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オフィスの原状回復費用の相場はいくら?高額請求を回避するために知っておくべきこと
2025.07.25
オフィス移転や退去時に必ず発生するのが「原状回復工事」です。しかし、いざ見積もりを取ると想定以上に高額で驚いた経験はありませんか。
実際、オフィスの原状回復費用は坪単価や仕様、地域によって相場が大きく異なり、高額請求トラブルに発展するケースも少なくありません。
今回は、オフィスの原状回復費用の相場や高額になる原因と仕組み、オフィス原状回復の高額請求を回避するために知っておくべきポイントなどを解説します。
これからオフィスを退去予定の方や、すでに高額な原状回復請求を受けてお困りの方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
オフィスの原状回復費用の相場を把握しよう

オフィスを退去する際に気になるのが原状回復費用です。請求された原状回復費用が高額であるか判断するためにも、原状回復費用の相場を把握することが重要です。
坪単価でみるオフィス原状回復の相場感
オフィス退去時に必要となる原状回復工事は、面積あたりの坪単価で大まかな相場感を把握できます。一般的には1坪あたり2万円~10万円程度が目安とされています。
ただし、この坪単価はオフィスビルのグレードや立地、築年数、施工内容によって変動するため注意が必要です。
オフィスの規模に応じた一般的な相場としては、以下のとおりです。
・中小規模(30坪程度)のオフィス……2~5万円/坪
・大規模(100坪程度)のオフィス……5~10万円/坪
まずは自社オフィスの規模と仕様を踏まえたうえで、坪単価の相場を基準に概算費用を把握しておくことが重要です。
業種・仕様・地域別にみる費用の傾向
オフィスの原状回復費用は、業種や仕様、地域によっても差が生じます。以下の傾向を押さえておきましょう。
業種による差
一般的な事務所利用のみであれば標準的な坪単価で済むことが多いですが、飲食店や研究室として利用されていた場合、造作物や設備工事が多く、費用も高額になる傾向があります。
仕様による差
パーティションの多いオフィス、OAフロア、特注造作家具の設置など原状回復範囲が広い場合は必然的に費用も上がります。
地域による差
東京都心(千代田区・中央区・港区など)では施工業者の人件費やビルオーナー指定業者の価格設定が高くなるため、坪単価が全国平均より高額になることが一般的です。
見落とされがちな追加費用の項目とは?
オフィスの原状回復では、見積書に含まれる追加費用項目を見落としてしまい、最終的に高額請求となるケースがあります。
見落とされがちな追加費用の代表的な項目としては以下のとおりです。
- 夜間工事費(ビル規約により夜間作業しか認められない場合)
- 搬出入養生費
- 廃材処分費(産業廃棄物処理費用)
- 空調や電気設備の部分交換費用
見積書を受け取ったら、こうした追加項目が含まれているかどうかを必ず確認し、内容の精査と説明の要求を徹底しましょう。
なぜ原状回復費用が高額になるのか?その原因を解説

オフィスの原状回復費用が高額になる原因としては、以下のようなものが考えられます。
原因①|契約書の内容が不利になっている
オフィス賃貸借契約書には原状回復義務の範囲や内容が細かく定められています。賃貸借契約書は、賃貸人(オーナー側)が用意するため、テナント側に不利な内容が含まれていることが多く、退去時に高額な原状回復費用を請求されるリスクが高くなります。
たとえば、「通常損耗も借主負担」「原状回復工事は貸主指定業者とする」などの条項があると、費用交渉の余地がなくなることがあります。
契約締結前に内容を精査し、修正交渉を行わないまま契約してしまうことが、高額請求につながる大きな原因の一つです。
原因②|ビルオーナー指定業者の価格設定
オフィスビルによっては、原状回復工事をビルオーナー指定業者に依頼するよう義務づけているケースがあります。
指定業者がいる場合、テナント側は他の業者を利用できないため、指定業者の言い値で応じるしかなく原状回復費用が高額になってしまいます。中には意図的に不要な工事を加えたり、高額請求をしたりする業者も存在しますので注意が必要です。
本来であれば相見積もりにより適正価格で工事を発注できますが、指定業者のみとなると価格競争が働かず、テナント側が不利な立場に置かれてしまいます。
原因③|相見積もりが取れない環境
原因②と関連しますが、原状回復費用を適正化するためには複数業者から相見積もりを取り、内容や金額を比較検討することが不可欠です。
しかし、オーナー指定業者制度や退去までのスケジュールに余裕がない状況だと相見積もりが取れず業者の言い値で工事を依頼せざるを得ない状況に陥ります。
これにより、本来なら回避できたはずの高額費用をそのまま支払うことになるケースも少なくありません。
オフィス原状回復の高額請求を回避するための実践ポイント

オフィスの原状回復費用を抑えるためには、いくつか気を付けるべきポイントがあります。以下では、オフィス原状回復の高額請求を回避するための実践ポイントを紹介します。
契約書の事前チェックと修正交渉
オフィスの原状回復費用が高額にならないようにするためにもっとも重要なのは契約書の事前チェックと修正交渉です。
オフィスの賃貸借契約を締結する際には、以下のポイントを必ず確認しましょう。
「通常損耗も借主負担」となっていないか
本来、自然損耗や経年劣化は貸主負担が原則です。
しかし、「通常損耗も含めて借主負担」と記載されている場合、壁紙や床の張替えなど本来負担不要な箇所まで全額請求されるリスクがあります。
原状回復範囲があいまいに広範囲指定されていないか
「入居前の状態に戻すこと」など抽象的表現のみの場合、貸主側の解釈で工事範囲が拡大されやすくなります。床・壁・天井・設備・配線・空調など、どこまで借主負担か具体的に記載されているかを確認しましょう。
工事業者の指定義務がないか
ビルオーナー指定業者にしか依頼できない場合、相場より高額な見積もりが提示されても価格交渉が難しくなります。少なくとも相見積もり取得や業者選定の自由を残す内容に修正交渉することが望ましいです。
もし不利な条項が含まれている場合は、修正や削除交渉を行い、合意内容を書面に残しておくことが、後の高額請求回避につながります。
写真・記録の保存
入居時や内装変更時、日常管理においても、オフィス内の状況写真や工事図面、使用状況の記録を残しておきましょう。これらは退去時に「どこまでが借主負担か」を巡るトラブルを回避する重要な証拠となります。
具体的には、以下のような場面で写真・記録を残しておくとよいでしょう。
入居時の状態証拠
入居時から存在していた壁紙のシミや床材の損傷について、退去時に借主負担として請求された場合、入居時写真を提示することで負担回避が可能です。
造作物設置時の証拠
間仕切りや造作家具を設置した場合、設置前後の写真や施工図面を保管しておくことで、撤去範囲や復旧方法の交渉時に役立ちます。
定期メンテナンス記録
空調設備などの定期点検履歴も保存しておくと、故障時の借主責任範囲を限定する根拠になります。
こうした記録があることで、オフィス原状回復の高額請求を回避するための強い交渉材料となり、無駄な支払いを抑制できます。
見積書の内容精査と交渉
原状回復工事の見積書は必ず精査し、項目ごとに内容説明を求めましょう。また、可能な限り相見積もりを取り、適正価格かどうかを比較検討することが重要です。
特に、以下の点についてはしっかりと確認するようにしてください。
- 項目が「一式」表記で金額根拠が不明瞭になっていないか
- 相場より著しく高額な単価設定がないか
- 追加費用の根拠が説明されているか
オフィス原状回復の見積もりを提示された際は、「項目ごとの詳細内訳と単価、施工面積を明記した再見積もりをお願いします」と伝えることで、業者側も価格根拠を整理する必要が生じ、交渉が有利に進む傾向があります。また、ビルオーナーから指定業者しか選べないと告げられた場合でも、交渉余地がないか確認してください。
オフィス原状回復の高額トラブルを予防・対処は弁護士に相談を

オフィス原状回復の高額トラブルを予防し、実際のトラブルに対応するには、専門家である弁護士のサポートが不可欠ですので、自社で対応する前に一度弁護士に相談することをおすすめします。
契約書のチェック
オフィス原状回復費用をめぐるトラブルを予防するためには、契約書チェックが不可欠です。
特に、テナント側に不利な条項が含まれている場合、弁護士に相談することで高額請求トラブルを未然に回避するための助言や修正交渉が可能となります。
見積書の精査
原状回復工事費用に納得がいかない場合や、見積書の内容が不透明な場合は、弁護士に相談することで費用妥当性の検証や法的根拠の確認を依頼できます。
原状回復トラブルに詳しい弁護士であれば、これまでの経験で培ったネットワークを通じ、他の業者から適正価格の見積もりを取得するサポートを受けられるケースもあります。
オーナーとの交渉代行
オフィス退去時の交渉は専門知識が求められるうえ、ビルオーナーや管理会社との力関係で不利になることも多々あります。
弁護士が代理人として交渉を行うことで、法的根拠に基づいた主張を通しやすくなり、オーナー側も弁護士が窓口では強気な交渉ができなくなりますので、余計な高額費用を回避できる可能性が高まるでしょう。
まとめ
オフィスの原状回復費用は、坪単価2~10万円程度が相場とされるものの、業種や仕様、地域、そして契約内容次第で大きく変動します。不利な契約条項やビルオーナー指定業者、相見積もりが取れない環境などが原因となり、高額請求トラブルに発展するケースも後を絶ちません。
こうしたトラブルを避けるためには、契約書締結時の確認と交渉、日頃の写真記録、見積書精査、弁護士への相談が重要です。
「オフィスの原状回復費用が相場より高額ではないか」「高額請求を回避したい」とお悩みの方は、弁護士法人アークレスト法律事務所までお気軽にご相談ください。

監修者
野口 明男(代表弁護士)
開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。
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