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名誉毀損に該当するネット書き込みと削除方法

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名誉毀損に該当するネット書き込みと削除方法

近年はTwitterやFacebookなどのSNSやブログ、掲示板などのように、インターネット上のコミュニケーションツールが誰でも手軽に使えるようになりました。そして残念なことに、そのようなツールの書き込みの中には、特定の個人や団体の名誉毀損にあたるようなものも散見されます。今回は、インターネット上の書き込みが名誉毀損にあたるケースと書き込みの削除方法について解説します。

インターネットで横行する誹謗中傷の書き込み

インターネット上で誰かに自分や自分のお店・会社の悪口を書き込まれると、たちまち拡散され、広く世の中に知れ渡ります。そうすると、社会的にさまざまな不利益を被る可能性が非常に高くなります。

誹謗中傷の書き込みにはどんなものがあるのか?

SNSや掲示板などでは、匿名でも使える手軽さからか、特定の個人や法人を攻撃したり誹謗中傷したりするような書き込みがされることも少なくありません。例として、以下のような書き込みが誹謗中傷にあたります。

  • 「Aは前科者だ」
  • 「○○社の営業部のBは経理部のCと不倫している」
  • 「△△にあるラーメン屋Dの厨房でネズミが走り回っていたのを見た」

たとえ「ちょっと相手を困らせたかった」だけであっても、このような書き込みをすることは、その人の社会的評価を貶めることにつながります。

風評被害が広がると社会的不利益を被ることもある

一度インターネットに載せられた誹謗中傷の書き込みは、またたく間に世界中に広がります。そうすると、たとえその情報が根も葉もないデマであっても、誹謗中傷の対象となる個人・法人の社会的な信用を失墜させることになります。個人であれば、結婚や就職・転職などのライフイベントの際に差しさわりが出てきたり、法人であれば売上が落ちたり、取引先と取引が停止になったり、最悪の場合倒産する可能性も考えられるでしょう。

書き込みが名誉毀損にあたるかどうかの判断基準

他人の社会的信用をおとしめる書き込みは名誉毀損に当たる可能性がありますが、具体的にどのような書き込みが名誉毀損にあたるのでしょうか。ここでは、名誉毀損にあたるケースとあたらないケースを比較してみたいと思います。

名誉毀損とは

そもそも名誉毀損とはどのような行為なのでしょうか。名誉毀損とは、公然の場で具体的な事実を摘示しながら人の名誉を傷つける行為のことを指します。ここでいう「事実」とは、真実かどうかに関係ありません。たとえ書き込み内容が事実無根で噂に過ぎない場合や投稿者の誤解、嘘デタラメの場合でも、誹謗中傷された対象者の名誉を傷つけ、社会的評価を低下させた場合は名誉毀損となるのです。

公然とは

「公然」とは、あるものを不特定多数の人の目や耳にさらすことです。たとえば、多くの人が行き交う駅前や広場でポスターや掲示板を設置したり、拡声器を使って発言したりすることがこれに当てはまります。また、インターネット上の掲示板やSNSなど、誰にでも見られるサイトも該当します。

具体的な事実の摘示とは

「具体的な事実の摘示」とは、具体的な事実を取り上げて言うことです。たとえば、「○○は逮捕歴がある」「○○は被差別部落の出身だ」「○○はゲイ(またはレズビアン)だ」「○○は風俗で働いている」などがこれにあたります。ただし、先述のとおり「具体的な事実」は真実である必要はなく、虚偽の事実の摘示でも名誉毀損罪が成立することに注意が必要です。

プライバシー侵害と名誉毀損の違い

プライバシーの侵害は、名誉毀損と同じように、公然の場で社会的評価を下げるような事実を不特定多数の人にさらされることを指します。プライバシー侵害の場合、個人情報や誰にも知られたくないプライバシーに関する情報が公開されてしまうことが要件に含まれます。先ほどの例でいうと、「被差別部落の出身」「ゲイ(レズビアン)」という内容は、名誉毀損だけでなくプライバシー侵害にもあたります。名誉毀損は民事上だけでなく刑事上の責任も問われる可能性があるのに対し、プライバシー侵害で問われるのは民事上の責任のみという違いがあります。

名誉毀損が成立するケース

たとえば、インターネット掲示板やSNSで「○○氏は△△スーパーで万引きして逮捕されたことがある」など、他人をおとしめる内容の書き込みをすれば、名誉毀損にあたります。また、他人になりすまして、勝手に他人の写真や連絡先などをあげて「連絡待っています」などと書き込むことも、名誉毀損になります。さらに、他人の名誉を傷つけるような書き込みをブログに転載したりSNSのタイムラインでシェアしたりすることも、名誉毀損にあたる可能性がありますので、注意しましょう。

ペンネームやハンドルネーム、源氏名でも名誉毀損にあたる

相手の本名ではなくペンネームやハンドルネーム、源氏名(水商売のお店の中で使う名前)をあげてインターネット上で誹謗中傷するケースも散見されます。この場合、対象となる人物が特定できなければ名誉毀損になる可能性は低くなりますが、たとえば有名なインフルエンサーのペンネームを取り上げて匿名掲示板に悪口を書き込むなど、明らかに対象者が誰かわかる(同定可能性がある)場合は、名誉毀損が成立します。

イニシャルや伏字でも名誉毀損にあたるのか

イニシャルや伏字で他人の悪口をネット上に書けば名誉毀損にあたらないかといえば、そうとも限りません。たとえば、「東京都中央区にあるフレンチレストランN」という表記にした場合、東京都中央区にNから始まるフレンチのお店が1つしかなければ、そのお店であることが特定されるので、同定可能性が高くなり名誉毀損が成立します。

過去に、「d党議員団の幹事長で中野区議会議員のCが性風俗のお店で買春をした」とインターネット上に書き込まれたという事件がありました。この事件ではイニシャルで名指しされたこの議員がd党議員団の幹事長であることが相当数の不特定者に知れ渡っているため、裁判所は「普通の読み手にとって容易に特定しうる」と判断しました(東京地裁平成20年10月27日判決)。

名誉毀損にあたらないケース

公然と事実を摘示しながら他人の評価をおとしめるような書き込みをした場合でも、名誉毀損が成立しないケースがあります。それは、「事実の公共性」「目的の公益性」「内容の真実性」の3つの要件を満たす場合です。

事実の公共性とは

「事実の公共性」とは、摘示された事実が公共の利害にかかわる場合のことを指します。たとえば、「大手上場企業Xが粉飾決算をした」「有名大手企業Yの社長が大麻や覚せい剤を所持している」などの内容は、それがもし事実であれば、社員やその家族、取引先、取引銀行、株主などその企業を取り巻くステークホルダーに広く損害をもたらす可能性があるため、公共性があると考えられます。

目的の公益性とは

「目的の公共性」とは、書き込みをした目的が公益を図るためである場合のことです。たとえば誰かが「ある政治家Zが○○会社の役員から賄賂を受け取った」と書き込んだ場合、その目的が選挙のとき有権者に公正に投票先を判断してもらうことにあるのであれば、名誉毀損は成立しないとされています。このように、公務員や公職にある者に関する書き込みは、それが事実であれば違法性がなくなると考えられています。

内容の真実性とは

「内容の真実性」とは、書き込み内容が正しいことを指します。政治家や政府要人の贈収賄や不倫疑惑といった週刊誌に載るようなゴシップやスキャンダルでも、その内容に公共性や公共性があり、真実であると認められれば、書き込まれた本人にとってどんなに不名誉なことでも名誉毀損は成立しません。

名誉毀損はどのような法的責任に問われるのか

名誉毀損は、刑事上・民事上、両方の責任を問われる可能性があります。その場合、どのような責任を負うことになるのでしょうか。

名誉毀損は刑法上の罪になる

刑法には、「名誉毀損罪」という罪名があります。もし書き込み内容が名誉毀損罪に該当する場合は、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

過去には、あるラーメンチェーン店を運営する甲野食品を名指しで「インチキFC甲野粉砕」「貴方が『甲野』で食事をすると、飲食代の4~5%がカルト集団の収入に」などと書き込んだ事件がありました。この事件では第1審は無罪となったものの、第2審では名誉毀損が成立し、30万円の罰金に処すとの判決が下り、次の最高裁でも第2審の判断を支持し、罰金刑が確定しました。(最小判平成22年3月15日 判時2075号160頁、判タ1321号93頁)

ただし、名誉毀損罪は親告罪なので、被害者が刑事告訴をしない限り、書き込みをした投稿者が罰せられることはないでしょう。

慰謝料や損害賠償など民事上の責任を問われることも

また、名誉毀損は民法上の「不法行為」にあたり、慰謝料や損害賠償を請求することができます。書き込んだ投稿者がわからない場合は、まず書き込み内容を保存(証拠保全)した上で、発信者情報を調査して投稿者を特定し、そこから慰謝料もしくは損害賠償請求をすることになります。具体的に慰謝料や損害賠償でいくらもらえる可能性があるのかについては、個々のケースで異なりますので、弁護士に一度相談されることをおすすめします。

名誉毀損にも時効がある

名誉毀損には時効期間がありますので注意が必要です。

<刑事告訴できる期間>

名誉毀損罪で相手方を刑事告訴できるのは、投稿者が特定できてから6ヶ月以内です。誹謗中傷の書き込みを発見した時点では投稿者が誰かわからなくても、発信者情報開示請求をするなどして投稿者が特定できるまではカウントされません。

<慰謝料・損害賠償請求ができる期間>

名誉毀損を理由として慰謝料や損害賠償請求をする場合は、以下の期間のうち、いずれか早いほうが時効期間となります。
  • 損害と加害者(投稿者)の存在を知ってから3年
  • 不法行為(誹謗中傷の書き込み)が発生してから20年

名誉毀損罪と混同しやすいその他の犯罪

名誉毀損罪とよく似た犯罪に、侮辱罪・信用毀損罪・偽計業務妨害罪があります。名誉毀損とこの3つの犯罪は混同しやすいので、どのような違いあるのかについて、おさえておきましょう。

侮辱罪

侮辱罪は、他人をおとしめる行為に対する罪のことを指し、拘留または科料に処せられる可能性があります。

名誉毀損罪と侮辱罪はともに他人をおとしめる行為である点は共通していますが、前者は具体的な事実を摘示するのに対し、後者は「うそつき」「不潔だ」などのように具体的な事実を摘示しないことに違いがあります。

信用毀損罪

信用毀損罪とは、虚偽の情報を流すことで他人の信用をなくしてしまう行為のことを指します。名誉毀損は摘示した事実が真実であるかどうかを問いませんが、信用毀損罪は虚偽の事実であることが必要です。

また、ここでいう「信用」とは、支払能力や資力から商品・サービスの品質まで含む「経済的な信用」を意味します。例えば、飲食店の口コミサイトに「レストラン○○では消費期限を過ぎた食材を使用している」というレビューを書き込んだ場合、この信用毀損罪に問われる可能性があります。このように、信用毀損の対象は企業や団体になることが多いのですが、個人が対象になることもありえます。

偽計業務妨害罪

偽計業務妨害罪とは、虚偽の情報を流すことで人の判断を誤らせ、営業妨害することを指します。ここでいう「業務」とは、会社やお店の業務のみならず、NPOやボランティア団体の非営利目的の活動も含みます。たとえば、ある消費者がSNSに「○○社の製品は品質がとても低いので買わない方がいい」と書き込んだ場合に、偽計業務妨害罪が成立する可能性があります。

先ほどの信用毀損罪は嘘の情報を流すだけで成立しますが、偽計業務妨害罪は嘘の情報が流された結果、業務に支障が出たり評判が落ちて売上が著しく下がったりした場合に成立するという違いがあります。

ここまでは、名誉毀損が成立するかの基準と法的責任についての説明となります。
ここからは、ネット上の名誉毀損書き込みでお困りの方が、書き込みの削除を進める方法を解説します。

弁護士が名誉毀損の書き込みについて削除請求する方法

もしインターネット上で自分を誹謗中傷する書き込みを見つけたら、IT及びWEB関係で経験豊富な弁護士に相談しましょう。弁護士であれば、次のような方法で削除請求ができます。

書き込んだ本人に削除請求する

まず、書き込んだ本人がわかっていれば、その本人に対してメールもしくは専用のフォームから書き込みの削除を依頼します。ただし、掲示板や口コミサイトなどの場合は、書き込んだ本人でも削除できない場合があります。また、書き込んだ本人に直接削除請求をすることでかえって逆恨みをされたり炎上したりして、逆効果になってしまうこともありますので、注意が必要です。

運営会社や管理者に削除請求する

書き込んだ本人に削除を請求しても応じてもらえない場合や、本人に削除ができない場合は、SNSやブログ、掲示板の運営会社や管理者に削除請求をする方法があります。まず、各ウェブサイトのガイドラインや利用規約に削除方針が記載されているので、書き込み内容がその削除方針にあてはまるかどうか確認しましょう。その方針に当てはまっていれば、削除してもらえる可能性が高くなります。

裁判所で仮処分を申し立てる

書き込んだ本人にも運営会社にも削除してもらえない場合は、書き込まれた内容がインターネット上に拡散されたままになってしまいます。そこで、法的手段として裁判所に投稿の削除を求めて仮処分命令の申し立てを行う方法があります。

申立てには侵害されている権利(被保全権利)と権利侵害を受けている事実(保全の必要性)を証明すること、担保金(10~50万円程度)を支払うことが必要です。その後裁判所が仮処分命令を発令します。この時点で書き込みをした本人が削除に応じることが多いのですが、それでも削除に応じない場合は、強制執行を行います。裁判所に執行の申立てをすると、相手が削除に応じるまで裁判所が定める金額を相手方に支払わせることができるようになります。そうすることで、相手方に早急に削除を促すことができます。

インターネット上の誹謗中傷でお困りの方はご相談ください

インターネット上で自分や会社を誹謗中傷する書き込みを見つけたら、削除する事を検討しましょう。ただちに削除しなければより多くの人の目に触れてしまい被害が拡大します。誹謗中傷に関する書き込みの削除は一刻を争うと言っても過言ではないため、そのような投稿を見つけたらすみやかにIT問題の経験豊富な法律事務所に相談しましょう。

インターネット上の誹謗中傷でお困りの場合は、当事務所までお気軽にご相談ください。

ネット中傷の削除を得意とする弁護士法人アークレスト法律事務所に、記事や書き込みの削除はおまかせください。

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代表弁護士 野口 明男

代表弁護士

  • 代表弁護士 野口 明男
  • 野口 明男

    東京都出身
    京都大学工学部卒

旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。

メディア掲載実績

雑誌掲載

朝日新聞出版
『週刊エコノミスト』
2019年2月19日号

雑誌掲載

ダイヤモンド社出版
『週刊ダイヤモンド』
2019年2月9日号

雑誌掲載

朝日新聞出版
『AERA (アエラ) 』
2019年3月4日号

テレビ出演

フジテレビ系列「めざましテレビ」2018年12月14日放送で、ネット犯罪に詳しい弁護士として野口明男がインタビューに応じました。

弁護士法人アークレスト法律事務所では、代表弁護士の野口明男を含め合計2名の弁護士が所属しております。
記事削除・投稿者特定・訴訟など、それぞれが得意とする分野を活かして、お悩みの解決に取り組ませて頂いております。

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