転職サイトの誹謗中傷・書き込み削除

オープンワーク(OpenWork)の悪評を削除~ネガティブ口コミの投稿を削除依頼~

2019.08.16
オープンワーク(OpenWork)の悪評を削除~ネガティブ口コミの投稿を削除依頼~

オープンワーク(OpenWork)は、企業の社員が自社の社風・給与額など「生の声」を投稿出来る口コミサイトです。以前はVorkers(ヴォーカーズ)という名称で運営されていました。就職活動などでサイトを利用するユーザーにとって、就職を希望する企業の良い面も悪い面も知る事が出来るので、検討のための重要な資料になります。

しかしながらオープンワーク(OpenWork)に評判を書かれる企業側にとっては、リスクは小さくありません。事実無根の情報を投稿される事や、トラブルを抱えて退職した元社員が腹いせに企業を非難することもありえます。また、企業の社員になりすまして悪評を投稿されたりする事も起こり得ます。

オープンワーク(OpenWork)にいわれなく悪評を書かれてしまった場合、企業側はどのように対処したら良いのでしょうか。

1.オープンワーク(OpenWork)の概要と、企業のリスクについて

オープンワーク(OpenWork)の概要と、企業のリスクについて

「オープンワーク(OpenWork)」は、オープンワーク株式会社(本社・東京都渋谷区)が運営する、就活生・転職者向け企業リサーチサイトです。
社員や元社員はオープンワーク(OpenWork)に登録し、企業風土・社内の雰囲気・経営上の問題点・給料の額などを投稿する事ができます。

1-1.オープンワーク(OpenWork)には掲載されている口コミの事例

有名な企業になると、オープンワーク(OpenWork)に数千件の投稿が掲載されます。社員や元社員から「組織体制・企業文化」「入社理由と入社後ギャップ」「ワーク・ライフ・バランス」「経営者への提言」など8項目の評価を集めています。
2019年8月現在の投稿件数は810万件にも及びます。
投稿の中には、企業を高く評価するものもありますが、中には次のような投稿も存在します。

  • 「デザイン室への提言。自分がつくったものを評価されることは一切なく、今の仕事が終われば淡々と次へ、という感じ。人間力をテーマにしたどうでもいい研修を受けても、デザインはよくならない。成長できないと判断して退職した」
  • 「昇給に対する話し合いはない。ボーナスの個人差が大きい。評価は適正なのかと不安になる」
  • 「給与の額面はいいが、福利厚生がなく、仕事は同業他社の2倍以上。単価は安い」

このような投稿は、オープンワーク(OpenWork)に登録した人であれば誰でも閲覧できる状態になっています。

1-2.投稿のルールについて

オープンワーク(OpenWork)は投稿者に対して「企業で正社員または契約社員として1年以上勤務したことがある方のみ投稿が可能」「噂話や不確かな情報の投稿は禁止」「偏った独断的な表現はしてはならない」などと呼び掛けています。

オープンワーク(OpenWork)の投稿ルールには次のようなものがあります。

  • 投稿を送信した後に、編集したり削除したりする事はできない。
  • 投稿者がオープンワーク(OpenWork)を退会した後も、投稿は削除しない。

投稿のルールが書かれたページ

投稿した内容について

https://www.vorkers.com/guideline.php

1-3.偽名で登録し、投稿される事も

オープンワーク(OpenWork)に投稿するには、氏名・生年月日・性別・現住所を登録する必要があります。しかしながら、悪意ある者が企業の悪評を書き込むために、偽りの内容で登録してしまう可能性も考えられます。企業側としては、自社の社員や元社員以外からの投稿による風評被害についても目を光らせる必要が出てきます。

オープンワーク(OpenWork)の登録画面

無料ユーザー登録

https://www.vorkers.com/admission.php

以上のように、オープンワーク(OpenWork)はユーザーにとって有益な情報を得られる口コミサイトですが、企業にとってはいくつかのリスクも出てきます。
事実と異なる投稿をされたり、偽りのアカウントにより悪意ある投稿をされるといったケースがそれにあたります。 ネガティブな書き込みにより、採用が難しくなるだけでなく、在籍スタッフのモチベーション低下を招く要因ともなりえます。さらには評判の拡散や炎上に繋がる事で、企業イメージを左右する深刻なトラブルに発展してしまう可能性も考えられます。
企業はこうした口コミサイトによる風評被害に対して、適切なリスクマネジメントが必要となります。

それでは、実際の投稿削除手順について記載していきます。

2.オープンワーク(OpenWork)の投稿削除について

オープンワーク(OpenWork)の投稿削除について

オープンワーク(OpenWork)に事実ではない悪評が投稿された場合は、指針に従って削除依頼をする事ができます。

2-1.クレームがあれば削除する

利用規約第6条に「掲載内容に誤りがあり第3者からクレームや削除依頼があった場合は削除する」と書かれています。

また運営ポリシーページには「不適切なクチコミの報告システム」という案内が記載されています。

不適切なクチコミを報告するシステム

不適切な口コミの報告システム

https://www.vorkers.com/policy.php

2-2.削除依頼のページ

オープンワーク(OpenWork)には運営ポリシーのページが2カ所存在し、削除依頼についての方法は、下記のURLに記載されています。

https://www.vorkers.com/forcompany/

削除依頼の方法が書かれた運営ポリシーページ

企業の皆様へ

https://www.vorkers.com/forcompany/

3.実際の削除依頼の手順と注意点

実際の削除依頼の手順と注意点

投稿の削除依頼をする手順を紹介します。
まずオープンワーク(OpenWork)が削除に応じるのは、次のような投稿です。

  • 明らかに事実と異なる
  • 明らかに誹謗中傷に該当する
  • 公序良俗に反する

これらの判断についてはオープンワーク(OpenWork)側が行い、投稿内容が不適切と明確に判断できない場合は「非掲載にしない」とされています。
また、削除依頼を検討している企業に次のように注意しています。
「掲載されている情報が事実であるにも関わらず、不正な理由により削除依頼を申請した場合、当社への営業妨害となるケースもある」

3-1.削除依頼に必要なもの

削除申請は以下の方法で行います。

  • プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会のサイトにある「侵害情報の通知書兼送信防止装置依頼書」を使う
  • 同依頼書には登録印鑑(実印)を押印する
  • 発効後3カ月以内の印鑑登録証明書を添付する
  • 発効後3カ月以内の登記簿謄本を添付する
  • 投稿文が事実と異なることを明確に証明できるものを添付する
  • 上記の書類をオープンワーク株式会社に送付する

削除依頼の方法が記載されたページ

申請方法

https://www.vorkers.com/contact5.php/

以上が、削除依頼に関する方法・注意点となります。
風評対策について強いノウハウを持たない企業にとっては、判断や手続きに困る場合もあるかと思います。
そのような場合は、口コミ削除に精通した弁護士にご依頼頂く事をおすすめします。

4.悪評口コミによる被害は、弁護士にご相談ください。

悪評口コミによる被害は、弁護士にご相談ください。

口コミサイトに悪評が書き込まれて削除したい場合は、弁護士にご相談ください。

4-1.法的根拠を明確にした削除依頼が可能です。

サイト運営者に対する削除依頼時に、消したい書き込みがどのような法律に接触しているのか根拠を示します。
名誉毀損・偽計業務妨害など該当する理由を明確にした上で削除請求を行うため、サイト運営者の対応も変わります。

4-2.弁護士以外の削除業者に削除依頼をする事は違法です。

弁護士の資格を持たない削除業者による削除行為は、弁護士法72条で禁止されております。
非弁行為という違法行為にあたります。
コンプライアンス・法令遵守の重要性からも、弁護士にご依頼ください。

※風評被害対策会社の違法性については、下記の記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

4-3.悪評を投稿した者を、特定する手続きに進める事が出来ます。

深刻な風評被害や営業妨害にあたる投稿について、投稿者の特定をする手続きを進める事が可能です。
風評対策に精通した弁護士にご相談いただく事で、IPアドレスの開示・仮処分申立・投稿者の個人情報特定までスムーズに進めることができます。

※ネット中傷書き込みのIPアドレス開示から、投稿者を特定するまでの流れについては、下記の記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

口コミサイトによる風評被害により、企業活動に支障が出て深刻化する前に、弁護士法人アークレスト法律事務所にご相談ください。

野口 明男 弁護士

監修者

野口 明男(代表弁護士)

開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。