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誤認逮捕でも逮捕歴は残る?削除を認めてもらう方法を紹介
2020.12.13犯罪に関わった事実はないのに、誤認逮捕でも逮捕歴が残ってしまいます。さらに、ネット上に逮捕されたニュースなどが半永久的に残ります。ネット上の逮捕歴は誰でも簡単に調べられるので、放っておくと生活に大きな影響が出るかもしれません。
ここでは、誤認逮捕で生じる逮捕歴の問題点と、削除方法をご紹介します。
目次
目次
1.誤認逮捕による逮捕歴の意味
誤認逮捕とは、実際には罪を犯していないのに被疑者として逮捕されることです。事件と一切関係がなくても逮捕された事実が残り、逮捕歴が付きます。ここでは、誤認逮捕の逮捕と前歴との違い、逮捕歴の意味について解説します。
1-1.逮捕歴と前歴の違い
逮捕歴は、逮捕された事実に関する記録です。起訴された・されていないに関わらず、逮捕されると逮捕歴が残ります。誤認逮捕のように、逮捕自体が間違いだったとしても、記録は残ってしまうのです。
似た意味の言葉に、前歴があります。前歴とは、被疑者として犯罪捜査を受けた記録のことです。逮捕されなくても、検挙されると前歴として記録が残ります。
1-2.誤認逮捕の逮捕歴はいつまで残るか
逮捕されると、関係機関に逮捕歴が記録されます。氏名や住所だけでなく、指紋などの情報も保管されます。このデータが第三者に提供されることはありません。
逮捕歴は捜査記録から削除されることはなく、一生残ります。誤認逮捕の場合でも同様です。
2.誤認逮捕の逮捕歴による影響
誤認逮捕されて逮捕歴が残ると、逮捕された直後だけでなく、以降の生活にも影響が出る可能性があります。捜査機関が持つ逮捕歴は公開されませんが、逮捕されたときのニュースは残るからです。
とくにネット上の情報は消されることなく、半永久的に残されます。ここでは、誤認逮捕による逮捕歴がどのような影響を及ぼすのかを説明します。
2-1.家族への影響
逮捕されてニュースになると、家族が通う学校や職場などでも噂が広がります。近隣住民にも情報が広まって、引っ越す必要が出てくるかもしれません。
それだけでなく、逮捕されて実名が報道されると、SNSやブログなどで情報が拡散されます。誤認逮捕だとわかったあとも、その情報が消されることなく放置され、引っ越し先でも誹謗中傷を受ける可能性があります。
2-2.仕事への影響
ネット上に逮捕歴が残ると、就職をするときに不利になることがあります。なぜなら、身辺調査をする企業もあるからです。また、前職の退職理由を聞かれて事実を話せば、逮捕歴が不利に働くこともあります。
誤認逮捕の場合は、申告義務はありません。そのため、逮捕歴を理由に内定を取り消されたり、懲戒解雇されたりしたときは撤回を求めることも可能です。
3.誤認逮捕で生じる逮捕歴の問題点と対処方法
誤認逮捕でネット上に残った逮捕歴は、残しておくと生活に影響が出るかもしれません。とくに誹謗中傷などの事実とは関係のない内容は、法的に対処することも可能です。
3-1.名誉毀損
名誉毀損とは、不特定多数の人が目にする場所で社会的評価を下げるような言動のことです。誤認逮捕にもかかわらず、ネット上で犯人のように扱うこと、誹謗中傷をすることも名誉毀損に当たります。
3-2.逮捕歴の削除
ネット上に残る逮捕情報を消さない限り、検索すれば誰でも逮捕歴を知ることができる状態です。根本的に解決するには、ネット上の逮捕歴を削除するしかありません。
ネットの情報は削除が難しいイメージがありますが、法的に削除依頼をすることも可能です。逮捕歴の削除方法については、このあと詳しくご紹介します。
4.誤認逮捕による逮捕歴の削除方法
誤認逮捕された逮捕歴がニュースサイトやブログ、掲示板に残っているときは、削除依頼を出して対処が可能です。ここでは、逮捕歴の削除方法について解説します。
4-1.自分で削除依頼をする
誤認逮捕の逮捕歴が残っているサイトや掲示板に、自分自身で削除を依頼することもできます。サイトの管理人宛てに依頼をします。
ただし、サイトや掲示板の管理人に削除の義務はなく、依頼に応じてもらえるのを待つしかありません。
4-2.弁護士に依頼して削除依頼をする
弁護士に依頼すると、逮捕歴の削除を依頼する法的な書類の作成やサイト管理人への交渉までを請け負ってもらえます。削除したいサイトが多い場合や、自分だけでは対応しきれない場合などに利用するとよいでしょう。
費用はかかりますが、個人が削除依頼をするよりも対応してもらいやすくなります。書き込み削除を専門にしている弁護士がおすすめです。
5.誤認逮捕による逮捕歴が生活の妨げにならない対処を
誤認逮捕されると、逮捕された事実は一生残ります。また、前歴としての逮捕歴だけでなく、ニュースに取り上げられた実名などの個人情報がネット上に残ってしまいます。
誹謗中傷や事実でない情報による損害を受けた場合は、名誉毀損で訴えを起こすことも可能です。しかし、もとの情報源を絶たない限り、ネット上に逮捕歴は残ったままになります。ネット上にある逮捕歴の情報は専門の弁護士に相談し、削除依頼することをおすすめします。
監修者
野口 明男(代表弁護士)
開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。
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