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忘れられる権利
忘れられる権利とは、ネット上の前科情報やプライバシー情報、誹謗中傷などの不利益情報を削除させることのできる権利です。日本では法的に保障されているとまではいえない状態ですが「プライバシー権」や「名誉権」の一環として保護されるケースがあります。
ネット上では、いったん投稿が行われたり記事が公開されたりすると、基本的に消されずにずっと残ります。たとえば前科情報を掲載した実名報道のニュースが公開されると、事件から何年経過してもその記事がネット上に残ったままで、本人は就職差別などの不利益を受け続けます。そこで一定以上の期間が経過すれば、本人の申立により情報を削除できるようにすべきではないかという考えから、忘れられる権利が提唱されるようになりました。
欧州では「EU一般データ保護規則案」の17条に忘れられる権利が盛り込まれており、法的に保障されています。スペインやフランスでは、過去の債務に関するリンク(Google検索結果)やヌード写真などを「忘れられる権利」を理由に削除する裁判例も出ています。
日本では「忘れられる権利」が法的な保障を受けるわけではありませんが、プライバシー権や肖像権、名誉権を侵害する投稿については削除が認められます。一方で前科情報の削除については厳しく判断される傾向があります。
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