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意見照会書とは?届くタイミングや行うべき対処など基本を解説

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意見照会書とは?届くタイミングや行うべき対処など基本を解説

普通に生活しているはずだったのに、いきなり意見照会書が届いたとなれば、多くの人が驚くでしょう。「誹謗中傷をした覚えはない」「冗談で書き込んだ」という人もいるかもしれません。

しかし、意見照会書が届いたということは、相手方に裁判を起こされる可能性もあるのです。

意見照会書が届いた場合に知っておきたい基礎知識と、対応方法について解説します。

1.そもそも意見照会書とは?

意見照会書という言葉自体を聞いたことがない人も多いでしょう。

意見照会書にはどのような意味があるのか、どんなケースで届くのかなどを詳しく解説します。

1-1. 意見照会書とは発信者情報開示請求に係る書類

意見照会書とは、発信者情報開示請求に係る書類です。

そもそも、発信者情報請求とは、インターネット上の書き込みを投稿した発信者を特定する手続きをいいます。発信者情報開示請求は、平成14年に施行された「プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)」によって、定められています。

プロバイダ責任制限法は、送信防止措置手続きや、サイト管理者の損害賠償積金の制限など、インターネット上の名誉毀損や権利侵害に関わる法律です。発信者情報開示請求については、プロバイダ責任制限法の第4条に定められています。

発信者情報開示請求の手続きがおこなわれると、投稿の発信者に対して意見照会書が送付されます。意見照会書は、「発信者情報を請求者に開示してもよいか」ということを発信者本人に確認する書類です。

意見照会書には、回答書が同封されており、開示に同意するかしないかを回答します。この回答書にもとづいて、発信者情報を開示するかどうかが決まります。

1-2. 発信者情報開示請求で開示される内容

 発信者情報開示請求で開示される内容

意見照会書が届き、回答書に同意すると、被害者側に発信者の情報が開示されます。開示される内容は、以下のとおりです。

  • 1.氏名
  • 2.住所
  • 3.メールアドレス
  • 4.電話番号
  • 5.IPアドレス
  • 6.タイムスタンプ(投稿の電子証明)

場合によっては、SIMカード識別番号など、上記以外の情報もあわせて開示されることがあります。

意見照会書が、携帯電話会社などのプロバイダから送られてくるケースでは、IPアドレスとタイムスタンプは、すでにサイト管理者が開示しています。IPアドレスとタイムスタンプ以外の情報が、プロバイダから被害者に開示される仕組みです。

1-3. 意見照会書はどんなケースで届く?

意見照会書が届くのは、たとえば、次のようなケースが考えられます。

  • 誹謗中傷に対して、名誉毀損で訴えたいと被害者が考えているとき
  • 誹謗中傷を止めたいとき

一般的に、意見照会書が届くのは、インターネット上で誹謗中傷を書き込まれた被害者が、書き込んだ発信者を名誉毀損や権利侵害で訴えたいときです。

名誉毀損は、刑事・民事の両方で訴えることができますが、加害者の情報がわからないと告訴や提訴ができません。そのため、被害者はプロバイダやサイト運営者と交渉し、意見照会書で発信者を特定します。

一方、誹謗中傷が続いている場合に、意見照会書を出すことで、抑止力になると考えている場合もあります。意見照会書で発信者に訴える準備ができていることを知らせ、誹謗中傷が止まったら、実際には訴えないケースです。

ただし、意見照会書が届く段階まで進んでいるのなら、少なくとも被害者は訴えを起こす覚悟でいることは間違いないでしょう。

2.意見照会書の送り主は?

意見照会書の送り主として考えられるのは、主に2つです。

  • サイト管理者
  • インターネットプロバイダ

意見照会書を受け取る側には、どちらから届いたものでも、内容に変わりはありません。先述したように、住所や氏名などの発信者情報が開示されます。

サイト管理者インターネットプロバイダ、それぞれの場合について解説します。

国内の主なプロバイダは以下のとおりです。

プロバイダ名 運営会社
ドコモ光、docomo(モバイル) NTTドコモ
auひかり、au(モバイル) KDDI株式会社
ソフトバンク光、SoftBank
(モバイル)、ワイモバイル
ソフトバンク株式会社
NURO光 ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社
@nifty ニフティ株式会社
ぷらら 株式会社NTTぷらら
BIGLOBE ビッグローブ株式会社
OCN エヌ・ティ・ティコミュニケーションズ株式会社
hi-ho 株式会社ハイホー
So-net ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社
DTI 株式会社ドリーム・トレイン・インターネット
BB.excite エキサイト株式会社
GMOとくとくBB GMOインターネット株式会社
@TCOM 株式会社TOKAIコミュニケーションズ
Asahiネット 株式会社朝日ネット
WAKWAK 株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー
J:COM 株式会社ジュピターテレコム
UQ WiMAX、UQモバイル UQコミュニケーションズ株式会社

2-1. サイト管理者から届く場合

意見照会書は、誹謗中傷がおこなわれたサイト管理者から届くのが、基本と考えてよいでしょう。

ただし、投稿したサイトが匿名制のケースでは、このあと解説するインターネットプロバイダから意見照会書が届きます。サイト管理者から、意見照会書が届くのは、サイトが実名登録制のケースです。

2-2. インターネットプロバイダから送られてきた場合

サイト管理者ではなく、インターネットプロバイダから意見照会書が届くこともあります。プロバイダとは、インターネットへの接続サービスを提供する、携帯電話会社などの回線事業者です。

プロバイダから意見照会書が届いた場合でも、必ず内容を確認して、回答書を提出する必要があります。身に覚えがないからと放置するのは危険です。

3.意見照会書が届くタイミング

意見照会書が届くタイミング

掲示板やSNSに、誹謗中傷を書き込んでしまった経験があれば、意見照会書がいつ届くかと不安に思うかもしれません。実は、匿名制サイトと実名登録制サイトでは、意見照会書が届くタイミングが異なります。

ここでは、意見照会書が届くタイミングと、発信者情報開示請求の流れについて、解説します。

3-1. 実名登録制サイトの場合

実名登録制サイトとは、サイトへの登録時に実名や住所、電話番号が必要なサイトです。サイト側が発信者の詳細情報を持っているため、開示請求はサイト管理者のみで済みます。

意見照会書が届いたあとは、基本的に以下のように進みます。

  • 1.被害者によるサイト管理者への発信者情報の開示請求
  • 2.サイト管理者が拒否した場合は訴訟
  • 3.意見照会書が発信者に送付される
  • 4.回答書で返信
  • 5.サイト運営者による開示の判断
  • 6.発信者の氏名や住所などの情報が被害者に開示される

サイト管理者が被害者からの開示請求を拒否した場合は、裁判によって開示請求権を争います。裁判では、名誉毀損や、著作権侵害などの権利侵害がおこなわれたかが論点になり、発信者の情報が開示されるかの判決が下ります。

つまり、意見照会書が届いたということは、被害者の主張が裁判所に認められ、名誉毀損や権利侵害にあたると判断されたということです。この場合は、発信者が回答書で開示に同意しなくても、サイト管理者が開示をする可能性があります。

発信者情報が被害者に開示されると、刑事裁判民事裁判に進むことになります。

3-2.匿名制サイトの場合

匿名制サイトの場合

匿名制サイトとは、サイトの使用や登録に、実名や住所などの個人情報が必要ない匿名掲示板やSNSです。

匿名制サイトの場合、サイト管理者も発信者の詳細情報を持っていません。そのため、最初にサイト管理者にIPアドレスを開示請求し、その後にIPアドレスからプロバイダを探して、詳細情報を開示請求する2ステップが必要です。

まとめると、次の1~9の手順になります。

  • 1.被害者によるサイト管理者への発信者情報の開示請求
  • 2.拒否された場合は訴訟
  • 3.サイト管理者がIPアドレスとタイムスタンプしか持っていない場合は開示情報からプロバイダを特定
  • 4.プロバイダへの発信者情報の開示請求
  • 5.プロバイダが拒否した場合は訴訟
  • 6.発信者に意見照会書が送られる
  • 7.回答書で返信
  • 8.プロバイダによる開示の判断
  • 9.発信者の氏名や住所など詳細情報が被害者に開示される

発信者に意見照会書が送られてからの流れは、実名登録制サイトの場合と同様に進みます。

本来であれば、サイト管理者がIPアドレスを開示するときも、意見照会書が必要です。

しかし、発信者の氏名や住所などの情報を持っていなければ、そもそも発信者に知らせることができません。プロバイダ責任制限法では、サイト管理者が発信者情報を持っていないときに、意見照会書を送る手順を省略できることを認めています。

4.意見照会書の内容

意見照会書に記載されている内容は、次のとおりです。

  • 請求者の氏名:請求をおこなっているサイトやプロバイダの名前
  • 特定電気通信設備:該当のSNSや掲示板等
  • 掲載された情報:権利侵害にあたる投稿内容
  • 侵害された権利:被害者が訴える権利侵害の内容
  • 侵害されたとする理由
  • 発信者情報の開示をする理由
  • 開示請求をされている発信者情報
  • 証拠

請求者の氏名とは、請求をおこなった被害者ではなく、意見照会書を出したサイト管理者やプロバイダが該当します。そのため、企業名が記載されていることもあります。

特定電気通信設備とは、プロバイダ責任制限法第2条に定義されている、不特定の人に対する電気通信の送信に使われる設備のことです。Webサイトや掲示板などを指します。

意見照会書には、請求者情報と利用されたサイト・掲示板のほか、権利侵害にあたる投稿内容や被害者の主張が書かれています。

5.意見照会書が届いた際の注意点

意見照会書が届いた際の注意点

意見照会書が届いたとき、思わず無視したくなるかもしれません。「自分にはそんなつもりはなかった」「相手が大袈裟なだけ」と主張する気持ちもよくわかります。

しかし、意見照会書が届いたあとに、そのまま放置すると、立場が不利になってしまう可能性もあります。

ここでは、意見照会書が届いたときに注意するポイントを見ていきましょう。

5-1.意見照会書は無視してはいけない

意見照会書には、回答書と呼ばれる意見書が添付されており、発信者は回答書で、情報開示に同意するか同意しないかを回答します。意見照会書を出したプロバイダや、サイト管理者は、回答書を見て、被害者に発信者情報を開示するかを決めます。

発信者が、「同意しない」としても、プロバイダやサイト管理者が、情報を開示する可能性もあり、必ずしも発信者の回答が通るとは限りません。

だからといって、意見照会書を無視することはやめましょう。なぜなら、プロバイダや、サイト管理者への印象が悪くなるからです。

発信者情報を持っているプロバイダや、サイト管理者の判断で情報が開示されるため、回答書を提出しないと情報開示されるリスクが高まります。意見照会に記載された内容に心当たりがない場合や、権利侵害にはあたらないと主張したい場合は、回答書できちんと説明することが必要です。

回答書の意見に、プロバイダ側が納得すれば、被害者への発信者情報の開示は認められず、訴訟も起こせません。せっかく用意された反論の場を自ら潰すことは、発信者側の不利益になります。

5-2.回答書の書き方に注意

回答書で注意したいのは、書き方です。

意見照会書に添付されている回答書には、下記の項目を記載する必要があります。

  • 発信者の住所・氏名・電話番号
  • 発信者情報の開示に同意するか・しないか
  • 発信者情報の開示に同意しない場合の理由

意見照会書に記載された内容に相違がなく、情報開示に同意する場合は、「同意する」に丸を付けて、発信者情報を記載したら完了です。

一方、「投稿に覚えがない」「権利侵害のつもりで投稿したわけではない」といったケースでは、「発信者情報の開示に同意しません」に丸を付けます。

発信者情報の開示に同意しない場合、注意したいのは、回答書に記載する「理由」です。理由を書かなければ、プロバイダやサイト管理者は、開示を拒否する正当な理由がないと判断し、被害者側に情報を開示する可能性が高くなります。

同意しないときは、なぜ同意できないのかを、論理的に記載する必要があります。証拠がある場合は、画像などを印刷して添付することも重要です。

回答書に記載する理由は、法的な知識のない人が1人で考えるのは難しいため、弁護士に相談して考えるのがよいでしょう。請求者が納得する理由を提案してくれるだけでなく、意見照会書や回答書に関する疑問点の解消や、今後の流れについても相談に乗ってもらえます。

回答書の作成は、依頼する弁護士事務所にもよりますが、相場は5万円前後です。発信者情報の開示のあとに、裁判で損害賠償請求をされると、名誉毀損の場合は、10万~50万円程度の慰謝料が発生します。回答書を専門家に任せることで、訴訟のリスクを減らせると考えれば、高すぎる費用ではないでしょう。

5-3.回答書の期限は14日以内

意見照会書に同封されている、回答書の返送期限は14日以内です。

期限を過ぎた場合は、回答の意思がないとみなされ、プロバイダやサイト管理者の判断で、発信者情報を開示するかが判断されます。発信者側から回答がなければ、開示を拒否する理由もないため、発信者情報が被害者に開示される可能性が高いでしょう。

意見照会書が届いたら、早めの対応が必要です。なるべく早急に回答書を返送しましょう。

6.意見照会書が届いた際に取るべき対応

意見照会書が届いた際に取るべき対応

意見照会書について解説してきましたが、実際に意見照会書が届いたら、慌ててしまうかもしれません。

ここでは、意見照会書が届いた際に取るべき対応を、2つのパターンに分けて解説します。

6-1.不法行為をした覚えがない場合

意見照会書に、記載されている内容に覚えがない場合は、添付されている回答書を、必ず送り返す必要があります。前述したとおり、回答書がないと、プロバイダやサイト管理者が、開示しない理由がないため、よほどのことがない限り開示請求が通ってしまうでしょう。

被害者が主張する請求内容に納得できない、あるいは覚えがない場合は、14日以内に回答書で、発信者情報の開示に同意しない理由を添えて、回答します。

自分で理由に記す文章を考えてもよいですが、開示のリスクを減らしたいならは、弁護士に相談し、回答書を代理作成してもらうのがよいでしょう。なぜなら、回答書の記載に慣れていない人が、プロバイダやサイト管理者を納得させる文章を書くのは難しいからです。

また、発信者情報が開示されてしまったとしても、慌てて弁護士を探す必要がなく、その後の流れについても相談に乗ってもらえます。

6-2.不法行為を指摘される覚えがある場合

意見照会書に書かれた内容に、心当たりがある場合でも、発信者情報の開示に同意しないことは可能です。その場合も、回答書で「不法行為にはあたらない」とする理由を記載します。

開示請求に覚えがないケースと同様に、弁護士へ相談するとよいでしょう。心当たりがあるときは、開示請求が通って裁判が起こった場合を想定し、対応することが重要です。心当たりがあることを、弁護士にきちんと打ち明けましょう。

7.意見照会書が届いたら弁護士に相談してから回答するのがおすすめ

意見照会書で回答した内容によっては、同意を拒否しても、発信者情報が開示されてしまいます。発信者情報が開示されると、被害者は民事裁判や、刑事告訴を起こすことが予想されます。そのため、意見照会書が届いた時点での対応が重要です。

意見照会書が届いて内容を確認したら、そのまま放置せずに、ネットトラブルに詳しい弁護士に相談しましょう。回答書の書き方や、今後の対応方法についてアドバイスがもらえます。専門家がいることで、気持ちも落ち着くでしょう。

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代表弁護士 野口 明男

代表弁護士

  • 代表弁護士 野口 明男
  • 野口 明男

    東京都出身
    京都大学工学部卒

旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。

メディア掲載実績

雑誌掲載

朝日新聞出版
『週刊エコノミスト』
2019年2月19日号

雑誌掲載

ダイヤモンド社出版
『週刊ダイヤモンド』
2019年2月9日号

雑誌掲載

朝日新聞出版
『AERA (アエラ) 』
2019年3月4日号

テレビ出演

フジテレビ系列「めざましテレビ」2018年12月14日放送で、ネット犯罪に詳しい弁護士として野口明男がインタビューに応じました。

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