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マンションコミュニティへの開示請求|悪質な口コミ投稿者を特定するには

最終更新日

マンションコミュニティ 開示請求

「マンションコミュニティ」は、分譲マンションに関するリアルな口コミが集まる掲示板サイトです。しかし、匿名で利用できることから、事実と異なる情報や悪意のある誹謗中傷が書き込まれることも少なくありません。そうした悪質な投稿に対しては、運営に削除を求めるほか、投稿者本人を特定して責任を追求することが可能な場合があります。

ここでは、マンションコミュニティに悪意ある投稿を行った個人を特定する方法を解説します。

削除依頼ではなく開示請求をしたほうがよいケース

削除依頼ではなく開示請求をしたほうがよいケース

ここで言う開示請求とは、ネット上に口コミや記事などを投稿した人物を特定し、個人情報を取得するための手続きのことです。次に挙げているように根本的な解決が求められる場合には、該当の投稿を削除するだけではなく、開示請求の手続きが有効と言えます。

執拗に誹謗中傷がくり返されている

何度削除依頼をしても、限度を超えた誹謗中傷が執拗にくり返される場合は、投稿者本人の行動を制限できなければ解決しません。インターネット上で何度も誹謗中傷を行うのは、「被害者の反応を見て楽しんでいる」「相手の社会的評価を下げたいと考えている」といった理由が多い傾向にあるためです。

開示請求を行って相手を特定し、二度と同様の書き込みをしないことを約束させるなどの対応が必要となるでしょう。

投稿者に対して訴訟を検討している

悪意のある投稿によって経済的・身体的な被害が発生していて、訴訟や損害賠償請求の検討をしている場合にも、投稿者を特定する必要があります。投稿者の氏名や住所などがわからない状態では、告訴や損害賠償請求を行うことができないためです。

マンションコミュニティの発信者情報開示請求ガイドライン

マンションコミュニティ 開示請求_2

マンションコミュニティ内の投稿に対して運営会社(ミクル株式会社)が発信者情報の開示を行うケースは、利用規約で以下の3つの理由のみであると明記されています。

1.警察等の捜査機関が発行する任意の照会書を受け、開示が妥当であると弊社が判断をし、開示を行う場合
2.プロバイダ責任法に基づく請求があり、開示が妥当であると弊社が判断をし、開示を行う場合
3.裁判所の発する令状、その他裁判所の決定や命令、法令に基づき開示を行う場合

※引用元:削除依頼・発信者情報開示に関するガイドライン@マンションコミュニティ
https://www.e-mansion.co.jp/information/guideline.html

マンションのオーナーや企業の場合、ほとんどが2のプロバイダ責任法に基づいた開示請求に当てはまります。

1.捜査機関による任意の照会書を受けた場合

警察などの捜査機関が、事件を解決に導くために「捜査関係事項照会書」を送付した場合を指します。捜査関係事項照会書は警察等から発行されるものなので、マンションオーナーの立場から開示請求をする際に、この手段をとることはありません

なお、捜査関係事項照会書に応じるかは任意のため、請求が拒否される場合もあります。

2.プロバイダ責任法に基づく請求があった場合

誹謗中傷などの悪質な投稿に対して法的な対処をする場合、プロバイダ責任法に基づいてマンションコミュニティにIPアドレスの開示請求を行うことになります。

この請求は、マンションコミュニティでは郵送による書面のみ受け付けています。また、こちらも請求に応じるかどうかは任意のため、請求が通らないケースも珍しくありません。請求時には権利侵害情報を明確にすることも求められるため、個人で手続きをするよりも、弁護士に助言を求めたほうがスムーズでしょう。

3.裁判所の令状や命令に基づく場合

裁判所からマンションコミュニティに対し、IPアドレスを開示するように令状や命令が出された場合です。裁判所が出す命令は法的効力があるため、2の手続きで開示してもらえなかった場合に、裁判所を通じて開示命令を出してもらうことがあります。

プロバイダ責任制限法に基づく開示請求の条件

プロバイダ責任制限法に基づく開示請求の条件

プロバイダ責任法に基づいた開示請求に応じてもらうためには、以下の2つの条件を満たしている必要があります。

【プロバイダ責任制限法4条1項】

一 侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。
二 当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき。

※引用元:特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 | e-Gov法令検索
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=413AC0000000137

各項についてそれぞれ解説しましょう。

権利が侵害されたことが明らか

まず、名誉毀損やプライバシーの侵害に当たるなど、書き込みの違法性が明らかであることが必要です。

たとえば、「自分が写っている写真を勝手に掲載された」「営業担当者は諸費用を上乗せして請求し、自分の利益にしている、という虚偽の投稿をされた」といったケースが違法な書き込みに当たります。

ただし、ネガティブな内容や、虚偽の内容であるというだけでは、権利の侵害に当たらないと判断される可能性が高いです。法律に関する知識も求められるため、判断には弁護士のサポートを受けることをおすすめします。

正当な理由が存在している

開示請求には、請求する被害者側に「なぜ投稿者の情報を取得する必要があるのか」という正当な理由がなければなりません。マンションコミュニティに対する開示請求の場合、正当な理由としては以下の4点が考えられます。

● 損害賠償や慰謝料請求の訴訟を行うため
● 投稿者に対して、2度と自分に関する投稿をしないと誓約させるため
● 刑事告訴するため
● 投稿者に対して、書き込みの削除要求を行うため

一般的に上記の理由であれば、情報の取得に値する「正当な理由」と認められやすいでしょう。

マンションコミュニティに対する開示請求の流れ

マンションコミュニティに対する開示請求の流れ

では、実際にマンションコミュニティに対して、プロバイダ責任法に基づいた開示請求を行う手順を解説します。

簡単に言うと、投稿者の個人情報を得るまでには、

  1. マンションコミュニティ(ミクル株式会社)に対してIPアドレスの開示請求を行う
  2. 投稿者が契約しているプロバイダに対して個人情報の開示請求を行う

という2段階の手続きを踏む必要があります。

これは、サイト運営者は投稿者の個人情報を把握しておらず、氏名や住所といった個人情報を取得するためには、投稿者がサイトの閲覧のため経由していたプロバイダまでさかのぼる必要があるためです。

1.マンションコミュニティにIPアドレスの開示請求を行う

まず、マンションコミュニティの運営会社であるミクル株式会社に対して、投稿者のIPアドレスを開示するよう請求します。IPアドレスは、投稿者が書き込みをした際に使用した通信機器それぞれに与えられている識別番号の事を指します。「インターネット上の住所」とも呼ばれており、投稿者の個人情報を取得するには欠かせない情報です。

ちなみに、IPアドレスとあわせて「タイムスタンプ」と呼ばれる該当投稿の送信日時情報も請求することができます。

必要な書類

ミクル株式会社に発信者情報の開示請求を行う場合、申告書とあわせて身分証明書等の書類が必要です。企業か個人によって必要な書類が異なるため、確認しておきましょう。

■必要事項(企業様)
・書面への実印の押印
・印鑑証明の添付
・代理人様が行う場合には、委任状の添付
■必要事項(個人の方)
・運転免許証・パスポート・住民基本台帳カードのうち、いずれか1点の氏名住所が確認出来る部分のコピー、または住民票・印鑑証明書の原本
・代理人様が行う場合には、委任状の添付

引用元:削除依頼・発信者情報開示に関するガイドライン@マンションコミュニティ
https://www.e-mansion.co.jp/information/guideline.html

申告内容

書類に記載する申告内容は、以下の3点です。

■ご申告いただく内容
1 侵害されたとする侵権利害情報の詳細
2 権利が侵害されたとする理由
3 権利が侵害されている対象者

引用元:削除依頼・発信者情報開示に関するガイドライン@マンションコミュニティ
https://www.e-mansion.co.jp/information/guideline.html

運営側が開示請求に応じるかを判断する材料となるため、3つの項目は全て詳細に明記することが重要です。

2.マンションコミュニティが開示に応じるかを判断

プロバイダ責任法に基づいた開示請求は任意のため、ミクル株式会社が要求に応じるかを判断します。しかし、ミクル株式会社に限らずどの企業でも、この段階では自社が負うリスクを考慮して要求に応じない事もあります

開示請求が通らなかった場合、裁判所に仮処分の申立てを行い、裁判所を通して開示の命令を出してもらうことになります。

「仮処分」とは?

仮処分というのは、正式な裁判の結果を待っていては被害者に著しい不利益が発生する危険性がある場合に、仮に暫定的な処分を下すことです。開示請求であれば、IPアドレスや投稿、投稿者が残したログなどが消える前に開示を求めることができます。

仮処分手続きを申請する際は「仮処分命令申立書」という書類を裁判所に提出します。書面には「保全の必要性」や「被保全権利」を明確に記載して、証明するための添付書類もそろえなければなりません。要件を満たさなければ仮処分の発令がされないうえ、手続きが複雑なため、事前に弁護士に相談しておくことをおすすめします。

3.IPアドレスをもとにプロバイダにログ情報の開示請求を行う

違法な書き込みをした者のIPアドレスが開示されると、投稿者が利用した経由プロバイダを特定することが可能です。住所や氏名、電話番号などの個人情報は、投稿者とインターネット契約をしているプロバイダが把握しています。そのため、今度はプロバイダに対して情報開示の請求をすることになります。

しかし、運営会社と同様に、情報の開示を求めても拒否される場合がほとんどのため、「発信者情報開示請求訴訟」と呼ばれる民事訴訟までもつれ込むケースが少なくありません。

【注意】プロバイダがログを保存している期間は数カ月

プロバイダに保存されている個人のログは、3カ月から6カ月ほどで削除されてしまいます。投稿者の特定が不可能になるため、訴訟や損害賠償請求を検討している場合はすぐに行動に移すことと、訴訟中にログが消されないようプロバイダへ通知または仮処分を行うことが必要です。

4.裁判所からプロバイダに発信者情報開示命令が出される

訴えが認められ、裁判所から開示命令が発令されると、プロバイダが発信者情報の開示に応じてくれます。ここでようやく投稿者の氏名や住所、場合によってはメールアドレスといった情報が取得できます。

得た情報をもとに、問題となる投稿を書き込んだ投稿者に対して損害賠償責任や刑事上の責任を問う手続きに移りましょう。

悪質な投稿に対して訴訟を検討している場合は弁護士へ

悪質な投稿に対して訴訟を検討している場合は弁護士へ

マンションコミュニティは、分譲マンションの専門サイトの中で国内最大規模の掲示板です。不特定多数の方が日々利用しているため、事実無根の情報や誹謗中傷が寄せられることも珍しくありません。

悪質な投稿に悩んでいる場合、根本的な解決のためには訴訟も視野に入れる必要があります。マンションコミュニティに対する開示請求のポイントは、
プロバイダ責任法に基づき、開示請求をする根拠を明確に説明できること
相手を特定するための情報が消える前に手続きをすること
です。

開示請求は要件も厳しく手続き自体も複雑なため、円滑な解決にはインターネットの権利関係に強い弁護士のサポートが重要です。

弁護士法人アークレス法律事務所は、誹謗中傷の削除や投稿者の特定を得意としています。被害の拡大を防ぐお手伝いができるため、悪質な投稿にお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

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代表弁護士

  • 代表弁護士 野口 明男
  • 野口 明男

    東京都出身
    京都大学工学部卒

旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。

メディア掲載実績

雑誌掲載

朝日新聞出版
『週刊エコノミスト』
2019年2月19日号

雑誌掲載

ダイヤモンド社出版
『週刊ダイヤモンド』
2019年2月9日号

雑誌掲載

朝日新聞出版
『AERA (アエラ) 』
2019年3月4日号

テレビ出演

フジテレビ系列「めざましテレビ」2018年12月14日放送で、ネット犯罪に詳しい弁護士として野口明男がインタビューに応じました。

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記事削除・投稿者特定・訴訟など、それぞれが得意とする分野を活かして、お悩みの解決に取り組ませて頂いております。

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