目次
目次
Yahoo!知恵袋とは、匿名で投稿・回答ができるナレッジコミュニティサイト(知識共有サイト)です。日本最大級のポータルサイトYahoo!JAPANが運営しています。Q&A形式で誰でも質問者・回答者になることができ、1つの質問に対して複数の回答を受け付けています。
知恵袋の膨大な質問数はジャンルによって18の大カテゴリに分類され、そこからさらに中・小カテゴリに細かく分かれています。カテゴリ項目はエンターテイメントから恋愛・人間関係の悩み、健康・美容とファッション、ニュース、マナー、ビジネス、アダルトまで非常に幅広いです。
基本的には利用者相互の匿名でのやり取りですが、一部実名の専門家や企業公式など、より信頼性の高い回答を得られるコンテンツも用意されています。
PCでの利用者数が最も多いサイトYahoo!JAPANのコンテンツだけあって利用者数も多く、2017年時点で登録ID数は約3500万、質問総数は約1億7012万件、回答総数は約4億1673万件となっています。
月間ページビュー数も8億6400万PVで、積極的な利用者以外の閲覧者数もかなり多いことがわかります。スマホアプリ版もリリースされ、ネット上での影響力は非常に大きいです。
Yahoo!知恵袋では、ひとつのYahoo! JAPAN IDで6つまでニックネームを作成でき、質問・回答のジャンルごとに使い分けることができます。他の利用者からは同一人物とは判別できなくなっているため、別のニックネームを使って誹謗中傷などを行っても、本アカウントは全く別の人として利用ができます。
ネット上に書き込まれた誹謗中傷記事によって社会的・精神的被害を受ける事例は数知れず起こっています。誹謗中傷の種類としては、名誉毀損(具体的な事実の暴露(真偽問わず)によって相手の名誉を傷つける)、侮辱(具体的な事実なしで、公的な場で相手を侮辱する)、プライバシー権の侵害(写真・住所などの無断アップロード)の3つが主です。
ネット上の書き込みは、匿名であれば投稿者が特定できないからとエスカレートすることも多いですが、法整備も進み被害者側がサイト運営者やプロバイダ会社などに情報公開を請求し法的に罪に問えるようになっています。
Yahoo!知恵袋でも、個人や企業を攻撃・中傷するような内容や製品の悪評などを書いた質問が見られます。Yahoo!知恵袋はドメインが非常に強く検索結果でも上位に表示されやすいので、中傷記事なども人の目に触れやすく、検索結果からもなかなか削除されません。
Yahoo!知恵袋ではニックネームを使い分けられるので、自分で投稿した質問に対して、自ら恣意的な回答を書き込むことが可能です。誰かのことを尋ねる質問内容に対して悪く回答することで、まるでその悪評が世間的なイメージかのように見せることが可能になっています。
などの理由で、Yahoo!知恵袋は誹謗中傷の書き込みの温床となりやすくなっています。 さらに、Yahoo!知恵袋内だけならまだいいですが、NAVERまとめ(ネイバーまとめ)や2チャンネルなどに転載されてしまうと、ネット上から情報を消すのが更に難しくなってしまいます。
また、Yahoo!知恵袋に登録された記事は、Yahoo検索での検索結果画面にも表示されてしまうので、露出機会がかなり増えてしまいます。
Yahoo!知恵袋では利用上のガイドラインを示していて、ガイドラインで違反とみなされた場合は削除される可能性があります。
Yahoo!知恵袋のガイドラインの一番最初の禁止事項にも、誹謗中傷が挙がっています。Yahoo!知恵袋の運営側も不適切な質問がないか巡回してチェックしていますが、毎日膨大な数の質問が投稿されるため、そのままになっている悪意ある質問も多いです。
もしもネット上に自分や自社の中傷記事が載っていたとしたら、広まる前にできるだけ早く削除したいと考えます。Yahoo!知恵袋では質問の「削除依頼」をすることはできません。
Yahoo!知恵袋の質問は、タイミングによっては質問者自身が削除することが可能です。
他人の質問、もしくは自分の過去の質問を削除したい場合は、質問ページの右下にある「違反報告」から、削除したい理由を添えて報告する方法があります。
自分の過去の質問に対しては削除対応をしてくれる場合が多いですが、他人の質問の場合には誹謗中傷などガイドラインに違反している内容であってもYahoo!知恵袋運営側はあまり削除対応しません。
運営に違反報告をしても特に対応がない場合には、法的手段を通じた削除要請という手段が残っています。法律に基づいて削除申請を行うことができる他、受けた被害に対して裁判で損害賠償を請求することもできます。
どちらの方法でも、申請するにあたってどのような権利侵害を受けたのかという事由を説明する「権利侵害の立証責任」があります。しかし具体的に何が権利侵害にあたるのか、法律の知識がないとうまく説明できず請求申請が通らない危険があります。