業務妨害罪

業務妨害罪とは、他人の業務を妨害したときに成立する犯罪です。業務妨害の手段により「偽計業務妨害罪」と「威力業務妨害罪」の2種類に分けられます。偽計業務妨害罪は、虚偽を流したり相手を騙したり勘違いに乗じて業務を妨害したときに成立します。威力業務妨害罪は、暴力や威迫などの強い威勢を示して業務を妨害したときに成立します。

業務妨害罪の対象となる「業務」は営業行為に限られません。ボランティアなどの慈善活動や趣味のサークル活動なども対象となります。被害者も株式会社や個人事業者に限られず、国や地方自治体、公益団体や趣味、娯楽のための集まりなども対象となります。

業務妨害罪に科される刑罰は3年以下の懲役または50万円以下の罰金刑です。

ネット上では偽計業務妨害罪も威力業務妨害罪も頻繁に発生します。たとえば虚偽の悪評を流して企業の売上げを低下させた場合には偽計業務妨害罪が成立します。爆破予告をしてイベントやコンサートなどを中止させようとした場合などには威力業務妨害罪が成立する可能性があります。過去には災害の際に「動物園からライオンが逃げた」と虚偽の情報をSNSに投稿した人が偽計業務妨害罪によって逮捕されたケースもあります。