リベンジポルノで慰謝料請求できる?加害者を訴える方法と弁護士費用

リベンジポルノは被害者の尊厳を傷つける違法行為です。
リベンジポルノの被害に遭うと「加害者を訴えることはできるのか」「慰謝料請求は認められるのか」「今すぐどこへ相談すればいいのか」と考えるのも当然でしょう。

実際、私的な性的画像や動画を本人の同意なく公開・拡散する行為は、名誉やプライバシーの侵害であり、状況によっては刑事上の問題になるケースもあります。
そして、刑事事件だけでなく慰謝料請求も視野に法的な対応ができる場合があります。

この記事では、リベンジポルノとは何か、慰謝料請求できるケース、加害者を訴える方法、弁護士へ相談するメリット、そして弁護士費用の相場まで、順を追って整理していきます。

目次

リベンジポルノとは?

リベンジポルノとは、元交際相手や知人などが、私的に撮影した性的な画像や動画を、本人の同意なくインターネット上に公開したり、第三者に送信したりする行為をいいます。

リベンジポルノは単なる嫌がらせやいたずらではなく、犯罪に該当する可能性がある重大な行為です。

リベンジポルノは犯罪に該当する可能性もある

リベンジポルノは、私的な性的画像の公開や提供のことですが、これは単なる恋人同士や夫婦間のケンカの延長にあるものではありません。犯罪に該当する可能性がある重大な行為であり、場合によっては名誉毀損や誹謗中傷などを理由に慰謝料が発生することもあります。

リベンジポルノの被害を受けても「元恋人との揉め事だから警察は動かないはず」と考える方もいらっしゃるかもしれません。ですが、リベンジポルノは決してそのような軽いものではありません。慰謝料請求も検討できますし、公開されている状況や拡散の程度によっては、刑事事件として警察が対応する可能性があります。

匿名アカウントによる投稿も問題になる

リベンジポルノで典型的なのは元交際相手などによる投稿ですが、加害者が匿名アカウントを使っているケースや、第三者が画像を再投稿しているケースもあります。

リベンジポルノは「誰が投稿したか」ではなく「投稿されたことそのもの」が問題です。つまり、加害者との関係性が犯罪の成立や慰謝料請求の可否に影響することは多くありません。

仮に投稿した相手が分からない場合でも、発信者情報開示請求などで投稿先や通信記録をたどって特定が可能な場合があります。匿名だからといって、直ちに泣き寝入りしなければならないわけではありません。

リベンジポルノの被害に遭ったら慰謝料請求はできる?

リベンジポルノを受けた場合には、加害者に対して慰謝料請求を検討できます。リベンジポルノは重大なプライバシーの侵害となる場合があり、民事・刑事の両面で問題になる行為です。

加害者に対して慰謝料請求・刑事告訴ができる可能性がある

リベンジポルノの加害者に対しては、慰謝料請求、そして、刑事告訴ができる可能性があります。

まず、慰謝料請求が可能になる理由についてですが、私的な性的画像や動画を無断で公開・拡散されれば、被害者のプライバシーが侵害され、精神的苦痛が生じるためです。

ただし、実際に請求が認められるかどうかは、投稿内容、拡散の程度、被害の深刻さ、証拠の有無、加害者を特定できるかどうかによって変わります。そのため、請求の見通しを判断するには、早い段階で証拠を整理しておくことが大切です。

また、民事訴訟とは別に刑事告訴できるケースもあります。

リベンジポルノ被害を受けたときに最初にやるべきこと

リベンジポルノの被害を受けたときには、冷静な対応が求められます。初動を誤ると、投稿が消えて証拠が失われたり、加害者が証拠隠滅を図ったりするおそれがあるため、慎重でスピーディーな対応が重要となります。

ここでは、万が一、リベンジポルノに遭ってしまった場合に取るべき対応について説明します。

投稿・拡散の証拠を保存

リベンジポルノの被害に気づいた時にはまず証拠の保存をしましょう。

該当する投稿画面をスクリーンショットで残し、URL投稿日時アカウント名投稿先サービス名などを記録します。

スクリーンショットは画像部分だけでなく、投稿全体がわかるもの、そして、日時やURLが分かる形で保存することが重要です。そして、再投稿や拡散がある場合には、再投稿や拡散された投稿画面アカウントの情報も保存してください。

削除依頼をする

証拠を保存したあとは、削除依頼を検討します。被害を最小限に食い止めるためにも、投稿先のSNSや掲示板、動画サイトなどに対して早い段階で削除依頼をすることが考えられます。

削除依頼の方法や削除基準はそれぞれ異なりますが、早く動くほど早く削除される可能性があります。

警察や弁護士に相談

リベンジポルノは、単なるネットトラブルではありません。ケンカや嫌がらせ、いたずらでは済まない行為です。犯罪被害として扱うべきケースもあるため、早い段階で警察や弁護士に相談することが大切です。

特に、身の危険を感じる場合や、脅迫・つきまといがある場合は、警察への相談の優先度が高くなります。一方で、削除請求慰謝料請求発信者情報開示などの法的手続を進めたい場合には、弁護士に相談しましょう。

リベンジポルノで慰謝料請求できるケースは?

リベンジポルノは、慰謝料請求ができる可能性が高い行為です。例えば、画像や動画の撮影には同意していたとしても、投稿していいということにはなりません。

画像や動画を無断公開された

慰謝料請求ができる可能性があるのは、本人の同意なく性的画像や動画を公開・拡散されたケースです。特に、個人が識別できる状態で性的画像をSNSに投稿したり、掲示板にアップロードしたりするケースは悪質です。
交際中に共有していた画像を、別れた後にネットへ投稿した場合や、第三者へ送信した場合であっても、無断公開・拡散に当たる場合は法的責任を問える可能性があります。

SNS・掲示板・匿名サイトで拡散された

性的な画像や動画を匿名掲示板、画像共有サイトなどで拡散された場合も、慰謝料請求の対象になり得ます。

そしてこの場合は、その投稿を拡散した第三者に対しても慰謝料請求ができるケースがあります。

リベンジポルノで加害者を訴える方法

加害者を訴える方法は、大きく分けて民事と刑事の二つがあります。民事では慰謝料請求を、刑事では被害届や告訴によって刑事罰を求めるという手続きになります。

リベンジポルノの被害があった場合には、民事の慰謝料請求と刑事としての手続きが並行して進むこともあります。

ここで理解しておきたいのが、民事と刑事は別のものであり、どちらか一方を選ばなければならないというものではないということです。

民事訴訟で慰謝料請求

リベンジポルノの投稿をした加害者が誰かはっきりしている場合には、内容証明郵便などで損害賠償請求し、示談交渉を行うことがあります。話し合いで解決しない場合には、民事訴訟を提起して慰謝料請求を進めます。

加害者が匿名で投稿していて誰なのかが分からない場合には、発信者情報開示などによって投稿者の特定を目指し、その後に損害賠償請求へ進む流れが一般的です。

刑事事件として被害届を提出・告訴する

リベンジポルノの投稿や拡散が悪質である場合には、警察へ被害届を提出したり、刑事告訴を行ったりして刑事責任を追及することもできます。

特に、脅迫などを伴っている場合、ストーカーのようなつきまとい行為がある場合、画像や動画が繰り返し拡散されている場合には、民事だけでなく刑事対応も視野に入れるべきです。加害者の処罰を求めることは相手に刑事責任を負わせるというだけでなく、再被害の防止という意味もあります。

リベンジポルノを弁護士に相談するメリット

リベンジポルノ被害を受けたときには感情的になりやすく「削除したい」「相手を特定したい」「慰謝料請求したい」という複数の気持ちが出てくるものです。ときに、場当たり的に動いてしまうこともありますが、冷静な対応が大切です。

そのようなときに、弁護士に相談すると複数のメリットがあります。

証拠整理・削除請求・相手方対応を任せられる

弁護士に相談して対応を依頼することで、証拠の整理、投稿先への削除請求、相手方との交渉などを任せられます。被害者が自分で対応し続けるのは精神的に大きな負担となりますが、弁護士が介入することで精神的負担を減らせます。

また、加害者と直接連絡を取ることで感情の対立が深まるリスクもあるため、代理人を立てることにはその点におけるメリットもあります。

慰謝料請求や発信者情報開示を進めやすい

リベンジポルノが匿名投稿である場合や誰かわからない第三者が拡散しているという場合には投稿者の特定が重要になります。しかし、発信者情報開示は法的観点からの検討が不可欠で手続も簡易とはいえず、対応が遅れるとログが失われることもあります。もちろん、本人が発信者情報開示請求をすることもできますが、慣れていないと難しく感じることもあるでしょう。

開示の要件や手続に精通した弁護士に相談することで、手続きを法的観点からスムーズに進められることが考えられます。

リベンジポルノの弁護士費用

リベンジポルノの被害を受けたときに弁護士に依頼するとどの程度の費用がかかるのでしょうか。ここでは、弁護士費用の概要について説明します。

法律相談料・着手金・報酬金の目安

リベンジポルノの弁護士費用は、依頼内容によって大きく変わります。削除請求だけなのか、発信者情報開示を行うのか、特定後に慰謝料請求まで進めるのかによって、費用が変わります。

一般的には、弁護士に相談や依頼する場合は、法律相談料、着手金、報酬金、実費などがかかります。相談料については無料としている事務所もあります。

費用は事務所ごとに異なるため、問い合わせをしましょう。

弁護士に相談する前に準備しておきたい資料と証拠

リベンジポルノの被害について、弁護士に相談する場合には証拠や資料があるとスムーズです。限られた時間を有効に使うためにも準備をしてから相談にいきましょう。

スクリーンショット・URL・投稿日時を整理する

リベンジポルノの被害を受けた場合には、まず「証拠を保存する」と前述しましたが、その証拠は相談の際に持参しましょう。

最低限そろえたいのは、投稿画面のスクリーンショット、URL、投稿日時、アカウント名、投稿先のサービス名などです。

複数のサイトに転載されている場合は、どこに何が載っているかをできるだけまとめておくと被害範囲が把握しやすくなります。

また、相手に心当たりがあるのかや、いつ被害に気づいたのかなどもまとめておきましょう。

相手とのやり取りや被害状況を時系列でまとめる

リベンジポルノの投稿をした相手に心当たりがある場合は、画像の入手経路、やり取りの経緯、脅迫の有無などについても整理するとよいでしょう。

また、画像の流出によって仕事や生活にどのような影響が出たか、通院の有無、退職や転居の必要が生じたかなどについても被害の深刻さを示す資料になります。

弁護士に相談するときに大切なのは、単に愚痴を言ったり相手への怒りを表現したりするのではなく、具体的にどんな被害を受けたのかについて冷静に話すことです。

まとめ

リベンジポルノは、単なる私的トラブルではなく、重大な権利侵害となり得、場合によっては犯罪に該当する可能性もある行為です。リベンジポルノの被害に遭ったときはまず証拠を保存し、警察弁護士に早めに相談するようにしましょう。

リベンジポルノの被害に遭った場合、加害者に対する慰謝料請求、削除請求、発信者情報開示、そして、刑事告訴など、複数の対応を組み合わせることがあります。どの手段を取るべきかは事案ごとに異なるため、ひとりで抱え込まず、早めに専門家へ相談することが大切です。

弁護士法人アークレスト法律事務所は、リベンジポルノを含めたインターネット上の誹謗中傷に対応できる法律事務所です。削除依頼や損害賠償請求や刑事告訴など多角的なサポートが可能です。リベンジポルノ被害で悩んでいるという場合は、弁護士法人アークレスト法律事務所にご相談ください。

野口 明男 弁護士

監修者

野口 明男(代表弁護士)

開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。

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