オープンワーク(OpenWork)は、企業の社員が自社の社風・給与額など「生の声」を投稿出来る口コミサイトです。以前はVorkers(ヴォーカーズ)という名称で運営されていました。就職活動などでサイトを利用するユーザーにとって、就職を希望する企業の良い面も悪い面も知る事が出来るので、検討のための重要な資料になります。
しかしながらオープンワーク(OpenWork)に評判を書かれる企業側にとっては、リスクは小さくありません。事実無根の情報を投稿される事や、トラブルを抱えて退職した元社員が腹いせに企業を非難することもありえます。また、企業の社員になりすまして悪評を投稿されたりする事も起こり得ます。
オープンワーク(OpenWork)にいわれなく悪評を書かれてしまった場合、企業側はどのように対処したら良いのでしょうか。
目次
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「オープンワーク(OpenWork)」は、オープンワーク株式会社(本社・東京都渋谷区)が運営する、就活生・転職者向け企業リサーチサイトです。
社員や元社員はオープンワーク(OpenWork)に登録し、企業風土・社内の雰囲気・経営上の問題点・給料の額などを投稿する事ができます。
有名な企業になると、オープンワーク(OpenWork)に数千件の投稿が掲載されます。社員や元社員から「組織体制・企業文化」「入社理由と入社後ギャップ」「ワーク・ライフ・バランス」「経営者への提言」など8項目の評価を集めています。
2019年8月現在の投稿件数は810万件にも及びます。
投稿の中には、企業を高く評価するものもありますが、中には次のような投稿も存在します。
このような投稿は、オープンワーク(OpenWork)に登録した人であれば誰でも閲覧できる状態になっています。
オープンワーク(OpenWork)は投稿者に対して「企業で正社員または契約社員として1年以上勤務したことがある方のみ投稿が可能」「噂話や不確かな情報の投稿は禁止」「偏った独断的な表現はしてはならない」などと呼び掛けています。
オープンワーク(OpenWork)の投稿ルールには次のようなものがあります。
オープンワーク(OpenWork)に投稿するには、氏名・生年月日・性別・現住所を登録する必要があります。しかしながら、悪意ある者が企業の悪評を書き込むために、偽りの内容で登録してしまう可能性も考えられます。企業側としては、自社の社員や元社員以外からの投稿による風評被害についても目を光らせる必要が出てきます。
以上のように、オープンワーク(OpenWork)はユーザーにとって有益な情報を得られる口コミサイトですが、企業にとってはいくつかのリスクも出てきます。
事実と異なる投稿をされたり、偽りのアカウントにより悪意ある投稿をされるといったケースがそれにあたります。
ネガティブな書き込みにより、採用が難しくなるだけでなく、在籍スタッフのモチベーション低下を招く要因ともなりえます。さらには評判の拡散や炎上に繋がる事で、企業イメージを左右する深刻なトラブルに発展してしまう可能性も考えられます。
企業はこうした口コミサイトによる風評被害に対して、適切なリスクマネジメントが必要となります。
それでは、実際の投稿削除手順について記載していきます。
オープンワーク(OpenWork)に事実ではない悪評が投稿された場合は、指針に従って削除依頼をする事ができます。
利用規約第6条に「掲載内容に誤りがあり第3者からクレームや削除依頼があった場合は削除する」と書かれています。
また運営ポリシーページには「不適切なクチコミの報告システム」という案内が記載されています。
オープンワーク(OpenWork)には運営ポリシーのページが2カ所存在し、削除依頼についての方法は、下記のURLに記載されています。
https://www.vorkers.com/forcompany/
削除依頼の方法が書かれた運営ポリシーページ
https://www.vorkers.com/forcompany/
投稿の削除依頼をする手順を紹介します。
まずオープンワーク(OpenWork)が削除に応じるのは、次のような投稿です。
これらの判断についてはオープンワーク(OpenWork)側が行い、投稿内容が不適切と明確に判断できない場合は「非掲載にしない」とされています。
また、削除依頼を検討している企業に次のように注意しています。
「掲載されている情報が事実であるにも関わらず、不正な理由により削除依頼を申請した場合、当社への営業妨害となるケースもある」
削除申請は以下の方法で行います。
以上が、削除依頼に関する方法・注意点となります。
風評対策について強いノウハウを持たない企業にとっては、判断や手続きに困る場合もあるかと思います。
そのような場合は、口コミ削除に精通した弁護士にご依頼頂く事をおすすめします。
口コミサイトに悪評が書き込まれて削除したい場合は、弁護士にご相談ください。
サイト運営者に対する削除依頼時に、消したい書き込みがどのような法律に接触しているのか根拠を示します。
名誉毀損・偽計業務妨害など該当する理由を明確にした上で削除請求を行うため、サイト運営者の対応も変わります。
弁護士の資格を持たない削除業者による削除行為は、弁護士法72条で禁止されております。
非弁行為という違法行為にあたります。
コンプライアンス・法令遵守の重要性からも、弁護士にご依頼ください。
ネット上で風評被害に遭ったら、早急に問題の記事を削除させる必要があります。 そのために「風評被害対策業者」を利用する場合がありますが、こうした業者は弁護士法違反の違法業者である可能性が高いので、利用すべきではありません。 ... 風評被害対策会社の違法性と、怪しい会社を見極める方法 - 弁護士法人アークレスト法律事務所 |
深刻な風評被害や営業妨害にあたる投稿について、投稿者の特定をする手続きを進める事が可能です。
風評対策に精通した弁護士にご相談いただく事で、IPアドレスの開示・仮処分申立・投稿者の個人情報特定までスムーズに進めることができます。
ネット上で誹謗中傷等の被害を受けたら、記事を削除するだけではなく「投稿者を特定」することが重要です。相手が誰か分からないと、損害賠償請求(慰謝料)や刑事告訴もできないからです。 以下では、ネット誹謗中傷の投稿者を特定するまで... ネット中傷の投稿者を特定するまでの流れ~IPアドレスから情報開示まで - 弁護士法人アークレスト法律事務所 |
口コミサイトによる風評被害により、企業活動に支障が出て深刻化する前に、弁護士法人アークレスト法律事務所にご相談ください。