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バイトテロ炎上の実態と企業の風評被害リスク

近年では、「バイトテロ」と呼ばれるバイトによる悪ふざけ行為の投稿が多発しています。バイトテロは企業の信用の失墜を招き、時には株価の下落店舗の閉鎖・破産などに追い込まれることもあります。また、風評被害によって売り上げが減少するなどのリスクもあります。経営者としては、バイトテロが起こる前に防止したいものです。そのためには、バイトテロの実態や、風評被害が発生した際のリスクについて把握しておかなければなりません。そこで本記事では、バイトテロの炎上の実態や、風評被害のリスクについて具体例を交えながら解説します。

1.バイトテロの実態とは?誰がどのように行っているのか


まずは、バイトテロの実態を解説します。バイトテロとは、アルバイトや社員などの従業員が、TwitterやInstagram、TikTokなどのSNSに、不適切な悪ふざけ動画を投稿する行為です。

ツイッターへのアルバイトによる不適切動画の投稿を「バカッター」、Instagramへの投稿を「バカスタグラム」と呼ぶこともあります。Instagramのストーリーズに投稿された不適切な動画を撮影した動画がTwitterでリツイートされて拡散された事例も少なくありません。

バイトテロでは、常識的な人間では考えられない非常識な悪ふざけ、ウケ狙いを内輪ネタで投稿する行為が散見されます。当初から拡散しようと思っているわけではなく、アルバイト同士の内輪ネタとしてアップロードしたところ、非公開アカウントではなかったため、あっという間に拡散・炎上してしまうのです。

バイトテロを行う従業員の多くが、学生アルバイトなどの若い非正規社員です。彼らは、日常的にTwitterなどを仲間内の連絡手段として使っていることが多く、世界に開かれたものという認識が低いため、ソーシャルリスクを考えることなく投稿してしまいます。

2.実際にどんなバイトテロが起きたのか?具体例を解説

では、実際にどのようなバイトテロが、アルバイトによって引き起こされたのでしょうか。

2-1.事例1「くら寿司のハマチゴミ箱動画」

平成31年2月に問題となったのが、大手回転すしチェーン「くら寿司」のアルバイトによる、ゴミ箱動画です。アルバイトがハマチをゴミ箱に入れた後、まな板に乗せた、というもの。当該動画は、Twitterに投稿するとあっという間に拡散して、大炎上となりました。くら寿司には約1300件の抗議電話が殺到したようです。

2-2.事例2「セブンイレブン白滝動画」

大手コンビニチェーンセブンイレブンでも、バイトテロが発生しています。最近話題になったのは商品のおでんの白滝をアルバイトが口に入れた後鍋に戻す動画です。

2-3.事例3「吉野家テラ豚丼動画」

牛丼の吉野家では、当時「メガ牛丼」というメニューがあり、それを真似てアルバイトが調理したのが「テラ豚丼」です。撮影者が、ニコニコ動画に配信し、他の人物がYouTubeとニコニコ動画に投稿して、批判コメントが殺到し大炎上となりました。

2-4.事例4「ブロンコビリー冷凍庫画像」

ステーキハウスチェーン大手の「ブロコンビリー」では、アルバイトがTwitterに、大型冷凍庫に入って頭だけ出した動画を投稿しました。ブロコンビリーの当該店舗は一時休業して再開する予定だったものの、炎上が止まらず閉店を余儀なくされています。

3.バイトテロを起こした本人たちはどうなった?バイトテロのその後


バイトテロを起こした本人たちは、インターネットで拡散炎上し、その後の社会生活に支障をきたしていることが少なくありません。では、どのようにバイトテロが拡散・炎上していったのでしょうか。

3-1.本人による投稿、第三者による拡散

バイトテロに共通しているのは、本人は拡散の意思がなかったことです。特に最近のバイトテロでは、本人は内輪ノリのつもりで投稿した動画や画像などが数ヶ月後に、第三者によって発掘されて拡散されるケースが少なくありません。Twitterはリツイート機能によって、拡散する速度が速く、あっと今に数万リツイートされる「バズる」状態となってしまいます。

拡散するのは、だいたいが利害関係のない第三者です。許せない悪ふざけを「私刑」する意識のもと「#拡散希望」などのハッシュタグを用いて、拡散を促します。また過去に一度炎上したものが時を経て、再炎上するケースもあります。

3-2.インターネット民による本人の特定

拡散されると高確率で起きるのが本人の特定です。氏名や居住地、勤務先や学校などの個人情報があっという間に特定されるケースが少なくありません。特定の方法は様々ですが、多くは投稿者本人のInstagramやTwitterのアカウントを特定して、投稿された内容や写真から特定作業が行われます。背景に写っている風景で居住地域がある程度推測できます。制服が写っている場合は、制服からの学校の特定は容易です。

先ほど取り上げた「くら寿司」のバイトテロでは、実名と顔写真も拡散されています。その後、彼らは退職処分になったのち、大阪府警から書類送検されました。

アルバイトだけでなく、被害を受けた店舗も、アルバイトの個人情報の特定と同時に特定されていますので、あっという間にクレームの電話が殺到する可能性もあります。店舗名がわかる情報が掲載されていない動画でも、他の従業員や元従業員などから「これは〇〇だ」と特定されるケースもありました。

4.バイトテロの炎上による企業の風評被害リスク


バイトテロの被害にあった企業の多くが、風評被害もうけています。バイトが食器洗浄器に入った写真を投稿した蕎麦屋は閉店を余儀なくされています。先ほどのくら寿司では、店舗に約1300件の電話が殺到しました。ブロコンビリーでは、本人がさらに炎上する言動をしたことから、さらに大きく炎上が広がり、当該店舗は閉鎖に追い込まれています。

このように、企業はバイトテロによって様々な経済的損失、社会的地位の失墜などの被害を受けています。くら寿司では、バイトテロ以降株価が下落していました。

さらに、インターネット上に風評被害が残ることで二次被害が発生することもあります。口コミサイトやGoogleMap(グーグルマップ)上の口コミ、レビューなどにネガティブな書き込みが殺到するケースも少なくありません。掲示板への悪口、誹謗中傷の書き込みなども発生します。バイトテロの記憶が薄れてもこれらの口コミ、書き込みなどは残ってしまい、風評被害を起こし続けてしまいます。

悪評の書き込みによる、客足の落ち込みや売り上げの低下、既存顧客との取引停止、求人難など様々な悪影響が想定できます。人々の記憶の中に「バイトテロが起きた企業」というイメージが残り、企業イメージの悪化は必至です。

5.まとめ

バイトテロは、従業員による悪ふざけがSNSなどに投稿されて、炎上・拡散されて起こります。一度拡散してしまうと事態の収拾は難しく、過去にバイトテロの被害にあった企業は甚大な損害をうけました。

企業側はバイトテロを起こさない、万が一不適切な行為があっても拡散前に阻止することが大切です。企業側ができるバイトテロ対策については、次の記事で解説しますので、併せて参考にしてください。

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