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退職代行・内定辞退サービスとは?弁護士に依頼するメリットや費用

2024.09.18
退職代行・内定辞退サービスとは?弁護士に依頼するメリットや費用

会社を辞めたい、内定を辞退したいと思っても自分からはなかなか言い出しづらいケースがあります。また、退職や内定の辞退を申し出たとしても、さまざまな理由で退職や内定の辞退をさせてくれないケースもあります。

このようなケースで役に立つのが「退職代行サービス」または「内定辞退サービス」です。これらのサービスを利用すれば、代行者が労働者に代わって退職や内定辞退の意思を伝えてくれますので、スムーズに退職や内定辞退の手続きを進めることができます。

退職代行サービスを謳う業者が多くありますが、会社側と交渉ができるのは弁護士のみです。弁護士ではない者が、依頼者の代理人として会社と交渉を行うことは、違法行為に該当しますので注意が必要です。

本記事では、退職代行・内定辞退サービスとは何か、弁護士に退職代行・内定辞退を依頼するメリットや費用について、わかりやすく解説します。

退職代行・内定辞退サービスとは?

退職代行・内定辞退サービスとはどのようなものなのでしょうか。以下では、それぞれのサービスの概要について説明します。

退職代行サービスとは?

退職代行サービスとは、労働者の代わりに弁護士などの第三者が会社に対して、退職の意思を伝えるサービスです。

法律上は、期間の定めのない労働契約を締結した労働者であれば、退職日の2週間前までに退職の意思を伝えれば会社を退職することができます(民法627条1項)。しかし、以下のような事情から自分だけでは退職ができないケースがあります。

・退職を切り出したいけど、どのように切り出せばよいかわからない
・退職を申し出たけど、上司から止められてしまった

このような場合には、退職代行サービスを利用することでスムーズに退職手続きを進めることができます。

内定辞退サービスとは?

内定辞退サービスとは、内定者の代わりに弁護士などの第三者が会社に対して、内定辞退の意思を伝えるサービスです。

内定辞退も退職と同様に、2週間前までに告知をすれば理由を問わず内定を辞退することができますが、以下のような理由で自分だけでは内定辞退ができないケースがあります。

・内定辞退を切り出すと、担当者から嫌味を言われるのではないか不安
・第一志望の企業と伝えたこともあり、内定辞退を切り出しづらい
・内定辞退の意思を伝えたけど、引き留められてしまった

このような場合には、内定辞退代行サービスを利用することでスムーズに内定辞退の手続きを進めることができます。

民間の退職代行業者では非弁行為のリスクがある

非弁行為とは、弁護士資格を有しない者が報酬を得る目的で弁護士のみに認められている行為を行うことをいいます。非弁行為は、弁護士法72条で禁止されており、違反すると2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。

退職代行サービスを謳う民間の業者が多く存在します。民間の退職代行業者は、退職の意思を伝えることはできますが、会社側と交渉をすることはできません。
弁護士ではない者が、依頼者の代理人として会社と交渉を行うことは、非弁行為に該当しますので注意が必要です。

このように民間の退職代行業者では、対応できる範囲が限られており、非弁行為のリスクがあります。よって、退職や内定辞退の代行は弁護士に依頼するのがおすすめです。

退職代行・内定辞退を弁護士に依頼するメリット

弁護士に退職代行・内定辞退を依頼すると、以下のようなメリットが得られます。

非弁行為のリスクがない

民間の退職代行業者だと非弁行為に該当するリスクがあるため、対応できる範囲が限られてしまいます。依頼した退職代行サービス業者が非弁行為をしたとしても、非弁行為を理由に会社側が退職に応じてくれない可能性もあります。

しかし、弁護士であれば、退職代行業者のような非弁行為のリスクなく、退職代行・内定辞退代行を行うことができます。

退職や内定辞退に失敗するリスクが減少する

退職代行業者では、労働者の代わりに退職の意思を伝えることしかできません。そのため、会社から退職条件の交渉を持ち掛けられたとしても、それ以上の対応ができません。また、会社側が、非弁行為を理由に、代行業者に取り合ってくれない可能性もあります。その結果、退職代行業者に依頼した場合、退職や内定辞退に失敗してしまうリスクがあります。

しかし、弁護士であれば、会社との交渉を行うことができますので、退職代行業者と比べて退職や内定辞退に失敗するリスクは大幅に減少します。

退職条件の交渉ができる

退職にあたっては、退職の意思を伝えるだけでなく、以下のような退職条件の交渉が必要になります。

・退職日の調整
・有給休暇の消化
・退職金の金額や支払い方法、支払時期
・業務の引継ぎや貸与品の返還

弁護士であればこのような退職条件の交渉も行うことができますので、退職手続きをスムーズに進めることができます。

未払い残業代や慰謝料の請求ができる

退職時に未払い残業代や慰謝料を請求するケースも少なくありません。退職代行業者では、このような請求には対応することができませんが、弁護士であれば退職と併せて、未払い残業代や慰謝料請求に対応することができます。

退職時の手続きも任せられる

退職時には、雇用保険、健康保険、年金などの手続きのために、以下のような書類が必要になります。

・雇用保険被保険者証
・健康保険の資格喪失証明書
・離職票
・源泉徴収票
・退職証明書

会社がスムーズに対応してくれれば問題はありませんが、そうでない場合には、弁護士が代理人として会社と交渉をして必要な書類の取得をサポートすることができます。

弁護士に退職代行・内定辞退の相談・依頼をした後の流れ

弁護士に退職代行・内定辞退の相談・依頼をした後は、以下のような流れで手続きを進めてくれます。

相談・依頼

弁護士への相談は、基本的には予約制となっていますので、事前に法律事務所に問い合わせをして、法律相談の予約を入れます。相談時間は限られていますので、効率よく相談を進めるためにも、あらかじめ相談の概要をメモにまとめ、関係する資料はすべて持参するようにしましょう。

退職代行・内定辞退の相談をした弁護士から提示された方針や費用に納得できたときは、弁護士と正式に委任契約を締結します。

会社側への退職の意思表示

弁護士との委任契約が成立し、弁護士費用の入金が確認できたら、弁護士は、会社に対して、内容証明郵便等を利用して退職の意思表示を行います。

退職に関する交渉や調整は、すべて弁護士が行いますので安心してお任せください。
なお、退職時に未払い残業代などを請求したいときは、相談時に一緒にご依頼いただくことで退職代行と共に対応することが可能です。

退職

無事に会社を退職することができたら、ご依頼いただいた案件は終了となります。

当事務所に退職代行・内定辞退を依頼した場合の弁護士費用

当事務所に退職代行・内定辞退を依頼した場合の弁護士費用は、ご依頼いただくプランに応じて以下のようになっています。

退職代行プラン

退職代行プランは、とにかく会社を辞めたいという方に向けたシンプルなプランです。弁護士があなたに代わって会社に対して退職の意思表示を行います。

退職代行プランの費用は、27,500円(税込)となっています。

退職交渉プラン

退職交渉プランは、退職通知+会社との交渉により、会社を退職するまで弁護士がフルサポートするプランです。

退職交渉プランの費用は、55,000円(税込)となっています。

なお、金銭的な請求が生じた場合には、回収額の20%(税込)が成功報酬として発生します。

内定辞退プラン

内定辞退プランは、内定を辞退したいという方に向けたプランです。

内定辞退プランの費用は、33,000円(税込)となっています。
なお、内定辞退先が複数社ある場合は、2社目は半額、3社目からはさらにその半額で対応します。

まとめ

退職代行・内定辞退の依頼先としては、民間の代行業者もありますが、非弁行為のリスクがあり、対応できる範囲も限られていますので、退職代行・内定辞退は、弁護士に依頼するのがおすすめです。

当事務所では、労働問題に関する経験と実績豊富な弁護士が退職代行・内定辞退に対応しますので、どうぞ安心してお任せください。

野口 明男 弁護士

監修者

野口 明男(代表弁護士)

開成高等学校卒、京都大学工学部卒。
旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。平成25年に独立し法律事務所を設立、平成28年12月にアークレスト法律事務所に名称を変更し、誹謗中傷対策を中心にネットトラブル全般に幅広く関わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。