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書き込みした投稿者を特定~発信者情報開示請求の流れ~

最終更新日

書き込みした投稿者を特定~発信者情報開示請求の流れ~

前回の記事「IPアドレス開示~投稿者特定の第一歩~」では、ネット上で誹謗中傷の書き込みをした投稿者を特定するために、サイト管理者等を特定してIPアドレスの開示請求をするところまでをお話しました。本記事では、IPアドレス特定後に発信者情報を実際に突き止めるまでの流れやその方法について解説します。

発信者情報開示請求の流れ

投稿者を特定するには、サイト管理者等を特定した上でIPアドレスを開示してもらい、そこからアクセスプロバイダ(以下「プロバイダ」)を調べ、プロバイダに発信者情報開示請求を行う、という流れになります。

手続きの流れ

ここで、今一度発信者情報開示請求の流れについて見ておきましょう。手続きの大まかな流れは以下のようなものになります。

①発信者情報(IPアドレス)開示請求

サイト管理者等を特定し、IPアドレスなどを開示するよう請求します。請求には、プロバイダ責任制限法のガイドラインに則って請求する方法と、裁判所に仮処分を申し立てる方法の2パターンがあります。

②IPアドレスの開示を受け、プロバイダを特定する

サイト管理者等が請求に応じたら、もしくは裁判所から仮処分命令が発令されれば、サイト管理者等からIPアドレスの開示を受けます。その後、IPアドレスからプロバイダを特定します。

③プロバイダに対して発信者情報開示請求訴訟を提起する

IPアドレスやタイムスタンプなどのアクセスログの情報を利用して、プロバイダに対して発信者情報開示請求訴訟を提起します。

④確定判決後、発信者情報が開示される

裁判所で確定判決が出たら、プロバイダから発信者情報が開示されるので、その情報を元に発信者を特定します。

開示請求できる発信者情報とは

プロバイダは、契約者である投稿者の個人情報を保有しています。利用料金の決済のために、クレジットカード番号や銀行の口座番号などの情報も保有していることが多いでしょう。しかし、開示請求があったとしても、個人情報保護・プライバシー保護の観点から、プロバイダが開示できる情報は総務省令で制限されています。

総務省令で認められている発信者情報は以下の通りです。

  • ①発信者の氏名または名称
  • ②発信者の住所・所在地
  • ③発信者のメールアドレス
  • ④IPアドレス
  • ⑤IPアドレスと組み合わせられたポート番号
  • ⑥インターネット接続サービス利用者識別符号(ガラケーやフィーチャーフォンなどでインターネットを利用する際に携帯電話のキャリアから付与される符号のこと)
  • ⑦SIMカード識別番号
  • ⑧権利侵害情報が投稿された年月日・時刻

プロバイダを特定し、アクセスログの保存を要請する

IPアドレスの開示を受けても、そのIPアドレスから発信者の氏名や連絡先がわかるわけではありません。IPアドレスからわかるのは、そのIPアドレスを管理するプロバイダの情報のみです。そこで、プロバイダを特定し、投稿時間とその時間に割り当てられていたIPアドレスから発信者を突き止めるという手順を踏むことになります。

whois検索でプロバイダを特定する

IPアドレスが開示されたら、そのIPアドレスをもとにwhois検索でプロバイダを特定します。whois検索はサイト管理者等の特定にも使用しますが、そのIPアドレスの管理者もわかるようになっているのです。検索結果にIPアドレスの管理者が出てくるので、その管理者がプロバイダであることがわかります。

プロバイダに対しアクセスログの保存を要請する

プロバイダが特定できれば、発信者情報開示請求に先立ち、早急にアクセスログの保存を要請します。アクセスログは発信者を特定する有力な手掛かりとなるものですが、プロバイダ側にはアクセスログの保存義務はなく、一般的に3~6ヶ月程度しか保存されていません。

誹謗中傷の投稿があった後すぐに発信者情報開示請求の準備を進めても、IPアドレスが開示された時点ですでに1ヶ月~1ヶ月半程度の月日が経過していることになります。そのため、急いでアクセスログを保存しなければならないのです。多くの場合は、こちら側が要請すればプロバイダは確認の上アクセスログを保存する旨の回答をしてくれます。

応じてもらえない場合は仮処分を申し立てる

もしプロバイダがアクセスログの保存に協力してくれない場合は、裁判所に発信者情報消去禁止仮処分の申し立てを行います。このとき、保全の必要性として、一般的なアクセスログの保存期間が最大でも6ヶ月と短いこと、訴訟は時間がかかりすぎて判決を得ても発信者の特定ができないことを主張します。裁判所から仮処分命令が発令されれば、プロバイダもアクセスログの保存に応じてもらえるでしょう。

発信者情報開示請求を行う

アクセスログが保存されたことが確認できれば、プロバイダ側に対して発信者情報開示請求をします。例外的に他の方法で行う場合もありますが、発信者情報開示請求は訴訟で行うのが一般的です。

原則として発信者情報開示請求は訴訟で行う

発信者情報開示請求は原則として訴訟を提起することで行います。申し立て先はプロバイダ側の本社の所在地を管轄する裁判所になりますが、発信者情報不開示の損害賠償請求を併せて行うことで、自分の住所を管轄する裁判所に申し立てることもできます。

訴訟を申し立てると、プロバイダ側は第1回めの期日(※1)前に投稿者に対して情報開示について意見照会をします。投稿者が開示に同意すればプロバイダから情報が開示されて終了しますが、投稿者が拒否した場合は、そのまま法廷でプロバイダと開示請求について争うことになります。期日はたいていの場合2~3回で終了しますが、スムーズにいけば1回で結審(※2)する場合も少なくありません。

※1:期日…原告・被告が裁判所に出頭し、法廷で証拠を提示しながら主張を展開し合う日のこと

※2:結審…証拠を提示したり、主張や意見を述べたりするのが終わった段階のこと

例外的にガイドラインに則った開示請求をする場合

プロバイダ責任制限法のガイドラインに則って開示請求をすることもあります。ただし、任意でプロバイダに開示請求をしても、プライバシー保護の観点から発信者から情報開示を拒否されることが多く、成功率があまり高いとは言えません。そのため、ガイドラインでも、任意による発信者情報開示請求は例外という位置づけになっています。

弁護士会照会(23条照会)を行うこともある

訴訟以外に、弁護士会照会が利用されることもあります。弁護士会照会とは、弁護士が弁護士法の規定に基づき、法人や団体に対して受任事件に必要な事項に関する照会を行うことです。弁護士照会は弁護士法23条の2に基づくため、「23条照会」とも言われます。

照会された側には公的な回答義務はあるものの、弁護士照会には強制力がなく、罰則規定もないので効果は限定的ではあります。しかし、たとえば発信元がインターネットカフェだった場合、インターネットカフェが独自に保有している顧客情報を利用して発信者の特定に協力してくれる可能性もあります。

誹謗中傷の投稿者を特定したいときはアークレスト法律事務所に相談を

インターネット掲示板やSNSでの誹謗中傷は、たいていの場合投稿者が不明です。しかし、その投稿者を特定したくても、裁判所での仮処分申請や訴訟が必要になり、非常に手間暇や時間がかかります。誹謗中傷した投稿者を特定するのは時間が勝負という側面もありますので、投稿者を特定したい場合は、投稿を発見したらアークレスト法律事務所まですみやかにご相談ください。発信者情報開示請求の経験豊富な弁護士が、最適な解決方法を導き出し、あなたの力になります。

ネット中傷の削除を得意とする弁護士法人アークレスト法律事務所に、記事や書き込みの削除はおまかせください。

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代表弁護士 野口 明男

代表弁護士

  • 代表弁護士 野口 明男
  • 野口 明男

    東京都出身
    京都大学工学部卒

旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。

メディア掲載実績

雑誌掲載

朝日新聞出版
『週刊エコノミスト』
2019年2月19日号

雑誌掲載

ダイヤモンド社出版
『週刊ダイヤモンド』
2019年2月9日号

雑誌掲載

朝日新聞出版
『AERA (アエラ) 』
2019年3月4日号

テレビ出演

フジテレビ系列「めざましテレビ」2018年12月14日放送で、ネット犯罪に詳しい弁護士として野口明男がインタビューに応じました。

弁護士法人アークレスト法律事務所では、代表弁護士の野口明男を含め合計2名の弁護士が所属しております。
記事削除・投稿者特定・訴訟など、それぞれが得意とする分野を活かして、お悩みの解決に取り組ませて頂いております。

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