犯罪歴・逮捕歴

ネット記事を削除するなら!個人情報や誹謗中傷、犯罪歴が公開されたときの対処法

2021.10.07
ネット記事を削除するなら!個人情報や誹謗中傷、犯罪歴が公開されたときの対処法

ネット上に自分の個人情報を暴露する記事や、自分を誹謗中傷する記事が投稿されているのに気づいたら、早急に削除依頼などの対策を講じなければなりません。そのまま放置してしまうと、無用なトラブルや信用低下につながる恐れもあります。

本記事では、ネットに公開された記事を削除する方法について詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

ネット記事が原因で引き起こされる被害の一例

ネット記事が原因で引き起こされる被害の一例

ネット記事は不特定多数の人の目に留まることで、様々ないたずらや嫌がらせなどの不利益を被ることがあります。例えば、自宅住所を暴露されてストーカー被害に遭ったり、注文した覚えのないデリバリーが届いたりするといった事例です。ほかにも、ネット記事やSNSが原因となる被害として、以下が考えられます。

個人情報の暴露

有名人でなくても、ネット上で個人情報が暴露され悪用される可能性は否定できません。例えば、友人が悪気なくアップしたブログ記事に本名や住所が特定できる情報が入っていた、といったケースです。

名前と住所のほかに顔や仕事なども知られてしまうと、ストーカーや悪質業者・空き巣などのターゲットになりかねず、非常に危険です。

プライバシー権の侵害

ネット上にプライバシーに関わる情報を公開されることで、将来に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、友人が思い出として「高校生の頃、よく〇〇と万引きしていたものだ」と綴ったり、元交際相手が嫌がらせで昔の写真を掲示板に公開したりということも考えられます。

こういった書き込みや投稿は、プライバシー権(自分に関する情報を自分でコントロールする自由のこと)の侵害です。他者からの印象を悪くする投稿は、できるだけ早く削除依頼する必要があります。

誹謗中傷

ネット上でしばしば見られるのが、誹謗中傷の書き込みです。例えば、「〇〇はいじめの主犯だ」、「〇〇社は自殺に追い込むようなパワハラ行為をしている」といった投稿が、掲示板サイトやSNSには無数に書き込まれています。

誹謗中傷の記事が1つでも残っていると、周囲が面白がって次々と心ない書き込みを投稿する傾向にあるため、放置しておくのは危険です。

逮捕歴や犯罪歴の公開

過去の逮捕歴や前科が公開された場合も、実生活に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、結婚を考えたときに、逮捕時の実名報道がネットに残っていて相手方の両親の目に留まり、破局を余儀なくされるかもしれません。就職や就業内容などで事実上の差別待遇を受けることもあります

ネット記事で公開された情報は削除できる

ネット記事で公開された情報は削除できる

ネットに公開された情報は、不利益を受ける人が要請すれば削除することができます。削除の方法はいろいろありますが、すぐにできることは、記事が掲載されているサイト運営者に削除依頼をすることです。

ただし、サイト運営者も明白な法律違反に当たるケース以外では、個別の削除依頼に丁寧に対応しているわけではないのが実情です。サイト運営者が削除依頼に応じない場合は、法的手段を講じるしか解決方法はありません。

ネット記事を早めに削除すべき理由

ネット記事を早めに削除すべき理由

デマや噂であればもちろんのこと、たとえ事実であったとしても人に知られたくないことを人目に晒す理由はありません。放置することでリスクも大きくなるため、自分にとって不都合な内容のネット記事は、早急に削除することをおすすめします。

情報が瞬時に拡散されてしまう恐れがある

ネットに公開された情報は、瞬時に不特定多数に拡散されてしまう恐れがあります。

通信技術が発達した現在、ネットの情報はボタンひとつでシェアできるようになりました。訪問者の少ないサイトの記事でも、有名サイトで紹介されたりインフルエンサーがシェアしたりといったきっかけで急激にアクセス数が増加し、あっという間に多くの人に知られてしまうことは珍しくありません。

拡散した情報を完ぺきに回収するのは非常に難しいです。被害を抑えるには、できるだけ早く削除して拡散を防ぐことが重要と言えます。

情報が認知されると取り返しがつかない

ネットで1度でも話題になると、多くの人が情報を目にします。人間の記憶は消しようがないため、該当の記事や投稿が削除されて噂が落ち着いたとしても、再び炎上したりネット記事に書かれた偏見の目で見られたりするかもしれません。

また、ネット上に拡散された個人情報や逮捕歴を好んで保存し拡散しようとする人もいます。有効な対策は、取り返しがつかなくなる前に、一刻も早く元となる情報を削除することだけです。

ネット記事の悪い情報を削除する方法

ネット記事の悪い情報を削除する方法

ここからは、ネット上に好ましくない情報が公開された場合に、そのネット記事を削除するにはどうしたらよいのか解説していきます。

サイトの問い合わせフォーム

Webサイトにはたいてい「問い合わせフォーム(削除依頼フォーム)」が設けられており、それを活用することで対象記事や投稿の削除依頼をすることが可能です。自分で依頼することもできますが、弁護士に任せることでより円滑に削除を進められます。

本人による対応

被害者本人が自ら削除依頼をする際は、該当記事や投稿が掲載されているサイトの削除依頼窓口から申請しましょう。名称は「問い合わせ」や「連絡先」となっているかもしれませんが、サイト内のどこかに運営者へ連絡をとるためのリンクが設置されているはずです。

例えば、匿名掲示板「爆サイ」の場合、各スレッドの最下部にある「削除依頼」のボタンから削除フォームに進み、理由などを付して削除依頼ができます。

弁護士による対応

独力で削除依頼をしてもサイト運営者の反応が鈍く、返答が来るまでに時間がかかったり、削除に応じてもらえないこともあります。同じ問い合わせ手順でも、より効果的なのが弁護士を通した削除依頼です。

サイト運営者に削除請求をする際に、弁護士は法的根拠に基づいて削除の必要性を主張するため、応じてもらえる可能性が高くなります。また、弁護士が対応することで、サイト運営者からの反応が早くなることも期待できるでしょう。

送信防止措置依頼

「送信防止措置依頼」は、プロバイダに対して権利侵害に当たる記事や投稿を削除するよう求める手続きです。プロバイダ責任制限法に基づいて定められた権利で、名誉毀損やプライバシーの侵害などに当たる投稿の削除を要請することができます。

ただし、投稿者が使ったプロバイダは、まずサイト管理者からIPアドレスの情報を開示してもらわなければ特定ができません。サイト運営者に問合せてIPアドレスの開示請求を行い、その後プロバイダに送信防止措置依頼を行う流れです。

送信防止措置依頼書にはフォーマットがあるので、氏名や権利侵害の内容といった必要事項を記載し、本人確認資料や権利侵害の証拠、サイト管理者から提出を受けたIPアドレス等とあわせて提出します。

発信者情報開示請求

ネット記事や投稿の削除だけでなく、投稿者に対する損害賠償まで検討している場合、弁護士を通じて「発信者情報開示請求」を行うのも手段のひとつです。発信者情報開示請求とは、誹謗中傷などの書き込みをした人を特定するためにサイト運営者やプロバイダに対して、投稿者の情報を開示するように要求する手続きのことです。

発信者情報開示請求は投稿者にも通知が行くため、投稿者はいずれ自分が訴えられることになると予想し、自発的に問題のネット記事を削除しようとするかもしれません。本人が削除しなかったとしても、手続きが進み、裁判所が記事の内容が被害者の権利を侵害していると認めれば記事は削除されます。

ネット記事を削除する際は専門家に相談を

ネット記事を削除する際は専門家に相談を

ネット上に公開されてしまった不都合な情報や悪意のある記事の削除依頼は、ある程度までなら一人でも対応可能です。しかし、サイト運営者は日々多くの削除依頼を受けています。また投稿者の表現の自由を侵さないよう判断が慎重にならざるを得ないこともあり、削除依頼の精査や対応は鈍くなりがちです。

ネット記事をできるだけ早く、できるだけ効率的に削除したいと考えているのであれば、インターネットトラブルに強い弁護士に相談するのがおすすめです。アークレスト法律事務所では、掲示板の書き込みや各種サイト・SNSの削除対応を得意としています。状況を見極めて適切な対策を講じるお手伝いをいたしますので、お困りの方はご相談ください。

野口 明男 弁護士

監修者

野口 明男(代表弁護士)

開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。