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未成年による名誉毀損を訴えることは可能?被害者が取るべき対応を解説

2021.04.03

ホスラブや爆サイなどの匿名掲示板やSNSに誹謗中傷を書き込まれた場合、名誉毀損で加害者を訴えることが可能です。

しかし、加害者を特定したら相手が未成年者だったケースでは、どう対応すればよいのでしょうか。加害者が未成年の場合は、被害者は泣き寝入りするしかないのでしょうか。

結論からいうと、加害者が未成年でも名誉毀損で訴えることは可能です。しかし成人の場合とは、罰則などの面で対応が異なる場合もあります。

ここでは、名誉毀損の加害者が未成年者だったときの罰則や、訴えるときの対応について解説します。

1.名誉毀損は未成年が加害者でも訴えることが可能

名誉毀損は未成年が加害者でも訴えることが可能

誹謗中傷の加害者が未成年者でも、名誉毀損で訴えることができます。

近年、ホスラブや爆サイなどの匿名掲示板やSNSで、誹謗中傷による被害が深刻化しています。誰でも簡単に情報を発信できるため、加害者が未成年であるケースも珍しくありません。

加害者の年齢にもよりますが、自分の行為の意味と、その結果起こりうる事象を理解できる年齢であれば、名誉毀損で訴えることができると考えてよいでしょう。責任能力が認定されるおおよその年齢は、少年法の下限年齢である12歳前後です。 また、未成年者が加害者の場合は、慰謝料の支払い能力についても争点となります。

訴訟で加害者側は、支払い能力がないと主張するかもしれません。しかし、未成年の加害者が経済的に自立していなくても、加害者の親権者が賠償責任を負います。つまり、加害者本人の支払い能力は損害賠償に関係ないと判断され、通常どおり慰謝料の請求もおこなえます。

2.未成年による名誉毀損罪の罰則について

未成年による名誉毀損罪の罰則について

名誉毀損で訴える方法は、刑事民事の2つです。刑事事件化させたい場合は、被害者からの訴えがないと事件として扱われないもの(親告罪)ということを覚えておき、警察に告訴状を提出することを忘れないようにしましょう。

加害者が未成年者の場合でも、刑事・民事の両方で訴えられますが、少年法の適用により刑事では成人と同じ罪に問うことができません。

それでは未成年者を、名誉毀損で訴えるときに知っておきたい、刑事と民事の罰則の違いについて説明します。

2-1.刑事事件

名誉毀損罪は、刑法230条に規定されている犯罪行為です。そのため、刑法により、加害者には下記の罰則が与えられます。[注1]

  • 3年以下の懲役もしくは禁錮
  • 50万円以下の罰金

しかし、未成年者は原則として刑法ではなく、少年法が適用されます。少年法の適用になった場合は、家庭裁判所で審判され、保護観察や少年院への送致などの処分が決まります。

少年事件では、加害者の更生に重点が置かれる点を、理解しておきましょう。

[注1]e-GOV法令検索:第三十四章 名誉に対する罪

2-2.民事事件

民事事件で未成年の加害者を訴える場合は、成人と同様の判決が下される可能性が高いと考えられます。民事事件では、名誉毀損による損害賠償請求で、おおよそ50~100万円の慰謝料が、加害者に命じられることが一般的です。

相手が未成年の加害者でも、本人の支払い能力が慰謝料額を決める手立てにはならないと考えられ、成人と同じ判断が下されることが多いでしょう。

3.未成年による名誉毀損を訴える際に取るべき対応

未成年による名誉毀損を訴える際に取るべき対応

相手が未成年者であっても、加害者が成人のときと基本的に対応は変わりません。

まずは加害者の特定をして、刑事・民事でそれぞれの訴えを起こします。

刑事上の罪を問いたい場合は、警察へ告訴状の提出が必要です。民事事件を起こすときも、成人の場合と同じで、裁判所に訴状を提出して提訴します。

未成年者の名誉毀損の場合は、裁判になる前に、未成年の加害者が和解や示談で、解決したいと申し出てくる可能性があります。和解金は、損害賠償請求をおこなったときの慰謝料と同等の金額が予想されるため、和解・示談に応じるのもひとつの方法です。

4.名誉毀損の加害者が未成年でも成人と同様に訴えることができる!

加害者が未成年でも、名誉毀損で訴えることが可能です。自分の行為が誹謗中傷であり、それが広まることで被害者の社会的評価が下がると理解していれば、12歳前後の未成年者でも罪が認められる可能性があります。

ホスラブや爆サイなどの匿名掲示板・SNSで、広まった誹謗中傷を、完全に消すことは難しいのが現状です。また、被害側は精神的な苦痛も受けているでしょう。「加害者が未成年だから」と諦める必要はありません。

刑事上は少年事件となるため、成人のような刑事罰は与えられませんが、民事裁判では、一般的な慰謝料が認められるケースもあります。

その際には和解や示談を提案されることもあるため、納得のいく適切な額で決着をつけるためにも弁護士に対応について相談するとよいでしょう。