争防止法違反
- ネット上で、ライバル社の信用を毀損する行為をした場合などには不正競争防止法違反となります。信用毀損をされた場合、相手に対し、謝罪広告などの信用回復措置を求めることができます。
また、上記のような違法行為をされた場合には、損害賠償請求も可能となります。
4.e戸建て、マンションコミュニティで誹謗中傷被害に遭ったときの対処方法
建築業者や不動産業者がe戸建てやマンションコミュニティで誹謗中傷被害を受けたときには、まずは該当の投稿を削除させる必要があります。そうしないと、その情報を見る人が増えて、売り上げが低下し続けるからです。
また、同時に投稿者を特定して、損害賠償請求や刑事告訴をすべきです。
そのためには、専門的な対応が必要となるので、スピーディに権利を実現するためには弁護士に依頼する必要性が高いです。
当事務所では、企業の営業損失を抑えるための「ネット誹謗中傷対策」を積極的に推し進めています。被害を受けておられるならば、損失が拡大する前に、お早めにご相談ください。
監修者
野口 明男(代表弁護士)
開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。
- 最新記事