ネット上で浮気など男女問題に関する情報を暴露されたり、誹謗中傷にあったりしたら、私たちは我慢するしかないのでしょうか?
実は、浮気の暴露や誹謗中傷は名誉毀損にあたる可能性があります。要件を満たせば、名誉毀損で刑事・民事責任を問えます。でも、爆サイやホスラブなどの匿名掲示板では、加害者を特定できないのでは? と疑問に思うかもしれません。
ネット上での浮気の暴露が名誉毀損にあたる要件と、加害者が匿名でもできる対応法について説明します。
目次
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ネット上での浮気の暴露は、名誉毀損にあたります。細かい要件はありますが、不特定多数の人が見る場所で、浮気などの男女問題を暴露するのは犯罪です。
ただし、内容によっては名誉毀損ではなく、侮辱罪や脅迫罪にあたることもあります。
侮辱罪とは、公然と他人を侮辱した場合に成立する犯罪です。名誉毀損と似ていますが、暴露の内容が「侮辱」であることがポイントです。
例えば、爆サイやホスラブに「Aは浮気性で、すぐに浮気をする」と書き込まれた場合を考えてみましょう。
Aが浮気性だと主張しているだけで、浮気をしている事実は書かれていません。しかし、浮気性だと暴露されたことで、周囲からの評価が下がって生活に影響がでる恐れがあります。そのため、名誉毀損ではなく侮辱罪です。
一方、「Aは自分の彼氏と浮気をしているから家に行く。ただですまないからな。」など脅迫する内容であれば、脅迫罪にあたります。
浮気を暴露されたのがネット上でも、法的措置が可能な要件について説明します。
難しい言葉が並んでいて、わかりにくいかもしれません。かみ砕くと、「ホスラブや爆サイなどの掲示板で、浮気の暴露をして、その人の名誉を傷つけた」場合です。
源氏名やイニシャルに対する浮気の暴露も名誉毀損になりますが、特定の個人だと判断できる場合に限ります。
違法性阻却事由とは、浮気の暴露内容が公共の利益になり得る場合です。政治家や官僚など公的な仕事に就き、暴露しないと公共の不利益になるときは、暴露が合法になります。
しかし、一般人の浮気は公共の利益にはあたらないため、浮気の暴露は違法性阻却事由にはなりません。
爆サイやホスラブで浮気を暴露されたら、感情的に行動してはいけません。投稿が名誉毀損にあたるなら、加害者に法的責任を問うことも可能です。
ネット上で暴露された浮気情報は、あっという間に拡散します。拡散した情報は、完全に削除できない範囲に及ぶこともあります。そのため、早めの対応が必要です。
爆サイやホスラブでは、名誉毀損にあたる投稿を禁止しており、削除依頼ができます。名誉毀損にあたらなくても、理由があれば認められることもありますし、裁判で削除依頼を請求することも可能です。
ただし、浮気を暴露した人を特定するときに、証拠となる実際の投稿が必要です。法的措置をとりたい場合は、削除依頼前に弁護士に相談しましょう。
爆サイやホスラブなどの匿名掲示板でも、浮気を暴露した人を特定できます。交渉や裁判が必要なこともありますが、浮気を暴露した加害者に復讐したいときは、法的措置をとりましょう。
実は、名誉毀損にあたる誹謗中傷が続いているときも、加害者を特定するだけで被害が収まることがあります。加害者を特定するときに、プロバイダから送られてきた意見照会を見て、加害者が「まずい」と気付くパターンです。また、加害者が名誉毀損を謝罪したり、示談で和解できたりすることもあります。
浮気を暴露した人を特定するときは、情報開示請求が必要ですので、弁護士に依頼するとよいでしょう。
浮気の暴露が名誉毀損にあたる場合、加害者に刑事責任あるいは民事責任を問うことができます。
名誉毀損は、名誉毀損罪として警察に告訴すると、刑事事件として加害者が逮捕されます。また、民事事件で損害賠償請求をして、慰謝料を要求できます。名誉毀損の慰謝料は多くありませんが、加害者に責任をとらせる手段として効果的です。
刑事事件として告訴するときに必要になる被害届には、加害者の氏名と住所が必要です。民事訴訟も同様ですので、まずは加害者特定に必要な書類を揃えるため、弁護士に相談して判断を仰ぎましょう。
爆サイやホスラブでの浮気の暴露に気付いたら、すぐに対処をしましょう。
ネット上の情報は拡散されると、完全に削除するのは難しいのが現状です。浮気を広められたくない場合は、すぐに名誉毀損に詳しい弁護士に相談するとよいでしょう。