被保全権利とは

被保全権利とは、民事保全手続きで必要とされる要件の1つで、「守られるべき権利」という意味です。裁判所で仮処分や仮差押えなどの民事保全手続きを行う場合には「被保全権利」と「保全の必要性」の2つの要件を備えている必要があります。

ネット上で名誉毀損やプライバシー権侵害などの権利侵害を受けた場合には、対象となる投稿を削除させることや、投稿者の特定も可能となります。ただしプロバイダやサイト管理者が任意に削除や情報開示に応じない場合には、裁判所で「仮処分」という手続きをしなければなりません。そのときに「被保全権利」を明らかにする必要があります。

ネット上の権利侵害の場合、被保全権利は「侵害された権利」となります。たとえば名誉毀損なら「名誉権」、個人情報の漏えいなどプライバシー権侵害なら「プライバシー権」、著作権侵害なら「著作権」が被保全権利です。

仮処分を申し立てる際には、被保全権利の主張と根拠となる資料提出が必要となります。適切に仮処分手続きを行ってスピーディに投稿の削除や投稿者情報の開示を受けるには、被保全権利を始めとした法律の専門知識をもった弁護士によるサポートが必要となるでしょう。