Categories: 開示請求

ネット中傷の投稿者のIPアドレス特定の手順とは?弁護士選びのポイントも解説

ネット上で誹謗中傷等の被害を受けたら、記事を削除するだけではなく「投稿者を特定」することが重要です。相手が誰か分からないと、損害賠償請求(慰謝料)や刑事告訴もできないからです。

以下では、ネット誹謗中傷の投稿者を特定するまでの流れに加え、失敗しないための「ネット誹謗中傷に強い弁護士の選び方」まで、実務の現場から徹底解説します。

1. ネット誹謗中傷の投稿者を特定する一般的な流れ

  • サイト管理者を調べる
  • サイト管理者に連絡し、投稿者のIPアドレスを聞き出す
  • 必要に応じて仮処分をする
  • プロバイダを調べる
  • プロバイダに連絡し、ログ保存をしてもらう
  • 必要に応じてログ保存を仮処分をする
  • プロバイダから投稿者に意見照会書が届く
  • 必要に応じて訴訟をする
  • 情報開示を受ける

一般的には上記の流れとなります。 以下では、それぞれの手順を確認していきましょう。

2. 【実務解説】特定に至るまでの具体的ステップ


ここでは、実際に弁護士がどのように手続きを進めていくのか、実務の観点から解説します。

サイト管理者を特定しIPアドレスを開示させる

ネット誹謗中傷やプライバシー権侵害が行われた場合、まずは投稿が行われたサイトの管理者やサーバー管理会社を調べることが必要です。このとき、サイト管理者がドメイン代行業者を使っていたら、サイトを見ても、管理者が誰かが分からないケースがあります。
その場合には、「弁護士法23条照会」(「弁護士会照会」ともいいます)という方法を使って、サイト管理者を明らかにしなければなりません。

サイト管理者が明らかになったら、サイト管理者に連絡を入れて、投稿者の「IPアドレス」を開示するように求めます。IPアドレスとはネット上の住所のようなもので、それがわかったら投稿者のプロバイダが判明します。
任意で開示を受けられたら良いですが、受けられなかったら、次の手続き(仮処分)が必要です。

必要に応じて仮処分をする

サイト管理者が任意にIPアドレスを開示しない場合には、裁判所で「仮処分」という手続きを申し立てて、強制的に投稿者のIPアドレスを開示させる必要があります。仮処分によってIPアドレスが開示されたら、投稿者の経由プロバイダを調べます。

プロバイダに連絡する

プロバイダが明らかになったら、プロバイダに連絡を入れて、投稿者の個人情報を開示するように求めます。
ただ、実際にはプロバイダから任意で情報開示を受けられることは少ないです。
プロバイダがむやみに契約者の情報を開示すると、プロバイダが契約者である投稿者(誹謗中傷の投稿者)から責任追及されてしまう可能性があるためです。

ログ保存の仮処分をする


プロバイダが任意に投稿者の情報を開示しない場合、発信者情報開示請求訴訟という裁判をしなければなりません。
このとき、裁判前に「ログ保存の仮処分(発信者情報消去禁止仮処分)」という手続きをとっておくことが重要です。
ログ保存の仮処分とは、プロバイダが過去ログを消さないようにするための手続きです。
通常、プロバイダや通信会社は3~6ヶ月でログを消してしまいますが、消されてしまっては、裁判で情報開示命令が出ても、開示が物理的に不可能になってしまうからです。

プロバイダから投稿者に意見照会書が届く

プロバイダが、投稿者の個人情報を開示して良いかを確認するために、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)に基づいて、プロバイダが投稿者に対して意見照会書を発行し、発送します。

必要に応じて訴訟をする

プロバイダが任意開示に応じない場合には、プロバイダに対して「発信者情報開示請求訴訟」という裁判をしなければなりません。
これは、仮処分ではなく本訴訟なので、厳格な手続きが適用されますし、非常に時間もかかります。訴訟をすると、だいたい半年くらいはかかると見ておきましょう。
相手の投稿によって権利侵害を受けた事実や情報開示の必要性について、きちんと主張・立証できれば、裁判所が判決によって、プロバイダに対し、投稿者の情報開示命令を出してくれます。

情報開示を受ける

裁判所で情報開示命令の判決が出たら、プロバイダはその命令に従うので、投稿者の情報が開示されます。開示される情報は、以下のようなものとなります。

  • 投稿者の住所
  • 投稿者の氏名
  • 投稿者のメールアドレス

この情報を使えば、投稿者に直接アクセスできるので、内容証明郵便を使って慰謝料の請求書を送ることも可能ですし、投稿者の自宅近くの警察に刑事告訴状を提出することなども可能となります。

以上のように、ネット誹謗中傷の投稿者を特定する作業は、非常に複雑で専門的です。 弁護士法23条照会など、弁護士にしかできないこともありますし、仮処分や訴訟などの裁判手続きも必要です。素人の方が取り組もうとすると、手続きに時間がかかって肝心のログを消されてしまうこともあります。 

※下記記事ではIPアドレス開示にかかる費用の相場と内訳の詳細を解説しています。併せてご覧ください。

3. ネット中傷に強い弁護士選び・3つのチェックポイント


確実に投稿者を特定し、被害を回復するためには、以下の3点(実績・速度・費用)を基準に弁護士を選んでください。

1. 具体的な解決実績数

相談件数」ではなく「解決・特定件数」が重要です。最新のプロバイダ事情やサイト仕様に精通しているかの指標になります。

2. 着手までのスピード

ログ保存期間(約3~6ヶ月)との戦いです。即日~翌日には着手できる体制があるか確認しましょう。

3. 明確な費用体系

着手金、報酬金、実費(裁判費用等)が明確か、「追加費用」が発生しないか、事前に見積もりが提示されるかを確認してください。

4. 経験不足の弁護士に依頼してしまうリスクと失敗例

「弁護士なら誰でも同じ」ではありません。ネット誹謗中傷・削除請求の分野は、IT知識と特殊な法的手続きへの習熟度が求められる専門領域です。経験不足の弁護士に依頼した場合、以下のような失敗が起こり得ます。

  • ログ保存の着手が遅れ、特定不能になる
    • IP開示に時間をかけすぎて、プロバイダの保存期間が過ぎてしまう
  • 海外法人への対応ができない
    • 海外サーバーの場合、現地の送達手続きや英語対応が必要になるがつまずいてしまう
  • 主張の構成ミスで敗訴する
    • 権利侵害の法的構成が甘く、裁判所に認められない

5. アークレスト法律事務所が選ばれる理由

当事務所では、ネット誹謗中傷問題を得意としており、投稿者を特定して、訴訟を起こすまでの全てに対応可能です。

アークレスト法律事務所の強み

圧倒的なスピード対応ログ消失を防ぐため、ご依頼から最短即日で着手可能な体制を整備
複雑な案件への対応力海外サーバー、匿名掲示板、SNS(X, Instagram等)など、難易度の高い特定事案にも豊富な実績あり
トータルサポートIP特定だけでなく、その後の損害賠償請求、刑事告訴、逆SEO(検索対策)までワンストップで支援可能

ネット上の書き込みは、時間が経てば経つほど特定が困難になります。お困りの際には、ログを消される前に、お早めに当事務所へご依頼ください。

itou