悪徳業者から被害に遭ったら?具体的な対処法や相談窓口を解説
【弁護士監修】ホスラブ(ホストラブ)の書き込みを削除依頼【悪口や誹謗中傷を削除する方法を解説】
2020.03.03ホスラブ(ホストラブ)とはナイトワークの話題について情報交換をするための掲示板です。匿名で投稿できるのをいいことに、特定のお店や個人の名前を出してあることないことを書かれて、悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、ホスラブ(ホストラブ)で起こりうる誹謗中傷などの被害状況と、削除をはじめとする解決方法について解説をしていきます。
目次
- 1.ホスラブ(ホストラブ)の特徴
- 2.ホスラブ(ホストラブ)で悪口を書き込まれたら削除請求ができる
- 3.自分で削除依頼フォームを使ってホスラブ(ホストラブ)に削除を依頼する方法
- 4.自分でホスラブ(ホストラブ)に削除依頼をするときの5つの注意点
- 5.弁護士を通じてホスラブ(ホストラブ)に削除依頼する方法
- 6.弁護士にホスラブ(ホストラブ)の投稿削除を依頼するメリット・デメリット
- 7.ホスラブ(ホストラブ)の書き込み削除をしたいときの弁護士の選び方
- 8.ホスラブ(ホストラブ)削除費用の相場と弁護士法人アークレストの弁護士費用
- 9.ホスラブ(ホストラブ)の書き込み削除は弁護士法人アークレスト法律事務所にご相談ください
目次
- 1 1.ホスラブ(ホストラブ)の特徴
- 2 2.ホスラブ(ホストラブ)で悪口を書き込まれたら削除請求ができる
- 3 3.自分で削除依頼フォームを使ってホスラブ(ホストラブ)に削除を依頼する方法
- 4 4.自分でホスラブ(ホストラブ)に削除依頼をするときの5つの注意点
- 5 5.弁護士を通じてホスラブ(ホストラブ)に削除依頼する方法
- 6 6.弁護士にホスラブ(ホストラブ)の投稿削除を依頼するメリット・デメリット
- 7 7.ホスラブ(ホストラブ)の書き込み削除をしたいときの弁護士の選び方
- 8 8.ホスラブ(ホストラブ)削除費用の相場と弁護士法人アークレスト法律事務所の弁護士費用
- 9 9.ホスラブ(ホストラブ)の書き込み削除は弁護士法人アークレスト法律事務所にご相談ください
1.ホスラブ(ホストラブ)の特徴
ホスラブ(ホストラブ)とは、月間利用者数が200万人を超える、日本最大級の匿名掲示板の一つです。2001年にスタートした当初はホストクラブ関連を話題の中心とする掲示板だったものの、現在ではキャバクラ・ガールズバー・風俗をはじめとするナイトワーク全般に話題の範囲が広がっています。
1-1. ホスラブ(ホストラブ)とは
ホスラブ(ホストラブ)では、スレッドが関東版・北海道版・東北版・東海版・北陸/信越版・関西版・中国地方版・四国版・九州版・沖縄版と、エリアごとに分けられているのがその特徴です。上記エリアはさらに都道府県別に分かれているので、そこで話題とされているお店や働くホスト・ホステスが特定されやすくなっています。
1-2. 会員登録せずに書き込みができる
ホスラブ(ホストラブ)には会員登録をせずに書き込みが出来る、匿名性が高い掲示板です。その匿名性ゆえに、言いたいことを遠慮なく言えるので、特定の個人やお店が誹謗中傷されたり根も葉もないデマを書き込まれるなどの被害が増えています。
ホスラブ(ホストラブ)のような有名なインターネット掲示板が誹謗中傷や悪口の温床になると、お店や個人にも風評被害が広がり、お客さんがつかなくなったり、常連さんが離れていってしまい、お店の売上が落ちたりするかもしれません。また、そこで働くホスト(ホステス)自身が指名がかからなくなり収入が下がるなどの影響を及ぼすケースもあるでしょう。
2.ホスラブ(ホストラブ)で悪口を書き込まれたら削除請求ができる
ホスラブ(ホストラブ)では、特定のお店や個人に対する誹謗中傷や風評被害につながりかねない書き込みが数多く見られますが、そのような書き込みは削除請求することができます。 具体的に、どのような書き込みが削除請求できるのでしょうか。
2-1.名誉毀損にあたる悪口や誹謗中傷の書き込み
具体的な事実を述べながら公の場で相手の社会的評価をおとしめることは名誉毀損にあたります。たとえば、
- 「ホステスAは枕営業で誰とでも寝る」
- 「ホストBは虚言癖があって、Bが〇〇と言っていたのは嘘」
- 「ホステスCはクスリをやっていて警察にも目をつけられている」
などの書き込みは、お店で働くホスト・ホステスの社会的評価をおとしめるものなので、刑法上の名誉毀損罪が成立します。また、名誉毀損は民法の不法行為にもあたるため、民事上の責任も問われることがあります。ただし、書き込み内容が真実の場合は、内容により、違法性が阻却されることがあります。
2-2.プライバシーを侵害する書き込み
本名・住所・電話番号・家族構成などの個人情報や、整形歴・離婚歴・逮捕歴など他人に知られたくない過去を暴露したり、私生活上の写真や動画をアップしたりすることはプライバシーの侵害にあたります。たとえば、
- 「ホストDは背中に刺青が入っている」
- 「ホステスEは地元の〇〇中学出身で、今は〇〇町に住んでいる」
- 「ホステスFは母親が〇〇人、父親が日本人のハーフ」
といった書き込みはプライバシー侵害となります。「プライバシー侵害罪」といった犯罪は刑法に存在しないため、プライバシー侵害を犯したからといって刑事罰を受けることはありません。しかし、損害賠償や慰謝料を請求されるなど民事上の責任に問われる可能性はあります。
2-3.営業妨害につながる書き込み
ホスト・ホステスだけでなく、お店に対する悪評が書き込まれることで営業妨害につながることもあります。
- 「ガールズバーGはワキガ率が高い」
- 「ホストクラブHはホストが暴力をふるう」
- 「キャバクラIはスタッフの顔面偏差値が低い」
これらの書き込みによって風評被害が広がり、客足が減って売上が落ちたり、仕入れ先から取引を打ち切られたりすることもあるでしょう。そうなると、刑法上の業務妨害罪が成立することがあります。
2-4. リベンジポルノや肖像権を侵害する書き込み
勝手に撮影したであろうホスト・ホステスの写真が、お店のスレッドにアップされているのが散見されます。この写真をインターネット掲示板に勝手にアップするだけでなく、許可なく撮影すること自体、撮影された場所やシチュエーションによっては肖像権の侵害になることがあります。
また、客がお気に入りのホスト・ホステスに恋愛感情を抱いたもののふられた場合に、ホスト・ホステスと自分が裸で一緒に写っているような写真などを腹いせにアップしてしまうケースもあります。これは「リベンジポルノ」といってリベンジポルノ防止法違反として刑事罰の対象となるだけでなく、名誉権の侵害やプライバシー侵害にもあたります。
2-5. 著作権・著作者人格権を侵害する書き込み
文章や絵画、写真など人の創作により生み出された創作性あるものは、著作権法上の「著作物」として著作権や著作者人格権が保護されます。
著作権には、複製権や公衆送信権(ネット上などに文章や写真をアップする権利)、上映権、上演権などがあります。著作者人格権には、公表権(作品などを公表する権利)・氏名表示権(著作者の氏名を表示するかどうか、また公表時に名前を実名で表示するかどうかを決める権利)・同一性保持権(著作物の改変を禁止できる権利)の3つがあります。
発信者情報開示請求の案件ですが、ホスラブ(ホストラブ)の書き込みでも、著作権・著作者人格権をめぐり、著作者とプロバイダが争った裁判例があります。
X(原告)が「ワクワクメール」というサイトの日記にスマートフォンで撮影した2つの写真をアップしたところ、それらの写真が何者かによってホストラブのスレッドに転載された事件がありました。原告は、片方の写真は許諾なく投稿されたため原告の複製権と公衆送信権を侵害され、もう一方の写真は投稿者が自ら赤字で丸印や矢印をつけてアップしたので、同一性保持権を侵害されたと主張。被告は否認しましたが、裁判所は原告の主張を認め発信者情報開示命令を下したのです。(東京地裁平成29年5月17日判決)
3.自分で削除依頼フォームを使ってホスラブ(ホストラブ)に削除を依頼する方法
ホスラブ(ホストラブ)の書き込みは、弁護士に依頼して削除してもらうほうがよいものの、自分でもホスラブ(ホストラブ)の運営元に削除依頼をすることが可能です。ここでは、自分で削除依頼をする方法を紹介します。
3-1.ホスラブ(ホストラブ)の利用規約に違反する書き込みかどうかを確認
まず削除したい書き込みが、ホスラブ(ホストラブ)の利用規約に違反しているか確認しましょう。利用規約で禁じられている書き込みは以下のようなものです。
- 第三者の知的財産権を侵害する書き込み
- 残虐な写真など他人に著しい嫌悪感を抱かせる情報
- 児童ポルノ法の規制対象になる書き込み
- ウソや誤解を与える書き込み
- 差別につながる書き込みや倫理上問題のある書き込み
- 第三者の個人情報を無断で開示する書き込み
- 第三者を誹謗中傷・名誉毀損する書き込みや他人に不利益・不快感を与える書き込み
- 自分以外の人物を名乗る書き込み
など
3-2.ホスラブ(ホストラブ)の削除依頼ガイドラインで禁止された内容かどうかを確認する
次に、書き込み内容がホスラブ(ホストラブ)で定められた削除依頼ガイドラインで禁止された内容であるか確認します。削除してもらえる内容は以下のとおりです。
- 個人名・住所・所属
- 公益性などがなく、誹謗中傷の相手について周りのユーザーが特定しやすくすることが目的の書き込みであれば削除の対象となります。ただし、すでに公開されているものや情報価値のあるもの、公益性があるものは削除されません。
- 電話番号
- 一部伏字になっていても、すべて削除の対象です。ただし、投稿者自身が公開したと投稿内容自体から判断できるものやリンク先で確認できるものなどは対象外となります。
- メールアドレス・ホスト情報
- あおり・悪意があることが明らかで、個人の攻撃や人目にさらすことを目的としているものは削除の対象となります。
- 誹謗中傷
- 個人(有名人を除く)を特定する情報を伴う書き込みは削除対象ですが、公益性があるものや(ある事象に対しての)関係者・被害者による事実関係が書かれたものは削除の対象外です。
- 私生活情報
- 公益性のない私生活情報や第三者の確認できないプライベート情報はすべて削除対象となります。
3-3.削除依頼フォームで削除依頼する
ホスラブ(ホストラブ)には、専用の削除依頼フォームが用意されているので、そこから削除依頼が可能です。具体的な削除依頼方法は以下のとおりです。
- スレッド番号(対象URLにある14桁の数字)を入力します。
- 削除したい書き込みのレス番号を記入します。半角数字で入力し、複数の場合は半角カンマで区切ります。(例:10,30,105,140)
- レス番号とともに、削除してほしい削除理由を明記します。②でもレス番号は書いていますが、ここでもレス番号をあらためて書く必要があります。
- 名前・メールアドレスを入力して、「依頼する」ボタンをクリックして終了です。
入力例:
レス番号:10
名誉毀損にあたり、事実無根の内容ですので削除をお願い致します。
3-4.自分でホスラブ(ホストラブ)に削除依頼をする場合のメリット・デメリット
自分でホスラブ(ホストラブ)に削除依頼するのには、メリットとデメリットがあります。自力で削除依頼したいときには、メリットとデメリットをよく比較検討し、難しいと感じた場合には削除依頼をする前に弁護士に相談するようにしましょう。
<メリット>
- 24時間いつでも自分の好きなタイミングで削除依頼できる
- 弁護士費用がかからない
<デメリット>
- 削除したい書き込みがホスラブ(ホストラブ)の利用規約やガイドラインに違反しているか、判断が難しい
- 削除まで時間がかかる
- ボランティアである削除人の判断次第で削除されないケースがある
- 削除依頼フォームに入力した内容はネット上に公開されてしまうため、拡散や炎上など二次被害に発展する可能性がある
4.自分でホスラブ(ホストラブ)に削除依頼をするときの5つの注意点
自分でホスラブ(ホストラブ)に削除依頼をするときに、気をつけたい点が5つあります。削除依頼をする際には、これらの注意事項を守るようにしましょう。
①削除依頼は丁寧な言葉づかいで行う
ホスラブ(ホストラブ)の投稿を削除してくれるのは、運営会社ではなくボランティアの方です。自分を誹謗中傷する投稿を早く削除してほしいあまり、焦って「さっさと削除しろ!」などと強く命令したい気持ちになることもあるかもしれません。しかし、そのような暴言を吐くとかえって依頼を無視されてしまう可能性があるので、最低限の礼儀をわきまえて丁寧な言葉づかいで依頼をするようにしましょう。
②削除には96時間前後かかる
先述のとおり、ホスラブ(ホストラブ)の削除人はボランティアの方なので、削除依頼をしてもすぐには反映されるわけではありません。ホスラブ(ホストラブ)の削除依頼ガイドによれば、「削除は96時間を目処に行います」とあります。そのため、削除されるまではしばらく待つことが必要です。
③削除依頼は公開される
ホスラブ(ホストラブ)で行った削除依頼の内容は、すべて公開されてしまいます。そのため、先程の記入例のように「この書き込みは誹謗中傷にあたる」「個人情報が含まれている」などの表現にとどめるようにします。個人情報などプライバシーにかかわる情報や込み入った情報はくれぐれも書かないようにしましょう。
④スレッドを丸ごと削除するのは難しい
削除してほしい書き込みのあるスレッドは丸ごと削除してほしいという方もいらっしゃると思います。しかし、投稿を削除することは表現の自由を制限することにもつながるため、難しいかもしれません。スレッドごとの削除が認められるかどうかは、スレッドに紐づく投稿すべてがガイドラインに違反していること、もしくはボランティアの削除人の判断によります。
⑤削除依頼フォーム以外では削除してもらえない
削除依頼をするときは、ホスラブ(ホストラブ)で指定されている削除依頼フォームで行います。直接板(スレッド)に「この書き込みは削除してほしい」と書き込むなど、専用の削除依頼フォーム以外の方法では削除に対応してもらえないため、ご注意ください。
5.弁護士を通じてホスラブ(ホストラブ)に削除依頼する方法
自分で削除依頼フォームから依頼をしても削除されなかった場合、または自分では対象の投稿が削除に値するか判断が難しい場合には、弁護士に相談して削除請求をすることをおすすめします。
5-1. 弁護士がホスラブ(ホストラブ)に削除依頼をする2つの方法
弁護士を通じてホスラブ(ホストラブ)に削除依頼をしようとするとき、方法は2つあります。
①プロバイダ責任制限法ガイドラインにのっとった削除請求
ホスラブ(ホストラブ)の運営会社を突き止めて、プロバイダ責任制限法ガイドラインにのっとった削除請求を行う方法があります。この方法は、「送信防止措置依頼」と呼ばれます。送信防止措置とは、電気通信を行っている会社が権利侵害をしている情報の送信を止めることです。
送信防止措置依頼書を運営会社に送付した後、運営会社から投稿者に削除について意見照会書を行い、投稿者から7日以内に反論がなければ削除されます。ただ、このような任意での依頼では削除してもらえないこともあるので、その点をふまえた上でこの方法を利用したほうがよいでしょう。
※プロバイダ責任制限法については、下記の記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。②法的措置による削除請求
裁判所に投稿削除について仮処分を申し立て、ホスラブ(ホストラブ)の運営会社に仮処分命令を下してもらうことで、削除してもらえる可能性が高くなります。仮処分であれば1ヶ月程度で決定が下るので、通常の裁判よりも迅速な問題解決が期待できます。
5-2. 最初に投稿内容を証拠化する
上記①②のどちらの方法で削除請求するにせよ、まずは誹謗中傷されていたり、個人情報などを晒されたりしている投稿を保存して証拠化します。
投稿内容を証拠化する方法は以下の3つあります。
- 問題の投稿が掲載されているウェブページをプリントアウトする
- 削除してほしいページのスクリーンショットを撮る
(対象の投稿だけでなく、スレッドのタイトルやスレッド番号がわかる画面も一緒にスクリーンショットしておく必要があります。画面を上下にスクロールする場合は、画面同士の連続性が上下で分かるようにスクロールさせて、それぞれの画面を撮影して下さい) - ホスラブ(ホストラブ)の入り口をクリックするところから削除してほしいスレッドにたどり着くまでの一連の経過を動画で撮影する
このとき、どのページを削除してほしいのかを明確にするために、必ず該当ページのURLを入れてプリントアウトや撮影をするようにしましょう。
5-3. 裁判所に仮処分を申し立てる
ガイドラインにもとづく削除請求に応じてもらえない場合は、書き込みの削除を求めて裁判所に投稿削除の仮処分命令を申し立てます。仮処分が認められるためには、「被保全権利」「保全の必要性」の2つの要件を満たすことが必要です。
被保全権利とは、名誉権やプライバシー権、営業上の権利、著作権、商標権など、保全されるべき権利のことをいいます。被保全権利が認められるためには、それぞれの権利侵害の成立要件を満たすことを疎明しなければなりません。保全の必要性とは、投稿記事を削除しなければ申立人への著しい損害や危険が及ぶので削除をする必要があることを指します。
裁判所には、この2つの要件を満たしていることを示す申立書と証拠資料を提出します。ただし、ここでいう証拠資料による立証は、きちんとした証明ではなく、「権利侵害が生じていることが確からしい」と裁判官が判断できる「疎明」で足りるとされています。
※権利侵害が成立するかどうかの考え方については、下記の記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。5-4. 審尋
仮処分の申し立てをした後は、裁判官と当事者との話し合い(審尋)が行われます。審尋では裁判官と弁護士が、投稿内容は違法か、どういう証拠を出せば違法と認めてもらえるか、などについて議論をします。
また、同じように裁判官とサイトの運営会社とも話し合いが行われます。投稿削除を求める仮処分とは、「削除せよ」という命令を裁判所が出すことによって債権者(削除を求める側)の要求を実現するための「仮の地位を定める仮処分」にあたります。そのため、裁判所は債権者だけでなく債務者にも反論の機会を与えなければならないのです。裁判官は、双方の言い分や提出された証拠などから、仮処分命令を出すかどうか検討します。
5-5. 担保金を供託する
裁判官に権利侵害と保全の必要性が認められたら、裁判所から指定された金額を担保金として法務局に供託することが必要です。これは、もし相手方にとって不当な仮処分決定が下った場合、ホスラブ(ホストラブ)の運営会社に対して記事を削除させたことに対する損害賠償金を支払わなければならなくなるからです。そのときの原資とするために、裁判所は担保金の納付を申立人に求めています。
納めるべき供託金の金額は投稿の数などにもよりますが、30~50万円程度です。ここで納めた担保金はたいていの場合、一定の手続きを経たあとに返還されます。
5-6. 仮処分命令の発令
担保金が納付されると、裁判所がホスラブ(ホストラブ)の運営会社に対して投稿削除の仮処分命令を発令します。 仮処分命令が下ると、運営会社は正式な裁判を経なくても素直に投稿削除に応じるケースがほとんどです。
5-7. 執行
仮処分命令を受けても運営会社が削除に応じない場合は、執行手続きをとることができます。執行の申し立てをすると、相手方は削除に応じるまで裁判所から命じられた金額を支払わなければならなくなります。
6.弁護士にホスラブ(ホストラブ)の投稿削除を依頼するメリット・デメリット
6-1. メリット①削除してもらえる可能性が高くなる
弁護士は、ホスラブ(ホストラブ)に対して削除請求を行う場合、名誉権・プライバシー権・著作権・肖像権など、どの権利を侵害しているのかを明確にして削除請求をします。そうすれば、削除してもらえる確率が上がるだけでなく、スレッドごと削除してもらえる可能性も高くなります。
6-2. メリット②非弁行為の心配がない
「削除にかかる費用を安くしたい」という思いから、誹謗中傷対策業者に依頼を検討される方もいらっしゃると思います。しかし、誹謗中傷対策業者にできるのは、検索順位を下げる「逆SEO対策」をしたり、検索ワードのサジェストにネガティブワードが上がってこないようにすることだけです。このような業者が代理で削除依頼を行うと、弁護士法72条で違反行為とされている「非弁行為」となり、罰せられます。
その点、弁護士に依頼すれば非弁行為になる心配がないばかりか、代理人として裁判外の交渉から仮処分・裁判までさまざまな対策を講じることが可能です。
※誹謗中傷対策業者については、下記の記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。6-3. メリット③法的手段もとることができる
自力でできるのは、削除依頼フォームからの削除依頼や、プロバイダ責任制限法ガイドラインにもとづく削除請求が限度でしょう。しかし、弁護士に依頼すれば、裁判所で仮処分の申し立てを行うことで迅速に投稿削除が実現できる可能性が高くなります。もし運営会社が仮処分命令に従わない場合でも、執行の手続きをとることで強制的に削除させることも可能です。
6-4. メリット④投稿者を特定して損害賠償請求や刑事告訴もできる
書き込み内容が悪質でお店の売上が落ちたなど損害が出ている場合は、投稿を削除してもらった後、発信者情報開示請求をして投稿者を特定する手続きもすることができます。さらにそこから損害賠償や慰謝料を求めて民事訴訟を起こしたり、場合によっては刑事告訴をしたりすることも可能です。
※投稿者を特定する方法については、下記の記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。6-5. 弁護士に依頼するデメリット
弁護士に依頼するデメリットは、弁護士費用がかかることです。しかし、自力で削除依頼をして投稿を削除してもらえなかった場合は、自分にとって不名誉な情報がずっと残り続けて、何らかの不利益を被ることも考えられます。そういった不安を抱えながら毎日を過ごすより、弁護士費用を支払って削除依頼するほうが、一日も早く日常を取り戻せることにつながるでしょう。
7.ホスラブ(ホストラブ)の書き込み削除をしたいときの弁護士の選び方
ホスラブ(ホストラブ)の書き込み削除を依頼するために弁護士を探そうとしても、どの弁護士に相談すればよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、弁護士を選ぶときの判断基準について解説しますので、参考にしてください。
7-1. ネット上の誹謗中傷問題について取扱件数の多い弁護士を選ぶ
弁護士を探すとき、離婚や債務整理、相続などを身近な問題を扱っている弁護士ならわりと見つかると思います。一方、インターネットにまつわる誹謗中傷や個人情報の晒しといったトラブルは身近な問題であるにもかかわらず、取り扱っている弁護士の数はそう多くありません。
経験の浅い弁護士に依頼すると、削除してもらえない可能性がある上に、かえって炎上したりすることも考えられます。ホスラブ(ホストラブ)の書き込み削除を依頼するときは、ネット上のトラブルを得意とする弁護士を選ぶようにしましょう。
7-2. ホスラブ(ホストラブ)に関する知識の豊富な弁護士を選ぶ
ホスラブ(ホストラブ)の投稿削除について相談するなら、インターネット上のトラブルの中でも、特にホスラブ(ホストラブ)に関する知識や経験の豊富な弁護士にしましょう。ホスラブ(ホストラブ)は運営会社が一見わからないようになっているので、ホスラブ(ホストラブ)の知識がなければ法的措置を取る場合はどこに対して仮処分を申し立てればよいのかわからない、ということもありえます。
ホスラブ(ホストラブ)に関する知識や経験の豊富な弁護士であれば、削除を依頼する相手のことも手続きの仕方もよくわかっているので、安心して任せることができるでしょう。
8.ホスラブ(ホストラブ)削除費用の相場と弁護士法人アークレスト法律事務所の弁護士費用
弁護士に投稿削除を依頼するときの弁護士費用の相場はどれくらいなのでしょうか。ここでは、相場と弁護士法人アークレストの弁護士費用を比較してみます。
9.ホスラブ(ホストラブ)の書き込み削除は弁護士法人アークレスト法律事務所にご相談ください
ホスラブ(ホストラブ)をはじめとする有名な匿名掲示板は、ユーザー数も多いため、誹謗中傷されたり個人情報やプライバシーに関する情報を書き込まれると、風評被害や実害が発生する確率は高くなります。一刻も早く書き込みを削除し、被害の拡大を防ぐための方法を考えましょう。
書き込みをより確実かつスピーディーに削除したい方や、自分で削除依頼をしても通らなかった方、損害賠償請求や刑事告訴を視野に入れているため投稿者を特定したい方は、弁護士法人アークレスト法律事務所にお気軽にご相談ください。
監修者
野口 明男(代表弁護士)
開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。
- 最新記事