意見照会回答書とは

意見照会回答書とは、ネットプロバイダなどの通信事業者が利用者に「発信者情報開示に応じても良いかどうか」について意見を確認するための書面です。ネット上で誹謗中傷などの権利侵害を受けたと主張する人がプロバイダなどに対して投稿者に関する個人情報の開示を求めたときに、プロバイダから利用者へ意見照会が行われます。法律上、本人による承諾を得られたら情報は開示してもプロバイダに責任が発生しません。そこでネット誹謗中傷が行われた場合などには、被害者がプロバイダに発信者情報開示を行い、プロバイダから利用者へと意見照会回答書が送られます。

意見照会回答書を受け取ったとき、情報開示に同意するとプロバイダから請求者へ利用者の個人情報が開示されます。すると、相手から損害賠償請求などの連絡が来る可能性があります。
同意しない場合、プロバイダは自己判断で請求者への情報開示に応じるかどうかを決定します。プロバイダが情報開示を拒否した場合でも、請求者が裁判所で「仮処分」という手続きをおこなえば、情報開示命令が出る可能性があります。

投稿者が意見照会回答書を受け取っても2週間以上返事をせず無視していると、プロバイダが情報開示に応じる可能性が高くなります。情報開示に応じたくないなら「同意しない」旨返答をする必要があります。また、投稿者側に正当な言い分がある場合は、弁護士等に回答書の作成を依頼し代理回答をおこなう場合があります。