実名報道

実名報道とは、新聞やテレビなどのメディアがニュースを流す際、対象者の実名を明らかにする報道方法です。実名報道されると、対象者のプライバシーが大きく害される可能性があるので、メディア側には慎重な対応が要求されます。特に犯罪の疑いがかかっている被疑者や起訴された被告人などの実名が報道されると本人や家族に対する影響が大きくなります。

実名報道か匿名報道かの一般的な基準は法律によって定まるものではなく、各メディアの自主規制に任されています。ただし「未成年者の犯罪においては実名報道してはならない」と定められているので、少年事件で実名報道されることはまずありません。少年事件以外のケースでは、政治家の事件、公人的な立場の人の事件、大事件などで実名報道されやすくなっています。

実名報道されると実際には罪を犯していなくても周囲から犯罪者扱いされて本人や家族のプライバシーや平穏な生活が害されます。またネットニュースサイトなどにいつまでも情報が残り続けることによって、本人や子どもなどの就職や結婚を始めとするその後の人生に大きな影が落とされます。冤罪のケースや犯罪が軽微で事件から長期間が経過したケースなどでは、「仮処分」によってネットの実名報道記事を削除できる可能性があります。