転職サイトの誹謗中傷・書き込み削除

運営会社では対応不可?転職会議の口コミを削除する2つの方法

2021.10.26
運営会社では対応不可?転職会議の口コミを削除する2つの方法

転職が普通のことになりつつある今、転職口コミサイトの評価を見て転職活動を行う人が増えています。その中でもリアルな意見が多いと人気なのが転職会議です。しかし、「長時間残業が当たり前」「パワハラが横行している」といった不当な口コミを投稿されて悩んでいる採用担当者さんもいることでしょう。転職会議の口コミは他のサイトと比べて削除が難しいことで知られていますが、本記事では転職会議に書き込まれた不当な口コミの削除方法を具体的に解説していきます。

転職会議では口コミの削除を受け付けていない

転職会議では口コミの削除を受け付けていない

転職会議に投稿された口コミは、内容がネガティブなものであっても簡単には削除ができません。転職会議を運営するリブセンスの「批判的な情報であっても、転職の判断には重要」であるという運営方針に従い、転職会議は口コミの削除を基本的に受け付けていないためです。投稿者からであっても、被害者になった企業側からであっても削除依頼は受け付けていません。この点については、転職会議の口コミ投稿ガイドラインでも明確にされています。

転職会議では、口コミ投稿後の削除は受け付けていません。
また、ユーザー様が転職会議を退会した後も、口コミの削除は行っていませんので予めご理解の程よろしくお願いいたします。

引用元:転職会議 口コミ投稿ガイドライン
https://info.jobtalk.jp/policy/guideline

本人による再編集は対応可能

このように、削除については厳しい態度でのぞんでいる転職会議ですが、口コミ投稿者本人からの再編集依頼には対応しています。口コミ投稿者本人が再編集を行う場合は、お問い合わせフォームから再編集内容を転職会議へ送ることで可能となっています。一方、被害者からの問い合わせに対しては、転職会議の対応を期待することはできない状況です。

被害者側が口コミを削除する場合は法的手段が必要

そうなると、企業側は事実に反するネガティブな口コミを投稿されても、その投稿を削除することはできないのでしょうか?運営会社であるリブセンスから任意に対応してもらえない場合は、削除申し立ての裁判手続きが必要になってきます。裁判所が削除命令を出せば、ほとんどの場合、リブセンス側も削除に応じているようです。

転職会議(リブセンス)が口コミ削除に応じていない理由

転職会議(リブセンス)が口コミ削除に応じていない理由

それでは、なぜ転職会議はそこまで頑なに口コミの削除を拒否するのでしょうか。それは、転職口コミサイトが転職希望者への多角的な視点での情報提供を目的としているからだと転職会議は説明します。

もし、ネガティブな口コミを削除してしまうと、その目的を果たせず、転職口コミサイトとしての価値が下がることを転職会議は危惧しているのです。また、企業にとって都合の悪い書き込みを簡単に削除できるとなると、転職希望者は「この企業は、自社とって都合が悪いことを隠しているのでは?」と考え、悪印象を持ってしまいます。これは企業にとってはイメージダウンとなってしまうでしょう。

転職会議の口コミを削除する2つの方法

転職会議の口コミを削除する2つの方法

そうは言っても、投稿された口コミがプライバシー権や名誉権を侵害しているなど、権利侵害が明らかな場合には削除できないのは問題です。このような時には、法的手続きをとることで当該口コミを削除することができます。以下、その方法を解説します。

裁判所を通じた法的な削除申請(送信防止措置仮処分)

リブセンスに口コミ削除を依頼しても、それに応じてもらえない場合に考えられるのが裁判所を通じた削除です。この場合、リブセンスを相手方として、裁判所に「送信防止措置」の仮処分を申し立てることになります。

1.口コミの内容を確認

口コミの内容が権利を侵害しているかどうかを確認します。ネット上での誹謗中傷においてよく見られるのが名誉毀損だと思われますが、口コミの内容が名誉毀損に該当している上、以下の条件に「該当していない」ことを確認しておきましょう。

  • 公的な利害が絡んでいる
  • 公的な利益を守ることを意図して投稿された
  • 口コミの内容が真実である

名誉毀損に「該当して」いて、3つの条件に「該当していない」ことが確認できたら、仮処分命令の申し立てへと進みます。

2.裁判所に対して仮処分命令の申し立て

口コミ内容が仮処分の申し立て条件に該当していることが確認できたら、裁判所に対して仮処分命令の申し立てを行います。申し立ての際に提出することになるのが、仮処分の申立書と証拠です。証拠というのは、具体的には「侵害があったことが分かる投稿のURL」や「その内容が分かるスクリーンショットやプリントアウトした用紙」等になります。

3.裁判所での審尋

仮処分の申し立てが終わると、裁判所での審尋に進みます。審尋とは、裁判官と面談し、文書や口頭で事実関係を説明したり、裁判官からの質問に答えたりする手続きのことです。公開法廷の場合と異なり、債権者と債務者が別々に面談するのが一般的ですが、債権者・債務者双方の意見や主張を述べる機会があることに変わりありません。この審尋の中で、証拠などが不足していると裁判官が判断すれば、証拠の追加提出を求められることがあります。

4.法務局への立担保

審尋の結果、仮処分の必要があると裁判所が判断した場合、法務局へ担保金を供託しなくてはいけません。仮処分は通常の裁判とは違い短い期間で判断を出すもののため、後に通常の訴訟が提起されれば、判断がくつがえる可能性があります。このような可能性を想定して、本訴訟で敗訴した場合の賠償金額の担保を預けます。供託金額の相場はおよそ10万円から50万円です。なお、この供託金は後日、手続きを行えば返還してもらえます。

5.仮処分命令の発令

担保金を納付期限までに供託し、供託書のコピーを提出すると、裁判所から当該書き込みを削除するように仮処分命令が発令されることになります。仮処分の申し立てから命令が発令されるまでの期間は、1~2ヶ月程度です。命令を受けた相手側(リブセント)に不服がなければ、書き込みが削除されます。

投稿者を特定して本人に修正・削除させる

転職会議に書き込まれた口コミに対しては、削除依頼だけではなく投稿者を特定して、本人に修正をさせることもできます。また、損害を被った場合には、損害賠償請求や刑事責任の追及をすることも可能です。そのためには、まず裁判所を通じて「発信者情報開示請求」を行い、投稿者の住所や氏名、メールアドレスを特定する必要があります。投稿者を特定する手順を解説します。

1.リブセンスへのログ開示請求

投稿者を特定するためには投稿者がどこからサイトにアクセスしたかの情報が必要です。それには、まず転職会議を運営しているリブセンスに対して、当該口コミを書き込んだ投稿者のIPアドレスやログの開示を請求していきます。

請求方法は、メールや書面、問い合わせフォームなどを使用します。ただし多くの場合、個人情報保護の観点から開示を拒否されてしまうでしょう。そのような時は、裁判所に発信者情報開示の仮処分を申請することになります。

2.プロバイダの特定

リブセンスが発信者情報の開示に任意で応じるか、裁判所による仮処分を受けて開示した場合、そのIPアドレスから当該口コミを投稿した人が使用したプロバイダを特定します。「IP SEARCH」などのサイトを利用すれば、プロバイダはすぐに特定できるでしょう。

3.プロバイダへの発信者情報開示請求

プロバイダが特定できたら、次にそのプロバイダに対して投稿の際に利用していた契約者の住所や氏名を開示するよう請求します。残念ながら、この場合も、プロバイダは個人情報保護の観点から開示を拒否してくる可能性が高く、実際、ほとんどの場合は拒否しているようです。プロバイダが拒否した場合は、裁判所に情報開示の訴訟を提起して、強制的に情報を開示してもらうことになります。

4.投稿者に対する損害賠償請求・刑事告訴

情報開示を受けて、投稿者を特定できたら最終段階です。不法行為の責任を追及して、損害賠償を請求することも、名誉毀損等の刑事事件として責任を追及するために告訴することもできます。

ほかにも、民事・刑事の責任を追及せずに、当該口コミを投稿者本人に修正や削除させることや示談を行うことも、もちろん可能です。

転職会議の口コミを削除するなら弁護士へ相談を

転職会議の口コミを削除するなら弁護士へ相談を

以上のような手続きを踏むことで、転職会議のサイト上に投稿された悪質な書き込みは削除することが可能です。しかし、お読みいただいたとおり、開示請求等に任意に応じてもらえなかった場合、仮処分の申し立てなどの法的手段をとることになります。そのような場合には、法律の知識が必要となります。転職会議のサイト上の口コミで権利侵害を受けた場合は、すぐに弁護士に相談する方が良いでしょう。弁護士に任せることで、手続きのわずらわしさからも解放されます。

弁護士法人アークレスト法律事務所では、これまでネット上のトラブル解決に鋭意取り組んできました。様々なケースに応じて適切で迅速な対応をご提案することが可能です。ネット上に書き込まれた悪質な書き込みや誹謗中傷にお困りの方はぜひともお気軽にご相談ください。

野口 明男 弁護士

監修者

野口 明男(代表弁護士)

開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。