コラムサイトごとの削除・対策方法

FC2ブログで書かれた中傷記事を削除する2つの方法

2019.06.26

FC2は国内の有力ブログサービスのひとつです。FC2も他社のブログサービスと同じように、誰でも簡単な登録だけでブログを開設することができ、もちろん無料です。
ブログサービスは、悪意ある者によって誹謗中傷の道具にされる危険がありますが、FC2にもそのリスクがあります。
ではFC2のブログに自身のことや自社のことが悪く書かれていたら、被害者はどのように対処したらよいのでしょうか。
FC2の運営会社は必ずしも問題のある投稿の削除に積極的とはいえないので、被害の救済が期待できない場合は速やかに弁護士に相談することを強くおすすめします。

1.FC2とは

FC2とは

FC2の運営会社は、自社の情報を積極的には公開していません。

1-1.運営会社はよくわかっていない

FC2の運営会社の情報は下記のURLの公式ページに記されているのですが、それでも次の内容しかわかりません。

会社名:FC2, Inc.
所在地:4730 South Fort Apache Road Suite 300 Las Vegas, NV89147
業務概要:ドメイン販売・Webホスティング・アプリケーション開発
E-mail:fc2@fc2.us
代表者:DIANNA R TEMPLE
設立:1999年7月

FC2の運営会社に関する公式情報を掲載したURL
https://fc2.com/company.html

FC2の運営会社に関する公式情報

アメリカに本社があることはわかりますが、日本支社がどこにあるのかも、そもそも日本に拠点があるのかもわかりません。また代表者名も別のページには「DEREK G ROWLEY」とあります。
ところが2014年に、FC2が関与したとされる公然わいせつほう助事件が起きたことから、FC2の実質的な日本の運営会社が、大阪市に拠点を持つインターネット関連企業「ホームページシステム」であると報道されました。
しかしホームページシステム社についても詳しいことは判明していません。
FC2の運営会社は日本国内で、ブログサービスの他に企業のコンテンツ発信支援やSNSサービス、Eコマース支援などを手掛けていることはわかっています。

1-2.充実したブログサービス、拡散の支援も

FC2のブログサービスは充実していて、記事だけでなく写真や動画を10GB分掲載できたり、アフィリエイトという広告ビジネスを展開できたりします。ユニークなサービスでは、ブログに投稿した記事を書籍にしてくれます。
またFC2では、ブログの拡散を支援しています。「おすすめブログ」という専用サイトを開設し、有名人、アイドル、ペット、スポーツ、マネーなど19ジャンルの注目ブログを紹介しています。
ブロガー(ブログの開設者)たちはより多くの人に自分の投稿記事を読んでもらいたいと考えるので、こうした拡散支援は喜ばれているでしょう。

1-3.メールアドレスがあれば匿名で開設できる

FC2でブログを開設するには、以下のURLにアクセスしてメールアドレスを入力する必要があります。その後、入力したメールアドレスに登録方法を解説したメールが届きます。ブログの開設は匿名でも可能です。

FC2でブログを新規開設するときの登録ページのURL
https://id.fc2.com/signup.php?switch_language=ja&ref=blog

FC2でブログを新規開設するときの登録ページ

2.FC2で起こりうる誹謗中傷の例

FC2で起こりうる誹謗中傷の例

FC2は、電子メールのアカウントさえ持っていれば、誰でも簡単にブログを開設することができます。しかもブログ開設希望者の本名や実際の住所を登録する必要がないので、問題のある記事が公開されても、一般の人が発信者を特定することは不可能でしょう。

2-1.同僚の悪口も企業批判も簡単に書ける

FC2を使えば、例えば会社の同僚の悪口やプライベートを記事にして公開することができます。
ブログは個人攻撃に使われるだけでなく、企業攻撃にも使われます。例えば、ブログの開設者が飲食店で食事をしたときの体験談をつづり、そこに「料理のなかに虫が入っていた」と一言添えるだけで店の評判を落とすことができます。

その他にも次のような被害を想定できます。

  • 企業のコンテンツや著作物を無断転載する
  • 新商品を実際に購入し、使用したうえで酷評する
  • 「おすすめしない観光スポット」といったたぐいの記事を投稿する
  • かつての勤務先の問題点を暴露する

悪意あるブロガーがFC2を悪用すれば、このような想定被害は簡単に現実のものになります。悪意あるブロガーに標的にされた個人や企業が対抗する手段は多くはありません。

2-2.表現の自由が壁になる

さらに、新商品の酷評やおすすめしない観光スポット記事、かつての勤務先の暴露は、内容が虚偽であれば損害賠償の対象になり得ますが、内容が事実であれば、表現の自由との兼ね合いで罰せられない可能性もあります。

仮に偽情報をブログで流した者を特定できたとしても、「偽情報だとは思わなかった。本当の情報と信じるだけの証拠があった。ただ、今は偽情報とわかったので、ブログに訂正記事を掲載する」と抗弁されたら、それ以上追求することが出来ません。
また、偽情報のブログ記事は削除できても、その情報を信じた人全員に真実を伝えることは不可能です。

2-3.コメント機能でFC2ブロガーを攻撃することも可能

FC2で正当なブログ運営者を攻撃することも可能です。FC2にはコメント機能があり、ブログ記事を読んだ人が感想を送ることができます。そこに辛辣な意見を掲載すれば、ブログの評判を落とすことができます。
コメントはブログ開設者が非公開にすることもできますが、ブログ開設者は少なくとも1回はそのひどいコメントに読むことになります。それが記事執筆の意欲を減退させブログ記事の更新が止まれば、攻撃者は目標を達成できたと感じるでしょう。
また、コメントに迷惑スパムを送ることもできます。迷惑スパムは意味のない文章を送りつける行為で、独特の不気味さがあります。やはりブロガーのモチベーションを低下させるでしょう。

3.FC2の中傷記事の2つの削除方法

FC2の中傷記事の2つの削除方法

FC2に誹謗中傷記事が掲載された個人や企業が取り得る対処としては、FC2の運営会社に対象記事の削除を依頼する方法と、弁護士に相談する方法の2通りがあります。
被害者におすすめしたいのは、2つめの弁護士に相談する方法です。それは、FC2側の対応に、万全とはいえない部分があるからです。

3-1.FC2の運営会社に削除を依頼する方法

誹謗中傷しているFC2ブログなどの不適切サイトを発見したときは、下のURLにアクセスして、削除を依頼することができます。

不適切サイト報告・異議申し立てフォームのURL
https://form1ssl.fc2.com/form/?id=49541

不適切サイト報告・異議申し立てフォーム

このページから削除依頼するには、被害者(削除の申し立て者)が自身の本名、住所、メールアドレスを入力しなければなりません。そのうえで、被害状況や削除が必要なページのURL、削除を依頼する具体的な箇所、削除依頼の理由を詳細に書かなければなりません。

そしてFC2の運営会社は、問題があるブログの開設者に、被害者の氏名と削除依頼の内容を転送します。つまり加害者に被害者の個人情報や被害発生の事実を伝えるというわけです。
では、問題があるブログ開設者に氏名や削除依頼の内容を明かされたくない被害者はどのようにしたらよいのでしょうか。運営会社はそのような被害者に「最寄りの法的機関にご相談ください」とアドバイスしています。

さらにFC2側は、利用規約のなかで、「FC2は(ブログ記事を含む)ユーザーコンテンツを監視・削除する義務を負いません」とも明記しています。

著作権侵害に関する申し立てのURL
https://form1ssl.fc2.com/form/?id=458807

著作権侵害に対する申し立て
※ネット上で著作権侵害となるケースや削除依頼方法については、下記の記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

3-2.弁護士に相談する

FC2の体制では、いわれのない誹謗中傷や事実と異なる不利益情報であっても放置される可能性があります。そこで、FC2に削除依頼をしても問題の投稿が残存している場合、速やかに弁護士に相談することをおすすめします。

インターネットのトラブルに強い弁護士であれば、FC2運営会社の削除に関して権限を持つ者に直接アプローチすることができます。運営会社は、弁護士の登場によって被害の深刻さを理解するでしょう。
FC2は有力なブログサービスで、使い勝手のよさからユーザーも数多く存在します。そのFC2に不利益情報が掲載されたままになっていると、被害が拡大しかねません。そうならないように早めに弁護士に相談してください。

監修者

野口 明男(代表弁護士)

開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。