はてなブログの誹謗中傷記事を削除する方法|削除依頼の手順と弁護士対応を解説

はてなブログでの誹謗中傷記事を削除する2つの方法
目次

はてなブログの削除とは

はてなブログの削除とは、はてなブログに投稿された誹謗中傷記事や個人情報などを、運営会社(株式会社はてな)への削除依頼や、弁護士を通じた法的手続きによって取り除く対応をいいます。はてなの削除手続きは申し立て・審査・調査と工程が多く、必ず削除される保証はないため、被害が大きい場合は弁護士への相談が有効です。本記事では、はてなブログの誹謗中傷記事を削除する方法を解説します。

秘密厳守。煩雑な手続きを一人で抱える必要はありません。

ブログはときに、特定の人や企業を誹謗中傷する道具になります。誰でも簡単に審査もなく開設できるブログを使えば、インターネット上に「悪口」を量産することも可能です。

その一方で、 被害者が悪意のあるブログを排除することは簡単ではありません。 ブログサービスの運営会社は、問題のあるブログ記事を削除する方法を用意していますが、手続きが複雑で手間がかかります。

著名なブログサービスのひとつ 「はてなブログ」 でも、実際に削除されるまで、申し立て、審査、調査、判断、処理などいくつもの工程を経なければなりません。

個人や企業が、はてなブログで誹謗中傷されたときの処置方法について紹介 します。

1.はてなブログの特徴

はてなブログの特徴を紹介します。

1-1.運営会社は株式会社はてな

はてなブログを運営しているのは、京都市に本社を置く 株式会社はてな です。同社は2001年に設立され資本金は約2億円です。はてなブログのほか、マーケティングやIT技術支援などの事業を展開しています。

1-2.誰でも無審査、無料で開設可能

はてなブログは誰でも 無審査 で、かつ 無料 で開設することができます。ブログを開設するには以下のURLにアクセスしてユーザー登録しなければなりませんが、必要なのはメールアドレスだけです。

したがって、無料のメールサービスで獲得したメールアドレスを使って匿名で登録すれば、 身元を隠したまま個人や企業を攻撃すること ができてしまいます。

▲はてなブログのユーザー登録ページの一部

はてなID
はてなID はてなIDは、はてなの様々なサービスで使用するアカウントです。

1-3.クオリティが高く、拡散支援も行う

はてなブログが多くのブロガー(ブログの開設者、執筆者)から支持されるのは、操作性がよくクオリティが高いからです。

はてなブログにはさまざまな編集機能が搭載されていて、記事執筆や写真や動画の貼り付け、ツイッターからの引用などが簡単に行えます。さらに画面のデザインパターンを数多く用意しているので、公式ホームページのような見映えのよいページをつくることができます。

サイトのデザインには、「正しい内容の記事を掲載している」と錯覚させる力があります。フェイクニュース(偽情報)を流す者にとっては、はてなブログのクオリティの高さは好都合です。

さらに株式会社はてなは、はてなブログの拡散にも力を入れています。「はてなブックマーク」というサイトを設け、NHKや講談社などの有力メディアが発信しているニュースのリンクと一緒に、はてなブログのリンクを貼っています。

このように並べられていると、はてなブログ記事も一般のニュース記事と並んで表示され、閲覧者の目に触れやすくなります。

はてなブログの拡散を支援する、はてなブックマーク。NHKなどのニュース記事のリンクと一緒に、はてなブログのリンクも貼られています。

2.はてなブログで起こりうるトラブル

はてなブログを使って特定の個人や企業を毀損することは難しくありません。個人情報や社内限定の情報をブログに掲載すれば十分な 威嚇効果 を持ちます。

また企業が保有するコンテンツや商標を無断ではてなブログに掲載すれば 経済的な損害を与えることもす。

さらに、個人が開設しているはてなブログに、コメント機能を使って攻撃 することもできます。悪意ある投稿者が誹謗中傷コメントを残せば、ブログ開設者はダメージを受けるでしょう。

はてなブログの開設者は寄せられたコメントを公開しないこともできますが、開設者自身は少なくとも1回はそのコメントを読むことになります。それはブログ記事の執筆意欲を著しく減退させるでしょう。

個人ブログに迷惑コメントを投稿する者は、ブログの更新が止まるだけで達成感を得るはずです。

3.はてなブログの運営は削除に消極的?

株式会社はてなは「はてな情報削除ガイドライン」を設け、ユーザーや閲覧者に削除する基準を示しています。以下のURLで確認することができます。

▲はてな情報削除ガイドラインの一部

Hatena Policies
はてな情報削除ガイドライン - Hatena Policies 最新版のダウンロードはてな情報削除ガイドライン 2026年7月29日改正版 (2078KB)改訂履歴 2026年7月29日 ・送信防止措置および役務提供停止措置(利用停止措置)に関する定...

しかしこのガイドラインからは、はてなブログに 掲載された誹謗中傷記事を積極的に削除していく姿勢は強くない印象です。 例えば次のように書かれてあります。

  • 株式会社はてなは情報の監視義務を負わない
  • (削除などの)送信防止措置を行うにあたり、株式会社はてなは必要最小限度の防止措置を行う
  • (株式会社はてなから情報発信者に送った)連絡を受信できなかったために被った不利益については、株式会社はてなは一切責任を負わない

ガイドライン上は、はてな側の責任範囲を限定する記載が複数みられます。

さらにプライバシーについては、未成年者のプライバシー侵害については「即時削除」を明記していますが、一般個人の氏名、勤務先、自宅住所、電話番号、メールアドレスについては「緊急性が認めらない場合、原則として削除手続きを進める」としているだけです。これは、一般個人の個人情報がはてなブログにさらされても、「緊急性が認められる時、例外扱いできるときは削除手続きを進めないこともある」と読むこともできます。

そして、インターネット上に自分から氏名、勤務先、自宅住所、電話番号、メールアドレスを公開している場合は、はてなブログに同じことが書かれてあっても原則、削除しないとしています。

したがって公式ホームページを持っている個人が、悪意あるはてなブログの標的になり、事実無根の誹謗中傷記事に本名や自宅住所が記載されても、株式会社はてなは削除依頼に応じない可能性があるわけです。

公式ホームページに載っている情報をわざわざはてなブログ記事から削除する必要はない、と考えているのかもしれませんが、公式ホームページの読者と誹謗中傷記事の読者が異なることもあるにもかかわらず、 運営側の姿勢には消極的な印象 を受けます。

秘密厳守。煩雑な手続きを一人で抱える必要はありません。

4.はてなブログ記事を削除する2つの方法

はてなブログに掲載された誹謗中傷記事を削除するには、1)株式会社はてなに削除を依頼する方法 と、2)弁護士に削除を依頼する方法 の2通りがあります。

そして、もし被害が甚大な場合、弁護士に協力要請することを強くおすすめします。なぜなら、はてなブログの削除手続きは煩雑なうえに、確実に削除される保証がないからです。また、仮に削除が実施されたとしても 時間がかかるからです。

4-1.株式会社はてなに削除を依頼する方法は煩雑かつ不確実

株式会社はてなに削除を依頼する方法は下記のURLに詳しく記されていますが、ここでは要約して紹介します。

はてな情報削除の流れの一部

Hatena Policies
はてな情報削除の流れ - Hatena Policies はてな情報削除の流れの目的 情報削除に関する各種フェーズ 1. 申立の受理 申立書の提出 申立書の送付先 受理までの流れ 申立に依らない情報削除 2. はてなによる調査 3. ...

削除までの流れは次のとおりです。

  • 被害者が削除の申し立てをする
  • 株式会社はてなが申し立て内容に不備がないか確認し、不備がなければ受理する
  • 株式会社はてなが侵害されたとする情報について調査する
  • 調査結果に基づき、削除などの対処を行う

被害者による削除の申し立ては、文書の送付、メール、ファックスで行います。連絡先は上記の「はてな情報削除の流れ」のページに明記されています。

申し立てをするには、被害者は次の内容を明示しなければなりません。

  • 住所
  • 氏名
  • 連絡先
  • 該当箇所の情報(掲載されているURL/掲載されている情報/侵害されたとする権利/権利が侵害されたとする理由)
  • 著作権侵害の場合以下の各情報(申立者が著作権者、あるいはその代理人である事が確認できる資料/権利侵害の確認可能な方法/著作権等の保護期間が経過していることを窺わせる事情が存在する場合は、保護期間内である事を裏付ける証拠/申立者が発信者に対して権利許諾をしていない旨の記述)
  • 送信防止措置を希望する意思表示
  • 発信者への氏名開示の可否
  • 申立内容の公開の可否

個人情報をすべて明かすことが求められていますし、「侵害されている情報についての各情報」や「著作権侵害の場合以下の各情報」の記述内容は、かなりのボリュームになります。

しかも、申し立て内容に不備があれば、株式会社はてなは被害者側に、あらためて申し立てをするよう求め、その求めから7日以内に再度の申し立てがなければ、株式会社はてなは損害賠償請求を負わない、としています。

こうした手続きをクリアできても、株式会社はてなが問題があるブログ記事を削除するのは、 不当な権利侵害が行われたと信じるに足りる相当の理由があった場合 か、はてな利用規約に違反すると判断した場合 だけです。いずれも同社の判断によって決まるので、 確実に削除される保証はない と言わざるを得ません。

4-2.早期の削除には弁護士の力を借りよう

はてなブログの誹謗中傷記事による被害を最小限にとどめるためにも、そしてより確実に削除を求めるためにも、弁護士の力を借りることは有効です。

インターネットの権利関係に強い弁護士であれば、株式会社はてなに対し、法的根拠を整理して削除を申し入れることができます。 弁護士はブログ運営会社が対応すべきことを熟知しているので、それを株式会社はてなに求めることができます。

弁護士が法的根拠を整理して申し入れることで、運営側に被害状況をより正確に伝えられます。

ブログの虚偽や事実無根の記事は閲覧者が増えるほど、信頼性が増し、拡散が進むと、信用の低下や風評被害が拡大するおそれがあります。

被害が広がる前に、早めに弁護士へ相談することが大切です。

はてなの削除手続きは申し立ての記載事項が多く、不備があれば再提出を求められ、削除するかどうかは最終的に同社の判断に委ねられます。手続きに時間を使う前に、その記事が削除を求められる内容かどうかを確認しておくと、進め方の迷いが減ります。記事のURLをお手元に、状況をお聞かせください。

秘密厳守。煩雑な手続きを一人で抱える必要はありません。

よくある質問(FAQ)

はてなブログの記事は自分で削除依頼できますか?

株式会社はてなの「情報削除の流れ」に沿って、文書・メール・ファックスで削除を申し立てられます。申立者の住所・氏名・連絡先や権利侵害の理由などを詳しく記載する必要があり、不備があると再申し立てを求められます。

はてなブログの削除にはどのくらいかかりますか?

申し立て・審査・調査・対処の工程を経るため時間がかかり、はてなが「権利侵害を信じるに足りる相当の理由がある」または利用規約違反と判断した場合に削除されます。確実に削除される保証はないため、急ぐ場合は弁護士への相談が有効です。

はてなブログに逮捕歴や実名報道の記事が転載された場合も削除できますか?

過去の逮捕歴・実名報道がブログに転載された場合も、プライバシー権・名誉権の侵害として削除を求められることがあります。いわゆるデジタルタトゥーの問題として、弁護士にご相談ください。

投稿者を特定することはできますか?

発信者情報開示請求により投稿者を特定し、損害賠償を請求できる可能性があります。通信記録(ログ)には保存期間があるため、早めの対応が必要です。

野口 明男 弁護士

監修者

野口 明男(代表弁護士)

開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。