誰もが気軽に国内・海外の友人と繋がれるとして、Facebookは現代に不可欠なサービスとなっています。しかしながら、相手の顔を見ずに投稿できるSNSに対して「不快に感じた」「嫌な気分になった」という人も少なくないでしょう。
まだ「不快」程度であるなら、問題は解決しやすいのかもしれません。その一方で、批判や嫌がらせ、誹謗中傷、プライバシー侵害に発展してしまうケースもあります。このようなトラブルがあった場合は、どう対処していけば良いのでしょうか?
この記事では、Facebookにおける誹謗中傷やプライバシー侵害などのトラブルについて、事例から削除依頼の方法まで詳細に解説していきます。
目次
アメリカ発祥のFacebook(フェイスブック)は、いまや世界中で使用されています。Facebookはコミュニケーションツールの1つで、日本でも有名なSNSです。
利用者は実名を登録して、文章や写真を投稿したり、メッセージのやりとりをしたりすることができます。
Facebookの誕生により、世界中にリアルな友人を作ることが可能となっています。その一方で、オンライン上のやりとりということで、誰かを誹謗中傷するような内容の投稿やメッセージも見受けられます。
誹謗中傷という言葉は、誹謗と中傷に分けることができます。誹謗とは、他人を貶めるような言動を指します。中傷とは、根拠なく相手の名誉を傷つける行為を言います。
つまり、誹謗中傷とは、他人を貶める目的で悪口を言うことや、根拠なく相手の名誉を傷つけるような言動を指すと考えられます。
誹謗中傷には、いくつか特徴があります。たとえば、人格を否定する内容であること、事実に基づかないことなどがあげられます。
プライバシー侵害とはプライバシー権を侵害することを言います。
プライバシー権は中傷的な権利ですが、たとえば、個人の容姿や情報など私生活に関する個人情報をむやみに他人に公開されないことをいいます。
そのような内容をむやみに他人に公開された場合には、プライバシー侵害となります。具体的には、以下の場合がプライバシー侵害に当たると言えます。
Facebookでは、個人のプライバシー侵害の画像や不快に思う画像の投稿が多数報告されています。
このような事例は、個人間でのトラブルの原因にもなり、誹謗中傷や画像投稿によるネットいじめも問題視されているほどです。
※ネット上で肖像権侵害となる条件については、下記の記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
Facebookは実名登録が基本となっており、他のSNSなどと比べても誹謗中傷のトラブルが少ないと思われています。しかしながら、Facebookだからこそ以下のような事例が起きてしまう場合も少なくありません。
これらが原因でFacebookを退会せざるを得なくなったり、悩み苦しみを抱え続けてしまったりする人もいます。最初は軽い批判だと思っていても、徐々に誹謗中傷へとエスカレートしていくこともあります。
批判をする場合には、相手に対する敬意を持って行うのが理想です。そもそも批判と誹謗中傷は別物であり、誹謗中傷は犯罪に当たりかねないため、十分注意が必要です。
何気ない画像の投稿やタグ付けで相手を傷つけてしまうかもしれませんので、周りへの影響を考えて慎重に行いましょう。
Facebookでは、どのような内容が削除されるのか、また誹謗中傷の範囲はどこなのでしょうか?以下では、Facebookの利用規約などの規定を見ていきましょう。
まずは、Facebookの利用規約を確認していきましょう。さまざまな内容が書かれていますが、誹謗中傷を削除するために読んでおきたい項目を以下にまとめました。
これらに該当する内容は、誹謗中傷という概念で投稿されていてもいなくても、利用規約違反として削除できる可能性が高いです。
また、Facebookのコミュニティ規定では、「いじめと嫌がらせ」についての記述があります。削除対象となるコンテンツは、主に以下のようなものが挙げられます。
Facebookでは、人身に実際の危害を及ぼす場合や、公共の安全を直接脅かす危険性があると思われる投稿をした場合、コンテンツを削除するだけでなく、アカウントを停止し、法執行機関に協力するとしています。
Facebookでは誹謗中傷やプライバシー侵害に関する範囲を細かく設定しています。それでは、このようなトラブルがあった場合はどう対処すれば良いのでしょうか。
誹謗中傷やプライバシー侵害を受けたら、Facebookに報告したり削除依頼したりすることで対処可能です。
実際に報告された投稿が削除対象になるのかどうかはFacebook側の判断に任されていますが、ガイドラインに反しているものであれば削除対応の対象となり得ます。
対応を見極めるためにひとつの指標となっているのが、「Facebookコミュニティガイドライン」です。Facebook側が公開している削除対象で誹謗中傷およびプライバシー侵害に関連する項目としては、以下が挙げられます。
このようなトラブルが友人間で行われていた場合は、直ちに削除してもらうなどの対応を取れば良いでしょう。それでも、相手が拒否するなどして問題が解決しない場合は、Facebookに通報しましょう。
※ネット上で著作権侵害となるケースや削除依頼方法については、下記の記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
Facebookの削除依頼を法的手段として対応することもできます。
たとえば、以下のような法的手段が考えられます。
また、Facebookの削除をした後にさらに法的措置を行いたい場合には、以下のような手段もあります。
したがって、Facebookの削除依頼のみをするのか、それとも他の法的手段をとるのかについても検討した方が良いでしょう。
また、後述しますが、法的手段を考えている場合には、証拠を残しておくことが重要になります。刑事告訴する場合も同様です。
ここからはFacebookで誹謗中傷やプライバシー侵害をされた場合の削除依頼のやり方を解説していきます。
前提として、Facebookにおける削除と利用停止、そして退会という用語の意味を見ていきましょう。
●アカウント削除
アカウントを削除する場合、Facebook上にあるすべてのデータを完全に消去することができます。なお、データはアカウントを削除した日から30日間は復元できます。
●アカウントの利用停止
アカウントの利用停止とは、アカウントを一時停止し、非公開とするというものです。
利用停止は削除と異なり、データがそのまま保持されます。また、いつでもアカウントの利用を再開することができます。
●退会
Facebookを退会するという場合は、主にアカウント削除と同じ意味で使われることが多いです。そのため、データの扱いも削除の場合と同じになります。もっとも、アカウントを再利用するには、Facebookに再登録する必要があります。
Facebookのアカウントを削除するとどうなるかについて、Facebookのヘルプセンターには以下のように記載されています。
詳しくは、以下のリンクにアクセスして確認してください。
それでは、実際に削除申請の手順を確認していきましょう。
まずは、削除の対象となるコンテンツを特定する必要があります。
一見、誹謗中傷やプライバシー侵害とも思えるコンテンツでも、Facebookのコミュニティ規定に違反しない場合には、削除対象とならないものもあるためです。
Facebookのコミュニティ規定によると、以下のような内容のコンテンツは削除対象となりうると言えます。
詳しく知りたい方は、こちらのウェブサイト(コミュニティ規定)をご覧ください。
Facebookには各投稿に報告ボタンが設置されています。そこから誹謗中傷やプライバシー侵害の報告を行うことで、削除の依頼が可能です。削除依頼の流れは簡単です。以下のような流れとなっています。
画像のタグ付けに関しても、同様の手順で「プライバシー侵害」を選択してフロー通りに行えば、削除申請ができます。
申請の結果については、順次サポートから連絡が入ります。
Facebookに誹謗中傷コンテンツの削除依頼をする上で、いくつかの注意点があります。
まず、誹謗中傷やプライバシー侵害をされた場合には、誹謗中傷やプライバシー侵害をされたという証拠を残しましょう。仮に、発信者に対して法的手段をとる場合には、証拠が必要不可欠となるためです。
発信者はいつでも自由に投稿などを削除することが可能です。そこで、誹謗中傷やプライバシー侵害に関するコンテンツを見つけたら、発信者に削除される前に、スクリーンショットを撮るなどして、証拠を残すことが大切です。
スクリーンショットを撮る際には、以下の情報が入るようにしましょう。
撮影するのは、スマートフォンでもパソコンでも大丈夫です。
誹謗中傷やプライバシー侵害のコンテンツを見て、発信者に対してメッセージを送りたいと思うかもしれません。これにより、相手がコンテンツを削除すれば問題はありませんが、相手が逆上するなど感情的になる可能性もあるので、あまりおすすめしません。
発信者本人に対してメッセージを送るのではなく、Facebookに違反報告と削除依頼をしたり、弁護士に相談するとよいでしょう。
誹謗中傷やプライバシー侵害の内容が軽微であり、法的手段や削除依頼をするまでもないと考えられる場合には、相手をブロックするという方法もあります。
Facebookで誹謗中傷やプライバシー侵害をされた場合には、誹謗中傷問題などに詳しい弁護士または法律事務所に相談することをおすすめします。
Facebookの削除代行業者なども存在しますが、業者よりも法律の専門家である弁護士に相談すれば、後々法的手段をとることができます。誹謗中傷やプライバシー侵害にあたるかどうかわからない場合にも、専門的な知識を用いて、丁寧に説明してくれます。
なお、弁護士または法律事務所を選択する際には、誹謗中傷問題などに詳しい弁護士を選ぶ必要があります。弁護士には様々な専門分野があり、分野の選択を間違えると、取り扱ってもらえない可能性もあるためです。
Facebookの誹謗中傷やプライバシー侵害に関する削除依頼を検討している場合は、ぜひ一度、アークレスト法律事務所にご相談ください。
誹謗中傷問題やプライバシー侵害を専門とする弁護士が丁寧に対応させていただきます。
また、誹謗中傷やプライバシー侵害にあたるかどうかわからない場合でも、ご相談いただければ、対応させていただきます。
この記事では、Facebookでの誹謗中傷やプライバシー侵害に対する対処方法について解説しました。記事のポイントは次のようになっています。
Facebookで誹謗中傷やプライバシー侵害があれば、法的解決が必要になることもあるでしょう。そういった場合は、弁護士など専門家に相談することをおすすめします。
特にSNS関連のトラブルは特殊なケースが多いため、これに対応できる弁護士事務所に相談しましょう。
弁護士法人アークレスト法律事務所では様々な解決事例があります。ご相談者様のお話に耳を傾け、最善の解決を目指します。安心してご相談ください。